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お財布。
形見には祖母が晩年まで使っていたお財布をもらった。
元は、私がまだ学生だったころに祖母に贈ったものなのだが。
その頃の祖母は、指先の力が弱くなってきていて、がま口を開け閉めするのがしんどいと言っていた。
使っていたお財布がぼろぼろになってきたので新しいのが欲しいと。
小銭入れのところはがま口が良いと言う。
だから、私のお小遣い程度で買える値段の中から、一番開け閉めがしやすそうなものを選んだのだった。
そのお財布も、祖母がなくなる時にはだいぶぼろぼろになってしまっていたが、ずっと使って貰えていたことが嬉しかった。