21 日常
フルリは、だいぶ落ち着いてきました。
朝起きたら隣に寝ていたり、
お風呂に一緒に入ろうとしてきたり、
そのくらいですね。
うん、このくらいなら平常運転だよな、我が家では。
『ゼファーシルエット』は、現在アリシエラさんの元へ。
このまま使い続けたいという俺の希望を了承してくれたアリシエラさんが、
もっと俺に合わせた仕様に改修しますと、回収されちゃいました。
もっと俺に合った仕様って、どんなだろう。
また"つくも神"にされちゃったりして。
『ゼファーシルエット』なら、半端なく強い娘になっちゃうだろうな。
褐色・長身・スレンダーなダークエルフっぽい感じかな、
普段は素っ気ないんだけど、何気ない拍子にめっちゃデレたりしてさ。
いいよね、褐色クーデレっ娘……
『……あれはどういう心境の表情なのかな、ユイ』
『分かりませんプリナ、殿方の心の内は乙女には計り知れぬもの』
『特にアランは、ですよ』
『普段よく見る乙女を狙う眼差しとは明らかに違いますよね』
『あえて言うなら乙女に恋焦がれる表情、でしょうか』
『つまり想い人がいらっしゃる……』
『これは大至急お姉さま方に相談しないと!』
あー、どうしたのかな、ふたり慌てて。
まあ、ふたりとも、まだ若いからね。
元気を持て余しちゃって駆け出したくなる日だってあるよね。
よし、そろそろ今日も始めますか。
日課の鍛錬、今はフルリのトレーニングも兼ねて、
安全闘技場で、親娘一緒に頑張っているのです。
『ゼファーシルエット』が戻ってくるまで、実戦には出られないからね。
鍛錬用に用意した長槍、よし。
それじゃ、行くよ、フルリ。
「はい、ご主人さま、です」




