1、出会い
ほとんど小説は読んだことも書いたこともありませんが
何故か無性に書きたくなり、読んでもらいたくなりました。
中々書く時間がありませんが、
取り合えず最後まで書き続けられたらいいなと思います。
タイトルは自分でつけた適当な略語です。
読んでもらえばわかります。
芽衣「(もう高校入って2週間かー。
早いような短いような・・・
っていつも思ってる気がするけど。
それより今日は時間あるから人通りの少ない
公園でも通って行こうかな?)」
栃野芽衣はいつもより寝覚めがよく、
30分早く起きて学校へ行こうとしていた。
普段学校に通っている道を使えば15分と掛からずに着いてしまうが、
陽気が良くて散歩したいのか少し遠回りをする事にした。
公園前の信号機に差し掛かり青になるのを待っていた。
ふと横を見ると女の子がいた。
ショートヘアで芽衣より小柄で制服も芽衣と同じ物を着ていた。
芽衣はちらっと横顔を見た。
少ししか見えていなかったが芽衣から見ても
可愛い顔をしている子だなと思った。
何年生だろうと思っていると信号機が青に変わった。
隣にいた子が足早に進む姿を追い芽衣も同じように歩き出した。
視線が女の子の全体を捉えた時、足元に在る筈の物がなかった。
芽衣(あれ?裸足?靴も靴下も履いてないように
見えるのは気のせいだろうか・・・)
足の裏を見ると土踏まず以外黒く汚れており、
長い時間裸足で歩いて来たのがわかる。
芽衣の脳裏には苛めや虐待という言葉がよぎったが、
女の子は落ち込んでいたり痣があったりする様子はなかった。
公園内に入り芽衣がまじまじと女の子の足元を見ていると、
目の前にガラス片が落ちていた。
そのガラス片は小さく普段靴を
履いていればなんてことはないものだが、
女の子は裸足だったので芽衣は
芽衣「あ!危ない」
と芽衣は慣れない光景で咄嗟に大声を出してしまった。
すると女の子は振り向いたが、足はガラス片を踏んでしまっていた。
小さい破片とはいえ鋭利なものが足の裏に刺さる痛さは相当なものだろう。
芽衣は自分が大きな声を出したせいで
ガラス片を踏んだと思い込み女の子に近づき謝ろうとしていた。
芽衣「ご、御免なさい大丈夫ですか!
危ないのを知らせるつもりが逆にびっくりさせちゃって・・・。」
すると女の子は芽衣の前に足の裏を見せて
女の子「大丈夫です、こんなのなんともありませんから。」
芽衣「え~~~っ!!!
芽衣が驚くのも無理はない。
なんと女の子の足の裏には傷一つなく、
足元にあったガラス片のほうが粉々になっていた。
女の子「よくあることですから。」
芽衣は一瞬ポカーンとして、はっ!となった所で
芽衣「よくあることって・・・無事だったのは何より
(というか、え?何?格闘技のプロ?マジック?
どう見ても普通の女の子があんなもの
踏んだらまず血だらけになるはず・・・それに)
それよりその足・・・」
と芽衣が裸足の理由を聞こうと思っていたら
横から自転車に乗った駐在さんが来て
駐在さん「君だね、この辺りを裸足で歩いてるって子は?
さっき電話があって裸足で歩いてる
女子学生がいるって通報があってね
苛めとかの事件じゃないかということで見回りに来たんだけど、
どうして裸足で歩いているんだい?
そりゃ普通の女子高生が裸足で歩いていれば誰でも変に思う。
というかこの日本で街中を裸足で歩いている人なんて
普通はいないと芽衣は思った。
女の子「やっぱ言われちゃいますよね、んー、
取り合えず簡単に説明しますけど
苛めや虐待なんかではないです。
裸足の理由についてはこれが当たり前
というか日常なので、と言うしか・・・。」
駐在さん「苛めや虐待ではなく裸足が当たり前で日常?
君は普段靴を履かないということなのかね?
女の子「はいそうです。子供の頃から必要な時以外は履いていません。
駐在さん「子供の時から!?でも今必要な状況じゃないの?
裸足で歩いていたら怪我するよ。
それに犬や鳥の糞もあって衛生的にもよくないし
雑菌なんかで大変なことにもなる。
しかもその糞を踏んだ人間が通った道の上を歩くこともあるし、
雨が降ればその汚いものが流れた道を歩くこともある。
それを分かったうえで裸足なのかね?
芽衣は先ほどの様子を目にしていたので怪我はしないかも、
と思いつつ衛生面は良くないと思っていた。
女の子「はい。確かに地面には色々落ちていて、
危ないものや汚くて不潔なものはあります。
極力危険なものや衛生的によくないものは避けています。
地面が決して奇麗ではないことも理解しています。
けれども小さい頃からそれを理解した上での裸足です。
両親も理解しています。
それと必要な時というのはお手洗いや公共のお店などに入る時です。
よく聞かれることなのか、女の子は慣れた様子で駐在さんに説明していく。
駐在さん「御両親も納得の上か。んー、
確かに君が苛められてる様子や怪我してる様子もないし
嘘をついてるとは思わないがそのー、なんだ、
やはり靴は履いたほうがいいと思うんだよ。
危ないのもあるが流石に君ね、
学校行くときに女の子が制服姿で
裸足で歩くのは他の人の目にもつくし
変な輩が襲ってくるとも限らない。
今持っているなら履いたらどうだい?
女の子「それはそうなんですが・・・。」
芽衣は確かに駐在さんの言う通りで最もな意見だと思ったが
女の子がここまで裸足に拘っている理由が気になった。
渋い声「いいではないか、君。その子の好きなようにさせてやりなさい。」
後ろから190cm以上はあろうかという
ガタイのいい立派な髭をした初老の男性が声を掛けてきた。
駐在さん「り、理事長!!こ、こんな所で何を!
女の子「お爺ちゃん!
芽衣「(え、理事長?お爺ちゃん??
なんか色々情報が入ってきて整理しないと・・・。
でも何処かで見たことあるような・・・)」
理事長「のんちゃんが家から出たって話を聞いてね、
探していたんだよ。まさか公園内を通っていたとはね。
駄目じゃないか、初日だけは車で行くって約束をしていたのに。」
芽衣「(のんちゃんってこの女の子のことか。
ん?まさか理事長って・・・うちの高校の一番偉い人じゃん!?
てかそうだ思い出した!
入学式の日に一番最初に挨拶してた人だ!)」
のん「えへへー、ごめんねお爺ちゃん。
でもどうしても早くこの辺りを知りたくて、
そしたら近くに公園があったからつい。
理事長「全くのんちゃんは昔からお転婆だねー。
それより学校が始まってしまうから早く行こう。
のん「うん!
理事長「というわけでいいかね君、急がないといけないので。
詳しい話はあとでしてあげよう。
駐在さん「え、あ、はい、理事長がそう仰るなら・・・。」
駐在さんはそう言うと直ぐに立ち去って行った。
芽衣は何で駐在さんがうちの学校の理事長を知っているのかと思っていた。
ただ芽衣は理事長がこの街で影響力のある人間
であるのは間違いないと感じていた。
理事長「そこの君も我が校の生徒のようだね。
のんちゃんとはお知り合いかな?」
芽衣「あ、いえ、今出会ったばかりで、
その子がガラス片踏もうとしてたのを止めてそれで・・・。」
理事長「ふむ君はいい子だな。何年生かな?」
芽衣「まだ今年入ったばかりの1年生です。」
理事長「のんちゃんと同じ1年生か。いい友達が出来たな。」
のん「お爺ちゃん、いきなり出会ってまだ
何も紹介してないのに友達って変だよ。
理事長「おお、そうだった。まだ名前すら知らなかったな。
私は君が通う立川大進高校の理事長の立川大進だ。」
のん「私はお爺ちゃん、じゃなかった。
立川大進理事長の孫娘、立川乃蕪子。
名前はのぶこだけど昔からのんって呼ばれてるから、
のんって呼んでね。
今日こっちの高校に転校してきたばかりなんだ。」
芽衣「転校生だったんだ。えと、私は栃野芽衣です。」
のん「芽衣ちゃん、宜しくね!」
芽衣「のぶ、のんちゃん・・・宜しく・・ね。」
理事長「さて自己紹介も済んだことだしそろそろ行こうか。
近くに車があるから乗って行こう」
のん「ありがとう、でも私は芽衣ちゃんと一緒に行くから大丈夫。」
理事長「それならその子も車で連れて行ってあげよう。」
のん「うん、いいよ、私歩きたいし、
それにお爺ちゃんは理事長なんだから
一人の生徒を贔屓しちゃ駄目だよ。」
理事長「いや、しかしのんちゃん、その足では・・・。
それにほら、ここら辺にはまだ周知してないし・・・。」
芽衣「(周知?)」
のん「大丈夫、学校までそんな遠くないし
流石に駐在さんに2度も止められないから。
芽衣ちゃんもいるから大丈夫。」
理事長「そうか分かった。気を付けて行くんだよ。
何か変なことがあれば直ぐ私か警察か学校に電話するんだよ。」
のん「お爺ちゃん心配しすぎだよ、それじゃまた後でね。」
理事長「あ、ああ、また後で。
君、これからのんちゃんを宜しく頼む。
いい友達でいてやってくれ。」
芽衣「え、あ、はい。」
大柄な理事長は少し残念そうに戻って行った。
のん「それじゃあ、行こうか芽衣ちゃん!」
芽衣「あ、うん。」
芽衣とのんは学校へ向かい歩き出した。
芽衣「(まさかたまたま朝早く目覚めて、たまたま違う道を通ったら、
たまたま裸足の女子高生がいて、
その後にうちの高校の理事長が来るなんて漫画かドラマだなー。)」
のん「芽衣ちゃんの家はこの近くなの?」
芽衣「あ、うん、ちょっと方向は違うけど近く。
今日はたまたま朝早く目覚めて
散歩がてら公園から行こうかなって思ったの。」
のん「へー、なんか運命というか漫画かドラマみたいな出会いだね!」
芽衣「(うん、私もさっき思ったそれ。)」
のん「私もこの近くに引っ越してきたばかりで、
まだこの辺のこと知らなくて。
それで早めに家出てきちゃったんだ。
まあほんとは送ってもらう約束だったんだけどね。」
芽衣「なるほどね。でも裸足で外出るって相当勇気いるよね。
普通恥ずかしくて出来ないと思うけど
さっき言ってたこと以外にも何か理由があるの?」
のん「・・・んー、そうだねその話はまた今度にしようか?
そろそろ学校にも着くし。」
芽衣「あ、うん。(何か訳ありなのだろうか・・・)」
二人が喋っている間に公園を抜けて学校に近づいていた。
登校時間中の学生たちがたくさんいた。
一人の生徒がのんの足元を見る。
それにつられて次々に生徒たちの視線がのんの足元へ注がれる。
芽衣「(そりゃそうなるよなー。私だってガン見してたくらいだし。
公園内でもちらほら見られてたしなー。
何か私まで見られてるようで恥ずかしくなってきた・・・。)」
のん「芽衣ちゃん、私転校初日で職員室行かないといけないから先行くね。」
芽衣「あ、うん。」
そういってのんは走り出した。
だが走る速度が普通の女の子のものではなかった。
芽衣「え~~!!!
芽衣は再び驚いていた。
学校の正門まではまだ300メートルぐらいはあろうかというのに
のんはものすごい速さでたどり着こうとしていた。
他の生徒たちもビックリしていた。
芽衣「(一応走る速さは見えていた。
100メートル10秒以内で走る選手は知っている。
確かにそこまで早いわけじゃないけど
普通の女子高生が走る速さはとっくに超えていることは私でも分かる、
しかも裸足で!)」
と芽衣が思っているうちにのんは正門にたどり着き校内へ入って行った。
芽衣「(最初のガラスの時もそうだったけど、のんちゃんの足は普通じゃない。
かといって凄い現実離れしてるってわけでもない、
かもしれないけど・・・んあー!
とにかく現実に起きたことだ、受け入れよう・・・。)」
芽衣は取り合えず今まで起きたことを受け入れて学校へ歩いて行った。
学校へ着くと校内がざわついているのが分かった。
芽衣「おはよー、智咲。」
智咲は小さいころからの芽衣の幼馴染で大親友である。
智咲「おはよ芽衣!ねえ見た聞いた?
何か超速ダッシュしてきた女子高生が裸足だったって。
プロも顔負けの速さだったとか。
しかも小っちゃくて可愛かったって。」
芽衣「智咲、近い近い!知ってるよ。のんちゃんでしょ。
てかさっきのことなのに話広まるの早!」
智咲「そりゃ狭い学校の空間内で噂なんてあっという間に広がるよ。
ましてや今の世の中SNSで離れていようが関係なし。
それよりのんちゃんっ・・てあんた知り合いなの!?」
芽衣「まあさっき会ったばっかだけど、友達になっちゃった。
同じ学年で転校初日なんだって。」
智咲「へー!登校時間に会ったばかりで、
しかも裸足で謎の美少女転校生ときたもんだ。
漫画やドラマ、アニメみたいな出来事だなー。」
芽衣「(謎の美少女転校生って・・・確かに謎だけども。
それにさっきも聞いたし思ってたしそれ、
アニメとは言ってなかったけど。)」
芽衣たちがのんの話をしていると物音立てずに近づく気配があった。
竹中「栃野さん!そ、その転校生ってずっと、
は、裸足だったの!!??」
芽衣「うわ!たっ、竹中さん、ど、どうしたの急に?」
竹中さん、彼女は普段目立たないが何処か得体の知れない
不気味な様子だったので名前は覚えていた。
竹中「あ、ええ、御免なさい、
ちょ、ちょっと気になって、
だ、だって裸足で学校に来るなんて、
ちょ、ちょっと変だと、お、思って。」
芽衣「ま、まあ確かに変だよね。
誰でもそう思うよね。
でものんちゃんは家からずっと裸足で歩いてきたみたい。
(竹中さんの興奮の仕方もちょっと変だけど・・・。)
竹中「ぶっ!!そ、そうなの!!
それじゃ、もちろん足の裏なんかは真っ黒で!!!」
芽衣「ま、まあ。そりゃ裸足であんな歩いてたら真っ黒にもなってるよ。
(竹中さんの迫力が怖い・・・。)」
竹中「!!!うっ!!!
芽衣「竹中さんどうしたの!?大丈夫!!
竹中「だ、大丈夫、ちょっと想ぞ・・・いや妄そ・・・。」
竹中は鼻血が出かかっていたのティッシュをすかさず出し止めようとした。
芽衣と智咲は察した。
竹中さんはちょっとあれな変態さんであると・・・。
智咲「それにしても芽衣さー、
そういう出会い方って事はもしかしてうちのクラスに
転校してくるんじゃないの、その子?
そんでもって芽衣のすぐそばの席に来るとか。」
芽衣「はは、まさかー、1年はF組までの6クラスだよ。
それに私の近くの席なんて・・・はっ!
(そういえば私の隣の席の空間が不自然に空いてる。まさか!)
始業時刻にチャイムが鳴る。
生徒たちが席に着き始め、担任の松永先生が入ってくる。
松永先生「えー、みなさんおはようございます。
今日は最初に転校生を紹介したいと思います。
さ、入ってきて。」
教室のドアが開き生徒たちがガヤガヤし始める。
芽衣はビックリしたが何故かやっぱりなという感じはしていた。
のん「みなさん、初めましてこんにちは。
立川乃蕪子といいます。
小さいころからのんって愛称で呼ばれてます。
まだこの街に来て間もないですが、
みんなと楽しい高校生活を送りたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。」
芽衣とのんのちょっと変わった日常的な高校生活の始まりであった。
人物紹介
立川乃蕪子15歳
立川大進高校に転校してきた高校生。1年生。
立川大進高校の理事長の孫娘。
小さいころからのんと呼ばれている。
ショートヘアで身長148cm。
裸足であること以外は普通の女子高生に見えるが、
裸足でガラス片を踏んでも傷一つつかない強靭な足の裏を持っており、
数百メートルの距離を裸足で女子のプロ選手並みか
それ以上の速さで走る元気な女の子。
何か訳ありのようで裸足で生活している。
栃野芽衣15歳
立川大進高校に通う普通の高校生。1年生。
たまたま登校時間に出会ったのんと友達になる。
セミロングヘアで身長162cm。
本人は至って普通なのだがのんと出会ったことで
ちょっと変わった高校生活を送っていくことになる。
近藤智咲15歳
立川大進高校に通う高校生。1年生。
幼稚園からずっと芽衣の親友である。
ポニーテールで身長163cm。
芽衣と同じく普通の女子高生で芽衣と同じく、
のんが転校してきたことでちょっと変わった高校生活を送ることになる。
竹中志穂15歳
立川大進高校に通う高校生。1年生。
芽衣と同じクラスメイト。
ロングヘアで身長155cm
のんが裸足で登校してしてきたことを聞いただけで興奮する変態。
足の裏が汚れていることにも
更に興奮しておりかなり特殊な足フェチである。
理事長 立川大進63歳
立川大進高校の理事長。
のんちゃんこと立川乃蕪子は彼の孫娘。
渋い声のダンディーなガタイのいい192cmのお爺ちゃん。
駐在さんをたった一言で帰らせるほど権力を持っている。
孫娘ののんちゃんに甘い。
駐在さん(ちゅうざいさん)
芽衣がいる街の駐在さん。
一般市民からの連絡を受けてのんを見つけるが
理事長に詳しい話は後で言われ渋々仕事に戻って行った。
松永先生28歳
立川大進高校の数学教師。
芽衣のクラスの担任。
リアルでおっさんが街中で裸足で歩いてるの見かけて
ふと思いつきました。
何で裸足で歩いていたのか知りませんでしたが、
もしそれが女子高生だったらと思い書きました。
現実で街中を裸足で歩くのは危険です。