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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
間章 唐突にダンジョン
81/327

見た目のインパクトはいろんなところに被害をおよぼすよね

遅くなりましたが更新です。

リアルの方で忙しくなっているため少し更新の速度が遅くなる時がありますがご了承ください。

今回は人によっては不快になる事があるかもしれませんが気にせずに楽しく読んでもらえるとうれしいです。

『ホントにいいんだね?』

「ああ。かまわないぞ」


 馬皇が即答するとパスタは念を押すようにもう一度言った。


『ホントに、ホントにいいんだね? 特に君ともう1人にとってはある意味きついよ? ちなみに罰ゲームもある程度ダンジョンに則しているけどランダムで拒否権はないんだからね』

「あ、ああ。男に二言はない」


 男らしいことを言ってはいる馬皇であるがパスタの念押しに引きつった表情で答える。


『ソれジャあ。はージマーるヨー』


 合成音声っぽい音が混じった口調でパスタがそう言うと真っ白だった空間は突如色を持ち始めその景色を一変する。


 そこは花畑であり目の前には小さな一軒家が建っていた。メルヘンチックな丸っこい屋根の家である。ファンシーと言ってもいい。そして何よりも目を引くのは家もそうであるが辺りに咲き乱れている花や地面すらも布と綿で出来ているのかフワフワとしている。


「なんじゃこりゃ?」


 いきなりできた世界に驚いたというよりも明らかに戦いの場にはふさわしくないような雰囲気の空間が創りだされたことに馬皇は戸惑う。


『ミッション:魔法漢女(まほうしょうじょ)を説得せよ‼』

「は?」


 パスタがそう言うとメルヘンな家からクマのぬいぐるみが扉を開けて外に出てきた。そして、ぬいぐるみは目の前にいた馬皇を見ると動きを止めて馬皇を見る。馬皇も何をどうすればいのか分からずにぬいぐるみを見つめる。


 ぬいぐるみの方の表情から何かわからないか首をかしげた。馬皇も同じように首をかしげるとぬいぐるみの方から声が聞こえた。


「き……」

「き?」

「きゃぁぁぁぁぁぁ‼ ストーカーよ‼ 変態‼ 近寄らないで‼ 助けて‼ ジェノサイド☆ハナコ‼」

「ちょ‼ 俺なんもしてないのに悪役扱いかよ‼」

「いぃぃぃぃやぁぁぁぁぁ‼ こぉぉぉなぁぁぁいぃぃぃでぇぇぇ‼」


 いきなり犯罪者に仕立て上げられた馬皇はあらぬ濡れ衣に近付いて声を上げる。しかし、それが良くなかったのかより声を大きくして馬皇を拒絶する。馬皇はなんとかして勘違いをどうにかしようとする。


「そこまでよ‼ 悪党‼」

「誰だ‼」


 突然響いた野太い声に馬皇はとっさに声を上げた。言うつもりはなかったのだが何故か小悪党みたいなことを言ってしまう。馬皇はこの時点ですでに嫌な予感しかしなかった。


「女性をストーキングした挙句手を出そうとするあなた‼ 私のウサばら……げふん、げふん……そんなあなたを懲らしめにやってきました‼ 魔法少女ジェノサイド☆ハナコ参上‼」


 魔法少女ジェノサイド☆ハナコと名乗る存在が空から現れる。馬皇が説得するべき相手だと判断して冤罪だと言おうとするがその姿のインパクトに思考が停止する。服装は従来の魔法少女らしい可愛らしさを象徴とするフリルやリボンを多用したドレスにニーソックスとブーツであるがそのどれもが鍛え上げられた筋肉でぱっつんぱっつんであった。まさにジェノサイドと言われるような破壊力を醸し出していた。しかも、下から見上げる形のために見たくもない下着までチラチラと見えている。それが女の子だったらいろいろと駄目ではあるのだが絵面的にはまだましであったのが、どこの世紀末覇者だと言わんばかりの顔つきに「これは反則だろ……」と馬皇は内心でツッコむ。


ファンシーな感じな世界の景色とこの魔法少女における組み合わせのミスマッチ感が半端ではない。


「私の魔法の威力思い知りなさい‼ ふぅん‼」


参上ではなく惨状な状態のジェノサイド☆ハナコは魔法のステッキを可愛らしい動作に似合わない声を上げてステッキを振った。そして、きしみを上げて振ったステッキの先端からは風圧が生まれる。風圧は鋭利な刃物のように呆然としていた馬皇の頬に浅い切り傷を作り上げると馬皇は我に返った。


「いったい何が? 魔法か‼」


 浅くはあるが馬皇に傷を作ったジェノサイド☆ハナコに馬皇は呆然とする。ちらりと真央を見ると真央は首を横に振った。魔法ではないようだった。どうやら純粋な腕力で発生させている模様であった。


「よそ見している余裕なんてあるかしら? このマジ狩るステッキの力に恐れおののきなさい‼」


 いつも間にか目の前まで距離を詰めていたハナコのマジ狩るステッキが馬皇を襲う。バカみたいな速度で唸るマジ狩るステッキの動きに当たるとまずいと判断して馬皇は慌てて大きく下がる。空ぶったステッキは大きなうねりを上げて馬皇がいた所を通り過ぎる。もし当たっていた場合馬皇であっても意識が吹き飛ぶような威力である。馬皇は冷や汗をかく。見た目はギャグみたいな存在だが強さは本物。魔法という名前の物理攻撃はどれをとっても必殺であるだろうと先程の動きを見て判断する。


「くぅぅぅ‼ ストーカーのくせに生意気な‼ 私の必殺魔法をお見舞いしてやるんだから‼ はぁぁぁぁぁぁぁ‼」


 そう言うとハナコは気迫のこもった声を出して何かに集中し始める。これは好機と読んだ馬皇はハナコに拳を叩きこむ。


「っく‼ ウソだろっ‼」


 しかし、渾身の力で殴ったはずなのに吹き飛ばすどころか顔に当てたのに微動だにしないハナコに馬皇は驚愕の表情を浮かべる。さらに、連続して殴り続けるがハナコは微動だにしない。その最中で何かを溜め終えたハナコは馬皇を掴む。


「準備は整ったわ‼」

「離し‼ やがれ‼」


 馬皇は掴まれた腕を引きはがそうと抵抗するが頑丈な万力すら生きちぎりそうな力で抑え込まれ微動だにしない。


「目には目を歯には歯をと言うことでストーカーさんも同じように経験しなさい‼ マジカル☆ビーム‼」


 ハナコの全身からあふれ出た光線は馬皇を飲み込んだ。


『ミッション失敗』


 それと同時にパスタがそう宣言すると同時に空間は真っ白な元の状態に戻る。いつの間にか元の空間に戻ったことに馬皇はパスタに問いかけた。


「なんで止めた?」


馬皇はダメージを受けていたようだがあの攻撃には耐えることが成功していた。それなのに止められたことに不満そうな顔をする。


『アナタノ体力ゲージが0になりましたので決着です』

「そんなの言ってなかっただろ‼」

『ちゃんと見える位置にある体力の表示見ていないのが悪いのです』


 よく見ると視界の左上には0になった体力ゲージが存在していた。


「こんなのありかよ……」

『ダンジョンでは油断は命とりです。それと罰は戻ってからのお楽しみという事で。皆さんの感想を貰うまではあなたは違和感に気付けませんし喋ることが出来ませんので注意してください』

「な‼ それh……」


 パスタの言葉に馬皇が何かを言い切る前に真央たちの所へ転送される。


「ぶふっ‼ おかえり。俺が行こうって言ったくせに負けて帰ってくるとか……。それにしてもずいぶん可愛らしくなったじゃない」


 笑いをこらえて肩を震わせている真央が最初に口を開いた。馬皇は真央たちを見上げているのに今何がどうなっているのか気が付けない。


「ま、真央さん‼ わ、笑うのはし、失礼ですよ。ふふっ。可愛らしいですよ」

「ど、どんな姿でもお父様はお父様ですわ」


 なぜか由愛も笑いをこらえて真央をたしなめた。そして、優しい目で馬皇を見つめている。サライラは動揺したような声で喋っている。


「まじっすか……。この罰ゲームはきついっす。師匠。覚悟して今の姿をよく見た方がいいっすよ」


 勇次罰の恐ろしさに慄いた。由愛が馬皇の前に立つと馬皇の頭をなでた。全員が喋り終えるとようやく馬皇はどうなったのか気が付いた。


「は?」


 由愛に撫でられているのである。もう一度言おう普段見下ろしているはずの由愛を見上げているのである。そして、馬皇の目の前には姿見が現れる。さらに馬皇は混乱した。服装は先程の魔法漢女が来ていた服と似た様なピンクのロリータ調ドレスであった。姫袖のドレスは過剰なまでにリボンやフリルが使われておりスカートの部分は3段のフリルで下にもスカート膨らませるためのパ二エが一体となっており、それがスカートの部分をふんわりとさせて馬皇は足元が落ち着かないのか内股にして腿をこする。足元は城のニーソックスが穿かされており、ヒールのあるストラップのついた女の子の靴が馬皇の足元を不安定にさせる。


 そんな靴を履いていても体は由愛よりも小さかった。服装に気を取られていたが馬皇は自分の胸元がわずかに膨らんでいる事に気が付く。馬皇は恐る恐る性別を確認するためにある場所を確認するために手を伸ばす。そこにはふくらみはなかった。


「な、ない‼ な、なんじゃこりゃぁぁぁぁ‼」


幼女になった馬皇の甲高い声がダンジョンの中に響いた。


いつも読んで下さりありがとうございます。

感想、批評、指摘、ブックマークしてくれるとうれしいです。

これからもよろしくお願いします。

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