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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
間章 唐突にダンジョン
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誕生‼ 魔王少女

更新です。

迷走に迷走を重ねやがて混沌へ。そういう感じで面白い話をかけていればなぁ思います。

あと1~2話したら闘技大会編に戻る予定です。

「次は私が行くわ」


 勇次の勝利と先程のパスタの報酬についての発言にやる気満々な真央が名乗りを上げる。


「真央さん。頑張ってください」


 由愛も真央にエールを送っているが若干目が妖しい。真央も真央で由愛に対して自信満々に答える。


「ふっ。私を誰だと思っているの? まぁ見てなさい。あっさりに勝ってくるわ」

「……なんで俺を見た?」


 なぜか馬皇をちらりと見た真央に馬皇はうさんくさそうな眼で見るが真央は涼しい顔で独り言をつぶやいた。


「ふふふ。さっさと終わらせて次は由愛とサライラの全員で女の子モードの馬皇をもう一度楽しまないとね」


 真央の言葉と雰囲気に馬皇は寒気が走る。これ以上何かを言うのも聞くのも身の危険を感じた馬皇は真央たちに話しかけるのを諦めてパスタに話しかけた。


「なぁ。無性に俺クリアしたくないんだが……」

『そうなりますとよりひどい恰好になったり尾語や姿になったりするような罰ゲームを体感し続けますよ』

「勝っても地獄、負けても地獄か……」


 どう頑張ってもあまり良くない結果になることを悟った馬皇は真央を眺める。


『それでは始めましょうか。ステージ作成っと。ちなみにそんなこと言わなくてもクエストの場所を変えることが出来るのですがね』


 パスタの言葉に反応して今度は厳かな城の中にいた。その広さは中々のものであるが窓の外を見ると暗雲が立ち込めている。その雰囲気と相まってラスボスとの決戦の場といえるような場所であった。辺りは誰も存在せず真央たちから見て一番奥の中央には玉座があった。玉座にはいかにもな悪魔がふてぶてしく座っている。


『ミッション:魔王を倒せ』

「ふはははは‼ よく来たな‼ 勇者よ‼ お前のせいで俺の計画が台無しだ‼ 人類共々滅ぼして――グアァァァ‼」


 敵意満載で魔王を名乗る悪魔が口上を言い切る前に真央が先制の氷弾を浴びせる。そこに表情は一切なく容赦の欠片もない。


「貴様‼ 俺がまだしゃべっ――」


 魔王が何かを言おうとするが何かを言い切る前に新たな魔法が魔王に命中する。さらに何かを言おうとする魔王であるが、真央は喋る暇を与えずに容赦なく魔法を浴びせいていく。やがてその魔法の量は増えていきもはや魔王と名乗った悪魔の姿が真央の創り出した大量の魔法によって埋め尽くされる。しばらく魔法の雨が降り注ぎ真央が一旦中断するとぼろ雑巾同然になった魔王の元に真央は掴みあげて持ち上げる。そして、いつも以上に冷たい声で話しかけた。


「それで? あなたなんだっけ?」

「ま……魔おっ、ゴフッ‼」


 ボロボロになった魔王だと名乗りを上げると真央は中断していた魔法を数発掴みあげた魔王に当てる。


「それで? あなたなんだっけ?」


 再度、真央が魔王に問う。


「だから、俺はま……ア゛ア゛ア゛ァァァァァァ」


今度は言い切る前に真央は魔王だったモノを焼き始める。


「それで? あなたなんだっけ?」

「あ……あ、あ……あ、あ」

「そう。ならこれで私が魔王よね」


 もはや焼け爛れて何を言っているのか分からないが恐怖で震えわずかばかり頭を縦に振ったように見えた。それを見て満足したのか真央はボロボロになった元魔王を投げ捨て塵も残さずに焼き尽くした。真央は満足げに足を組んで玉座に座る。


「これでここは私の支配下よ」

『ミッションクリア。特定の条件を満たしたため特別ミッションが開始します』


 パスタがそう宣言すると真央の恰好が変化する。大まかな姿かたちは変わらないが黒のフリル満載のドレスとマントを身に纏って王冠が頭に乗っけられる。そして、手には禍々しい杖を持っている。悪の魔法少女と言っても過言ではない恰好であるが真央が醸し出している雰囲気が合わさると魔王な魔法少女略して魔王少女である。


『特別ミッションではクリアした方も全員強制参加です。クリアした場合はダンジョンクリア扱いになります』

「いやいやいや‼ その前にあいつの様子がおかしいんだが‼」


 馬皇は慌てた様子で真央に指をさす。見ていた由愛も馬皇の言葉に同意して頭を縦に振る。パスタは普段通りの口調で答える。


『ロールプレイしてもらうために精神の高揚と口調もそれらしい感じに強制させていただきました。今の真央様は最高にハイテンションで敵も味方も何も見えていないと状態ですね。ちなみに失敗した場合のペナルティはありませんので大丈夫です。終わればどちらにしても真央様は元に戻りますので安心して参加なさってください。記憶もそのままです。ただ、このミッションを終えると総じて魔王少女役の方が悶えるのは何故なんでしょう?』

「うわぁ……。ある意味きついっすね。それ」


 痛々しい発言と行動をして仲間だったメンバーと戦う。そのあまりにも黒歴史な状況に勇次が素直な感想を述べる。


「そんなの関係ありませんわ。勝てば早く帰れるのですしお父様との楽しい蜜月が減ってしまいますわ」


 今まで参加していなかったサライラが何とも言えない雰囲気に割って入った。馬皇たちはサライラの早く終われるという言葉にそれもそうだなとそれぞれがうなづくと覚悟を決める。


『腹が決まったようなのでそろそろ始めましょうか。特別ミッション:決戦魔法少女’sVS魔王少女開始します』

「「「「は?」」」」


 聞き捨てならない宣言と共に馬皇たちはいきなり光に包まれる。


「ふふふ。まとめて叩き潰してくれるわ。私が最強の魔王よ」


 玉座で真央が1人で呟くと立ち上がる。


「私の魔法を受け止めきれるかしら?」


 真央は魔法陣を形成して空間全体を押しつぶすように重力を発生させる。こうして、訳が分からない内に意味の解らない戦いが幕を開けようとしていた。

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