決意
しばらく忙しかったです(>_<)
また時間があまり取れなくなってきたので、文字数少ないです笑
心をときめかせ、目を輝かせながらギルドの敷居をまたいだ結だった……。だった、のだ。想像していた風景とは天と地の差程も違い、寂れていた。
力強そうな冒険者はいるのだが、机に突っ伏したまま、動かない。動けないのではなく、動かないのだ。まるで、生気のない躯の如く、絶望という名の感情が、表情に現れていた。
「な、なんや……。寂れとるやん……」
結もまた、絶望した。期待していた、荒くれ冒険者も、超高難度のクエストに行かんとする勇敢な冒険者も、酒と怒号が飛び交うテーブルも、全てが期待外れだったのだ。
「仕方ないのです……。王様の、せいなんです……」
と、言ったところで、ここまで結を案内してくれた女性までもが泣き、崩れ落ちた。あの自己満の王のせいで、この様だという。ギルドマスターらしき男が、座って煙管をふかしていた。話を聞くため、そこへ行った。
「なあ」
「あん?」
声を掛けてみたものの、ぶっきらぼうな対応の仕方だ。ギルドマスターなら、もう少し元気ならよかったのに。残念だ。
「なんで、こんなにギルドが寂れとるんや?」
「……」
こっちから積極的に話しかけてみるものの、何も話してくれないときていた。やはり、何か訳があるのだろう。
眉をひそめながらここまで考えていた時、ギルドマスターは、眉間に皺を寄せながら、渋々と言った感じで口を開いた。
「近頃の、王の政策のせいさ。税を引き上げて、初心者の冒険者が活動できなくなったのさ。そんな国が嫌になって、腕の立つ冒険者はみんないなくなっちまった。王のせいでッ……!!」
グッ……と、拳に力を込め、恨めしそうな雰囲気を漂わせていた。余程の苦渋を味わってきたのだろう。
「なるほどなぁ……」
「あんたも冒険者志望か?やめとけやめとけ。ギルドマスターだから、こんな事言っちゃいけねぇんだが。冒険者になりたいなら他の町に行きな。この国はもう……だめだ」
「いや、そんな面倒いことせぇへんで?」
「は?」
「国潰したろ〜♪」
「は?」
ここから、結の国攻略が始まったのである。勿論、この国の人からすればいい迷惑になるのだが。