02 相棒
モノカさんとカミス君が、アルセリア王都を騒がせていた神出鬼没の変質者を退治した大ニュースは、すぐに国内外へと知れ渡った。
流石は『特使勇者』と『若旦那』のフレッシュカップル。
仲間の大活躍、俺もホントに嬉しいよ。
「変質者を倒したのはカミスさんだそうだ」
凄いよな、リリシア。
あんなに大人しいカミス君でも、やる時はやるって事だよな。
「倒れたモノカさんをかばって、命懸けで立ち向かった末の大手柄だそうだぞ」
ホント凄いよな。
あのモノカさんが手こずるようなヤツに勝っちゃうなんてさ。
「アランもやってみようとは思わんのか」
もちろんやる時はやる、やるはず、やるかも、多分やる。
うーん、今の俺に足りないモノって何だろう。
鍛錬のおかげで結構闘えるようになってきてるし、
やっぱり『ゼファー』とか『バストネイシア』みたいな頼れる相棒、なのかな。
「その片手剣は、私と出会った頃からずっと使ってきたものだったな」
そうだよ、訓練生の頃に新品として支給されたごく普通の剣なんだけど、
何度も助けられたし、かなり頑張ってくれてるよ。
きちんと手入れを怠らなかったおかげ、かもな。
「武器というのは、特に使用者の想いを敏感に感じ取るものなのだ」
「新しい強力なものを手に入れるにしても、慣れ親しんだものを使い続けるにしても、これからも命を預ける相棒についてじっくり考えてみるのもよかろう」
うん、まさにその通り、だよな。
一度、アリシエラさんに相談してみよう。