乙女チックな50歳半ばのオジサンに私は恋をする!
私は、今まで自分から好きになった男性が一人もいないわ!
相手の男性に、告白されたり 誰かが私の事を好きだって言ってたよ
と聞いて、かるく相手にアプローチ的な事はするけど?
・・・そんなに自分から、積極的に自らが進んでその男性に
好きとか言った事はないわ!
___正直、男に飢えていないというか?
結構、私はモテると思うから。
私の名前は、『氷川 愛瑠』21歳で、某会社の受付の仕事をしている。
私は、子供の頃から親や近所の人、親戚、通りすがりの人までみんなに
“可愛いね”って言われながら育ってきたのよ。
___既に、小学1年生の時は?
クラスで一番カッコイイ男の子と付き合っていたわ!
中学生になっても、いつも私は男子から視線を浴びていたの。
高校生になって! 本気で私に告白してきた隣りのクラスの男の子と
付き合いだしたわ!
・・・彼って? 凄く真面目な男の子でね!
私には、父親が決めた! 門限があったんだけど?
彼は必ずその時間までに、私を家まで送り届けてくれたのよ。
門限時間は、【18時】なの! 早いでしょ?
*
___でも?
結局、私から彼に“別れてほしい”と言って別れる事になったわ。
・・・別れたい理由を彼から聞かれるのだけど?
いつも、理由という理由が見当たらなくて困るの!
私が、本気で彼を好きじゃないからなんて! 言えないじゃない!!!
【・・・私って? 恋愛に不向きなのかな?】
▼
___そんなある日。
いつも、仕事帰りに乗る電車にその人が乗って来たわ。
ガラガラの席に、その人は私の正面に座ってチラチラ私を
見ているのがよく分かったの。
・・・年齢で言えば?
50歳半ばのオジサンって感じの人よ。
___でもね?
見られ方は、やらしい感じではなくて! 私を見て可愛いと思って。
まるで、自分自身がそうなりたいみたいに見えたのよ。
___だって! そのオジサンの見た目は?
可愛らしい、ふわふわのピンク色のセーターに白のふわふわの短いスカート
を穿いて化粧もしているのよ!
だけど、何故か、、、?
無精髭やすね毛も生えているし! 見た目は、オジサンが化粧して女装して
いるだけのように見えたんだけどね!
・・・ただ、私はこのオジサンの事が凄く気になるようになったの!
___それから毎日、仕事の帰りにはこのオジサンは私の正面に座って
来るようになったのよ!
それが、私は嬉しかったの!!!
まさか!? と思ったけど? 私、あのオジサンの事が好きになったみたい!
▽
___たまに、オジサンは酔っ払いの別のおじさんに絡まれて。
急に、オジサンに殴りかかってきたりするのよ。
___流石に! 酔っぱらってるからって許せない!
オジサンは何もしていないのに!
『___やめなさいよ! このオジサンが何をしたと言うのよ!』
『___わーお! めちゃめちゃ可愛い女の子じゃん! おじさんと
一緒に遊ぼうよ~!』
___そう言うと? その酔っ払いのおじさんが私の肩に手をかけよ
うとしたら? 私の好きなオジサンがその酔っ払いのおじさんを投げ
飛ばしたのよ。
___まさかの!? 背負い投げ?
このオジサン、ひょっとして柔道家なのかな?
よく見れば、ガタイもいいし!
・・・でも? それがまた、私にはかっこよく見えて!
どんどん、好きになっていったわ!
『___オジサン! 私の想いに気がついて!』
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