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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第三章 海だ‼ 孤島だ‼ 異能者だ‼ 前編
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本戦第2回戦 真央VS鉄 その1

真央対鉄編です。


楽しんでいただければと思います。

『それでは第2試合目‼ 魔王選手対テツ選手の試合‼ スタート‼』


 リンの開始の掛け声と共に鉄は真央との間合いを一瞬にして詰める。鉄は真央のことは搦め手を使うタイプと考えていた。鉄自身はその手のタイプが比較的に相性が悪いことが多くの異能者たちとの戦いの経験から速攻で決めないと長丁場になることが分かっている。そのために鉄が最初にやることは1つ。行動される前に倒してしまえである。


「すまんな」


 鉄はそう言うと真央の肩を掴んで膝を使った一撃を真央の腹に加える。その一撃は硬い鉄同士がぶつかるような鈍い音を立てる。鉄はその感触に眉間にしわを寄せて真央から手を離して右の拳を繰り出した。案の定、鉄の拳は妨害されることなく真央の腹部を捕えると吹き飛ばされる。吹き飛ばされた真央はリングの障壁へ衝突した。予想外の痛みに真央は痛そうに少しだけじたばたと手足を動かすと頭にたんこぶを作ってはいるがそれ以外は何事もなかったかのように起き上がった。


「いった~‼ シールドの上からでもこの衝撃とか反則よ‼ 反則‼」


 ルール上は別に反則では無いのだがその理不尽なまでの一撃一撃の威力に真央は思ったことを口にする。


 真央は自身の周りに現状できる最大限の魔力障壁を纏っていた。鉄のような近距離タイプが最初にすることを予想していたのだ。だから、真央には鉄の動きが全く見えていなかったがほぼノーダメージで耐えきることが出来たのである。


「そうか。お前も意外に硬かったんだな。ならもう一段ギアを上げても良さそうだ」

「えっと……? 鉄先生? 更に威力あがるんですか?」

「おう」


 鉄は真央の質問に即答する。正直、真央も現状の魔力量ではそう何度も障壁を作り出せる訳ではない。確かに強度は有るのだがその上から結構な衝撃を貰っている時点で鉄の威力がおかしいだけである。


「そんなの何度も喰らってたまるか‼ 殺られる前に殺るしかない‼攻撃は最大の防御よ‼ 行きなさい‼」 


 真央は魔法陣を空中のいたるところにばら撒くとその陣からは火や氷、風、土、光、闇と言った属性弾の魔法が一気呵成に飛び回る。飛び回って入るがそれは複雑な起動を取り鉄の所へときっちり飛ばしていく。


 そして、鉄がいた所を中心として土煙が舞う。


「はぁ……はぁ……はぁ」


 軌道制御と魔法陣の多重起動。真央は確実を期すために予定よりも多めに魔力を消費して徹底的に鉄に目がけて属性弾の魔法を撃ち出し続ける。


「……やった? って‼ 駄目よ‼ 何度それをやって痛い目を見てきたと思ってんの‼ 私‼」


 明らかに倒していないフラグを立てたことに真央は首を左右に振ってゆるめようとした魔法を再構築し打ち続ける。真央は中にいるはずの鉄が見えなくなるのを解決するために真央は魔法の手を緩めずに土煙だけを風で器用に散らす。そして、その中の光景に真央は思わず普段言わないような言葉を口にしていた。


「げっ‼」


 そこには、未だに手を止めずに動き続ける鉄が居た。直接触れたら不味そうな火や氷は最小の動作で躱し、躱し切れないものや拳の拳圧でどうにかできるものは全て迎撃していく。そこには明らかに人間離れした動きで真央の創りだした魔法に対処していく。しかも、長年の勘なのか死角になっている背中側まで目が付いているかのように回避と迎撃を繰り返して対処しているのだから真央でなくともどうやったら一撃を与えられるのかと悪態をつきたくなるのも当然の話なのである。


「ふむ……。素晴らしいな‼ 私が…よっと‼ …防戦で…ほっと‼ …手が出せないと言う展開は…ふん‼ …初めてだな」

「これだけ撃って‼ なんで‼ まともな一撃が入らないのよ‼ ほんとに‼ 理不尽‼」

「はっはっはっはっは‼ それぐらいじゃなきゃ生徒を守れる先生なんてやっていけないからな‼」


 真央も鉄の迎撃をどうにかしようと対処して属性弾の出す比率を変えて見たり速度を変えたり軌道を変えたりとしていくが、鉄はそのどれに対してもすぐに対応して変わらず迎撃していく。現状、どちらも千日手状態に入ってしまいお互いがお互いに手が出せない状態になる。


 しかし、そうなってしまえば不利になるのは自分だと真央は直感していた。実際にかなりの速度で魔力が減っている真央に対して、鉄の体力の限界がどこに有るのか分からないがこの状態を維持し続けるのはそこまで消費していない様子であった。


 さらに付け加えるならばこの属性弾の魔法をランダムにそれこそ無限に等しいパターンで現状撃ち続けているがその配置や構成などを考えているのは真央本人の思考である。そのために魔力の消費以上に真央の集中力を消費させるのである。そして、くせと言うものは存在しているのか徐々に鉄が躱している量が増えていく。消費がそこそこの体力だけである鉄と魔力と集中力を大きく削っている真央。どちらが力尽きるのが早いのか。それは一目瞭然だろう。


「これは手札を1つ切るしかないわね。ホントはあいつに使うつもりだったけど、そんなこと言ってらんないわ……」


 真央は魔法を撃ち続ける中でそう呟くと乱雑にばら撒かれた魔法陣全体が輝き始めた。

真央が鉄にする秘策とは?

次回をお楽しみに。


軽く次回予告を挟んでみる。


いつも読んで下さりありがとうございます。

感想、批評、指摘、ブックマークしてくれるとうれしいです。

これからもよろしくお願いします。

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