面倒だ。
生きるのが面倒だ。
働くのが面倒だ。
食べるのが面倒だ。
眠るのも、女を抱くのも何もかも面倒だ。
何故私はここにいるのか。
ここにいる必要は無い。
ならばどうするか。
死ぬしかない。
どうやって死にたい。
眠るように死にたい。
痛いのは嫌だ。
辛いのも嫌だ。
つまりは老衰か薬による安楽死か。
老衰したければ然るべき年数を生きねばならない。
老衰が痛くも辛くもないと誰が決めた。
老衰は辛い。
動かぬ身体。
回らぬ思考。
失われていく感覚。
段々無に近づく恐怖。
そこに生きているという実感はあるのか。
ならば薬か。
本当に寿命がそこまで来ているならそれも悪くない。
だがおよその寿命がわかっても明確にわかるものはいない。
もしかしたらその後10年は生きるかもしれない。
もしかしたらその後何かしらの幸福があるかもしれない。
もしかしたら・・・。
結局死にたいわけではない。
では何がしたいのか。
わからない。
生きるのであれば、まずは欲求を満たせばいいのではないか。
生物であれば腹も減るし眠くもなる。
退屈になるし性欲も湧く。
だがそれらを満たすには金がいる。
金がなければ満足な食事を得られない。
金がなければ安心して眠れる住処を得られない。
金がなければ遊ぶ費用も、女を養う甲斐性も得られない。
ならばどうするか。
働いて金を得るしかない。
だが働くことは面倒だ。
嗚呼、生きるって面倒だ。