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18 決意


 お仕置きもハプニングも無しの夜が明け、そして気持ちの良い朝。


 ガッカリだよ、もう。


 施設での簡素ながらも美味しい朝食をとりながら、内心のもやもやを気付かれぬよう、おすましお父さんモードの、俺。



 いいんですよ、今日のメインイベントは、セシエラさんとのご対面。


 そしてあわよくば、心ゆくまでハグ。


『モンスター』パワーはその時までお預けってなもんです。



 ほう、今日のみんなの私服は、今までのお買い物でゲットしてきたおニューの衣装。



 リリシアは、薄手のワンピース。


 淡い色使いの清楚系ワンピとおしゃれ帽子で若奥さま感アップですね。


 そろそろ日差しが強くなってきたので、真っ白お肌への日焼け対策は万全にですよ。


 なんなら日焼け止め、俺が全身に塗り塗りしちゃうよ。



「朝からその目付きはいかんぞ、アラン」


 妻を愛でるは夫の勤め、だよ、リリシア。




 マユリは、ちょっとボーイッシュなパンツルック。


 まあ、お胸が目立っちゃってるのでボーイッシュ感って言うより倒錯感がスゴいですね。



「朝からその目付きはキツいなっ、アラン」


 妻で萌えるは夫の勤め、だよ、マユリ。




 ユイは、うほっ、プリナさんとのペアルックですな。


 体格・体型は良く似ておりますが、それぞれが違う方向での美少女っぷり。


 お店の人や服のデザイナーが今のふたりを見れば、泣いて喜んでくれるでしょうね。



「私は構いませんが、プリナにその眼差しはちょっと……」

「……大丈夫よ、ユイ。 お城にはもっと不躾な貴族の方もいらしたわ」


 不躾でごめんね。


 むっつりボッチには視線のコントロールはまだ難しいんだ。




 どれどれハルミスタは、って、あれ?


 なにソレッ、


 あるべきところにあるべきものが何も無しっ!



「アリシエラさんと共同開発した部分隠蔽衣装よっ」


 なんですと!


 なんてコトしてくれやがるんですかっ、アリシエラさんっ。


 あなたは世の男性ほぼ全てを敵にまわす悪魔の発明をイタしちゃったのですよっ。



「スタイルを自由自在にコントロール出来ちゃう衣装、殿方からの露骨な視線に悩んでる乙女たちに、きっと大流行するわねっ」


 いかん、いかんぞ、なんとかせねばっ。


 このような愚行、断じて許し難し。


 しかしこれは、俺ひとりでは止められぬ勢いで広まってしまうこと確実、


 それでも、何としてでも対策を考えねばっ。



「珍しく真剣な表情、何事でしょうか」


 マズい、メリルさんには気取られてはならん。


 悪魔の発明に対抗するには、こちらも準備と覚悟と、たぶん資金も必要。


 しかも秘密裏に、だ。


 我が家のお財布のヒモを握り、メイドネットワークとの太いパイプを持つメリルさんだけは、決して敵に回してはいかんのだ。




 当たり障りなく、かつ気の利いたほめ言葉で、妻たちの装いの感想を述べる、俺。


 ハードルは高いが、こっちのヤル気も高いのさ。


 計画立案から成就まで、我が全能力を捻り出してでも、目指せ完遂。


 負けるな、特使公爵アラン!



「ご主人さま、なんだかカッコいい、です」


 ありがとな、フルリ。


 娘からの声援が、何よりの力のミナモトだぜっ。



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