2、始まり
裸足の女子高生によるちょっと変わった日常学生生活。その2
生徒達はざわついていた。
生徒達「裸足だ、何で?
野生児?
それより小っちゃくて可愛いな、おい。
男子や女子の色々な生徒たちの話し声が聞こえてくる。
のんは教室を見渡した。
すると芽衣を見つけてちょっと驚きにっこりする。
芽衣も同じく少し驚きちょっとにっこりする。
松永先生「えー、みんな静かに聞いて欲しい。
立川さんは見ての通り裸足であるが理解して欲しい。
彼女はある理由で普段靴や靴下を履いていない、
いや履けていないが変な目で見ないで
普通に彼女と生活をして欲しい。」
一人の生徒が訊ねた。
生徒「先生、そのある理由って一体何です?
靴、又は靴下を履くと何かあるんですか?
松永先生「それは・・・。」
松永先生が言いかけた時
のん「私が説明します。
というより見てもらったほうが早いですね。
先生バケツありますか?」
松永先生「ああ、後ろの用具入れにあるが・・・
まさか生徒たちにあれを見せる気じゃ!」
のん「クラスのみんなにくらいは
見せといたほうがいいと思うので。」
松永先生「いや、しかし・・・。
それに君が・・・。」
のん「お爺ちゃんには私から言っておきます。
あと一瞬だけなので大丈夫です。」
そういうとのんはバケツを取りに行き
廊下に出て水を汲みに行った。
智咲「芽衣は何か聞いてるの?」
芽衣「いや、何も。
私もこれから何が始まるのやらって
感じよ。」
のんは水を汲み終え戻ってきた。
生徒達はざわつきながらも様子を見ていた。
のん「ちょっとびっくりするかもしれないですけど
見ていて下さい。」
のんは椅子に座り持っていた靴を履いてすぐ脱いだ。
するとみるみるうちにのんの膝下から足の先までの間に
何やら透明の粘り気のある液状のような物が出てきた。
のんはすぐに足を水の入ったバケツに入れた。
バケツから足を出すと液状のような物質は
みるみるうちに固まっていった。
生徒達は驚いていた。
芽衣と智咲も目を合わせながら驚いていた。
ざわついていた生徒たちは徐々に静かに
なっていった。
のん「御覧の通り、私は靴を履くと
このような物質が体から出ます。
水につけると数秒で固まっていきます。
お医者さんが言うには病気か体質的なものか
よくわからず、原因はよくわかっていません。
そして・・・、ふぁ・・・。」
のんは続けて説明しようとするが欠伸が出て
眠そうになってきた。
のん「あ、あれ、少しなら・・大丈夫
・・と思ったけど、駄目かな・・。
もひとつ、・・皆さんに言って、
・・・く事、・・・・が・・・」
のんは説明しながら眠ってしまった。
松永先生は慌ててのんが椅子から
落ちそうになるのを支えて
起こそうとするが
目が覚める様子はなかった。
そこへ突然教室に大柄な男性が入ってきた。
芽衣はすぐに理事長であると気づいた。
理事長「これは一体!
松永先生どういうことですかな!?」
若干威圧的な態度で先生も生徒達もビクついていた。
松永先生「り、理事長!!!
あ、いえ、これは立川さんが
直接説明したいと言い出しまして
・・・。」
すると理事長は少し落ち着いて
理事長「ふぅむ、困ったものだ。
だが変に隠すより見てもらったほうが
確かにいいかもしれん。
それと私とこの子の事についてもな。」
そういうと理事長はクラスの皆に
自分とのんが血縁者で、祖父と孫であることを
明かした。
またのんが靴を履くと液状の物質を出すと同時に
強い睡魔に襲われることも説明された。
生徒たちは黙々と聞いていた。
理事長「私はこの子が普通の学校生活を
送ってほしいと思っている。
このような病気、いや体質で
周りからは白い目や変な目で
見られることもあった。
どうか彼女が普通の学生生活が
送れるよう温かく見守って欲しい。」
理事長が説明しているとのんは目を覚まし始めた。
目が覚めると同時に足に固まってついていた物質が
割れ始めた。
のん「あ、あれ、お爺ちゃん、じゃなかった。
ここでは理事長だね。
なんでここに?」
理事長「おお、のんちゃ・・のん起きたようだね。
やはり気になって見に来て正解だったようだ」
駄目じゃないかあれほど言ったのに。」
のん「えへへ、御免ね。
でもこれから長い間一緒に勉強していく
友達やクラスメイトに
分かってもらいたかったから。」
理事長は眠っていた少しの間の事を
のんに説明した。
一部の生徒はお爺ちゃんと孫の姿に
ほっこりしていた。
理事長「私からはもう何も言うことはないな。
それでは諸君、のんと仲良く接して
やってくれ。」
理事長はそういうとデカい体をしぼめながら
教室から出て行った。
のん「それではみなさん、
改めて宜しくお願いします。」
のんがお辞儀をして頭を上げると
芽衣は自然に拍手をした。
すると他の生徒も一斉に拍手し
生徒達「おお、何かすごいな!
ミステリアス少女かと思ったら
理事長の孫だったなんて!?
制服に裸足・・・エロいぜ!
生徒達の驚きの声や一部発情した
アホな男子生徒の叫び声も聞こえたが
のんは温かくクラスに受け入れられた。
松永先生「それじゃ、
ちょっとホームルーム過ぎちゃったけど
すぐに1時限目の授業が始まるので準備は
しておくように。」
のん「あの、先生、私の席は?」
松永先生「ああ、すまない、色々あって忘れていた。
君の席はあそこになる。」
先生の指さした先はやはり芽衣の隣であった。
のんはうきうきしながら芽衣の隣にやってきた。
のん「芽衣ちゃん、改めて宜しくね!」
芽衣「こちらこそ、宜しくね、のんちゃん。」
智咲「あ、私も私も、宜しくね、のんちゃん!
私、近藤智咲。
芽衣の昔っからの親友なの。」
のん「よろしくね、智咲ちゃん!
んとちーちゃんでいいかな!?
智咲「あ、いいねーそれ!
そのちーちゃんで呼んで!
可愛いから!
そしてのんちゃんも可愛い!
智咲はのんに抱きついた。
3人が挨拶を終えると悲鳴が聞こえた。
女子生徒「きゃー!!!先生、竹中さんが!」
竹中さんの席の方へ目をやると
竹中さんがうずくまっており
なんと机に大量の血が付いていた。
松永先生「竹中!大丈夫か!!
すると竹中さんはむくっと起き上がり
竹中「は、はい、だ、大丈夫です、せ、先生。
た、ただの、は、鼻血ですから。」
顔に大量の血痕がついて長い髪が
顔を覆い隠すようになって不気味に
なっていた。
松永先生「おわ!!
か、顔洗ってきた方がいいぞ。
それと念のため保健室行って
見てもらって来い。」
竹中「わ、わかりました。」
竹中さんはのんの方を見てその後
のんの足を見てニヤッと
笑いながら教室を出て行った。
のんはちょっとひきつったような顔で
のん「い、今の人ちょっと変わった人
だね・・・。」
芽衣「あ、うん、竹中さんて言うんだけど
ちょっとっていうかだいぶ
変わってる、かな?」
智咲「ま、まあ悪い人ではないと思うけど
何か色々気を付けた方が
いいかもね。」
芽衣と智咲は多分、先ほどのんに起こったこと
について竹中さんは大量の鼻血を出したんだと
確信していた。
そして1時限目のチャイムが鳴った。