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握手。
帰る時には祖母と握手をしていた。
いつからだろう?
小さい頃は、そんなこともなかった気がする。
祖母が膝や腰の痛みで生活が困難になってきて、入退院を繰り返すようになってからか。
大きな持病もなかったので、長く入院したのは晩年だけだったが。
入院してる時にお見舞いに行き
他愛ない話をして。
あまり長居すると祖母がだんだん面倒になるのが分かるから、適当な所で切り上げ。
最後に
「これが会うのは最期かもしれないから」
と祖母が言い。
「そんなことないから」
とわたしが言い。
握手をしてお別れ。
いつも同じ。
それが繰り返されて、ずっと続くんじゃないかと思えるくらい。
水戸黄門みたいに。
ピアノの反復記号みたいに。
わかってたけど、やっぱり最期は訪れて。
でも、握手した時はそれが最期だったなんて分からなくて。