ダンジョンへ行ってみよう
更新が遅くなりました。
文章が出なかったんやという言い訳をしつつ楽しんでもらえればうれしいです。
闘技大会編の最中ですが息抜きで唐突な島内のダンジョン編です。
この話ではコメディに出来るように頑張りたいと思います。
2~3話ぐらいでそのまま決勝へ進んでいく予定です。
「どうやったらあれを倒せるのよ‼」
選手の控室。第2回戦が終わりムスッとした顔で真央は思ったことを口にした。
「ったく。鉄先生が強かったじゃだめなのかよ」
馬皇は自分の試合の後に真央の部屋に訪れたことを後悔していた。部屋に入ると真央はすみっこの方で1人いじけていた。正直馬皇の内心では関わりたくない感じであったが由愛たちを待たせているためにそれはできない。話しかけると案の定、話が繰り返されるという事態に陥った。
「強いのは分かっているわよ。鉄先生に勝つにはどうすればいいのよ?」
「俺が知るか」
「それだったら……を……して……」
「おい。聞いているか?」
真央は独り言を呟いて行く。先程も似た様なパターンに入った真央がまた発狂する。
「ああ‼ どうしたら勝てるのよぉぉぉ‼」
「これで何度目になると思ってんだ‼ そろそろ正気に戻りやがれ‼」
「ぎゃん‼」
さすがに何度も繰り返していた真央に対して馬皇も我慢の限界が達していた。いきなり叫んだ真央に馬皇はチョップを喰らわせる。
「何すんのよ‼」
「やっと正気に戻ったか。くやしいのは分かったから早く移動する準備しろ。これから昨日のロボットが言っていたダンジョンに挑むんだろ? 由愛達が待ってるんだからさっさと行くぞ」
「うぅ。そんなこと言われなくてもわかってるわよ」
真央は不意打ちを食らった事で涙目になりながらも急かす馬皇に答えてしぶしぶと準備をする。真央の態度に苛立ちを覚えるが由愛たちを待たせているのでスルーして馬皇は出口の扉を開けた。真央は準備を終えると自分の頬を2回ほど強く叩き痛そうにするものの気持ちの切り替えが出来たのか馬皇より先に扉を出て由愛たちのいる会場の出入り口へと向かって行った。
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「お・と・う・さ・ま~‼」
「うおっ‼ っと。サライラ。急に跳びつくな。危ないだろ」
「お父様なら必ず受け止めてくれると信じていますわ」
「失敗した時にお前が危ないから言っているんだ。するのは構わんが怪我だけはするなよ」
「はーい」
馬皇が戻ってくるとサライラは馬皇を見つけるなり開口一番で跳びついていく。馬皇は慌てながらも飛びついてくるサライラを受け止めるとサライラに注意を促す。その注意にサライラは素直に返事をした。
「アニキってサライラさんに愛されてるっすね……」
馬皇とサライラのやり取りを見て勇次は羨ましそうに馬皇を見て言う。それに馬皇は苦笑する。馬皇が1人で戻ってきたのを見て由愛がたずねた。
「おかえりなさい。ところで真央さんは?」
辺りを見回すが真央の姿はない。その疑問に馬皇が答える。
「あいつは少し席を外すっていていたぞ。場所は教えているからすぐ戻って来ると思う「待たせたわね」が、っと丁度来たみたいだな」
馬皇が場を離れた真央の説明をしている内に真央が戻って来る。由愛は真央に話しかけた。
「大丈夫ですよ。勇次さんも私たちも今着いた所ですから。それにしてもダンジョンってなんだかワクワクしますね」
「そうね。私もさっきからワクワクしているわ」
「俺のことはスルーっすか……」
そんな感じでワイワイと馬皇たちは集まり落ち着いて話のできる所へ移動する。馬皇たちは会場の出入り口付近に設置されているイスに腰掛けると馬皇は話始める。
「それで……これから昨日言っていたダンジョンに今いる全員で行ってみようと思って呼んだんだが」
馬皇の言葉に真央と勇次は真剣な雰囲気を醸し出し始める。
「由愛たちも連れて行くの? 正直に言うけど何が有るか分からない場所に何もできない子を連れて行くのには私は反対よ」
「何度か言ったことがあるとかだったら別に問題ないっすけど俺も今回みたいなパターンだと何が起こるか分からないっすよ」
危険がないもしくは、危険があっても確実に対処できるのであれば問題ないのだが現状何が有るかもわからない、どんな難易度なのかも分からないと来ると真央たちがそう言うのは当然である。
「いや、実は昨日あの後に1人であのダンジョンのある場所まで一回行ってみたんだ」
馬皇がそう言うと勇次たちは怒った顔で馬皇を糾弾する。
「1人でなにやってるっすか‼ せめて俺を呼んでくださいよ師匠‼」
「抜け駆けとかズルいわ‼ 私も気になってたけどガマンして行かなかったのに‼」
「あの……えっと……」
真央と勇次の剣幕に由愛はどうすればいいのか分からずにオロオロとする。
「悪いとは思ってるが続きがあるから話を聞いてくれ」
「しょうもないことだったら承知しないわよ」
馬皇の言葉に真央がそう言うと勇次もうなずいた。馬皇は真央たちを見渡して続きを喋りはじめた。
「とりあえず入口までは行ったんだが入口にある条件が書かれてたんだ」
「その条件ってなんだったんですか?」
「ああ。異能者以外の女性を1人含めてて男2人女3人の5人じゃないと入れないって書かれてたんだ」
「は?」
馬皇の言った条件に真央は思わず口に出した。今いる人数で異能者以外つまり由愛がいるということで条件を満たしているがここまでピンポイントだと真央でなくても作為的な物を感じてしまい口に出すのも当然である。たまたま真央が口に出しただけで真央が言ってなければ他の誰かが言っていただろう。
「異能者以外の女性を1人含めてて男2人女3人の5人じゃないと入れないって書かれてたんだ」
「2回も言わなくても分かってるわ。そうじゃなくて本当にそんな条件だったの?」
「ああ。一応スマホの写真に撮ってあるから見るか?」
「そう言うのは先に見せなさいよ……」
今思い出したかのように馬皇はスマホの写真を見せると真央は呆れたように馬皇に言った。確かに看板には馬皇の言った条件が書かれている。
「一応、強行突破してみようともしたんだがあれ以上やるとダンジョンごと崩壊させそうになって止めたんだ」
「まあ、崩壊なんてしたら元も子もないわねぇ。それよりも明らかに作為的な何かを感じるんだけど?」
「そんなもん。歓迎されているだから遠慮せずに行って正面から突破すれば問題ないって俺は思っているが?」
真顔でそんなことを言う馬皇に諦めというか呆れというか分からないような声で真央は言う。
「はぁ。あんたならそうなるわよね。由愛も一緒に行くことになるけど大丈夫?」
「私は大丈夫だと思いますよ」
由愛ののほほんとほほ笑む姿に真央はあの時の1件から度胸がついたのかこれから起こるかもしれないことが分かっていないのか分からなくなる。
「それに馬皇さんが本当に危ないと思っているなら多分こんな話をしないでしょうし」
由愛は馬皇のことを信頼しきっているのか表情を変えない由愛に真央は降参とばかりに両手を上げて折れた。
「……分かったわよ。その代わり自分の安全を優先しなさいよね」
「はい」
真央はぶっきらぼうに言うと由愛は元気よく返事をする。
「じゃあ、出発するか」
「「「「お~」」」」
馬皇の言葉に答える真央たち。かくしてダンジョンへと向かう馬皇たちであった。
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