どアップとおっちゃんとダンジョンと
次で組み合わせの発表に入ります。
それで、本戦に入る予定です。
今回は欲望丸出し?
馬皇たちは困惑していた。
馬皇たちは今日予選が行われた会場に再び戻ると実況をしていたリンの胸元がどアップで映し出されてた。おそらく事故だろう。リンはリンで台本を読み込んでいる最中なのか集中しているために今の状況に気付いていない。
馬皇たちは周りを見てみると早い段階で気づいていたであろう男たちの目は血走っていた。そして、案の定と言うかなんというかその場には男しかいなかった。由愛と真央、サライラは花を摘みに行ってくると言ってため馬皇たちは席を確保しようと先に入ったのである。そしたら女性の胸がどアップで映っていたのである。驚かない方が無理がある。
「なぁ、勇次……仕方ないよな……」
「……言わなくていいっす。これは事故なんだから仕方ないっす」
馬皇と勇次にもそれなりに興味のあるお年頃なのである。この事が真央たちにばれると言われのないお言葉と冷え切った視線を貰うことになるのは分かりきっている。
しかし、それでも視線がそこに向いてしまうのが男と言うものだ。
馬皇と勇次はしばらくそれを眺めていたが席を確保するという目的を思い出して席を確保して座る。ひと段落してまた、眺めていると隣に座っていたおっちゃんが話かけてきた。
「おう。お前らは偶然知っちまった口か」
「そうっすね。入ってみたらどアップで映ってんですもん。そりゃあ、くぎつけになりますよ」
勇次が素直に感想を口にするとおっちゃんは苦笑する。大きいわけでもないが決して小さいわけでもない。また、胸元が空いているわけでもなく露出は少ない方であろう。薄い赤のドレスに包まれている。
しかし、それが妙な感じでマッチして男たちの視線を釘づけにしているのである。おっちゃんは渋い声で言った。
「だよなぁ……。毎度のことだけどあれ、天然でやってるんだぜ」
「え? どうしてこんなこと分かるんすか?」
今度は馬皇の方が質問する。
「まぁ、見てなって」
『ぴゃあ‼』
おっちゃんに言われるとおりに注視するとリンが突然変な声を出すとどアップで映っていた映像から突然切れる。リンが慌てて消したのだろう。恥ずかしさのあまり変な声を出してはいたが。
「今日は早かったな。解説の時とかダンスや歌の時だとミスとかうっかりしないんだが、なんというか突発的な事象に弱くてなぁ。大概ドジ踏んでコードに絡まったりと慌ててると何かやらかすんだ」
「へ~。おっちゃん詳しんだな」
カラカラと笑いながらおっちゃんが話すと馬皇は感心したように言った。至極どうでもいい話ではあるがその詳しさにそれなりの長さで来ている人なのだろうと馬皇は思い至る。勇次は何かうんうんと唸っていると突然、何かにひらめいたのか手を軽くたたいた。
「あっ‼ あなたは‼ 親分さんですよね‼ この大会だけでなくこの島一帯の施設を作った1人の‼ 後、温泉ののぞき穴たまに使わせてもらってます」
温泉のあれはこの人が作ったということを聞かされると馬皇は変なところで納得した。改めて恰好を見てみると半袖のシャツと入れるポケットの多い長ズボン。靴も安全靴で体格の方もガッチリしている。どこからどう見ても工事現場に居そうなおっちゃんである。おっちゃんは挨拶がてら親指で自分を指して言った。
「勇次はやっと思い出したのか。そっちの奴は初めましてだ。親分こと親部 文蔵と言う。知ってる奴らはよく親分って呼ぶが好きに読んでもらって構わないぞ」
おっちゃん改め親部は勇次の背中を嬉しそうにバンバンと叩く。
「親分はこの島の施設のほとんどの設計にたずさわっていたひとなんす。だから、実際にそう言う情報は親分に聞くと良いっすよ」
施設の設計に携わっていたということ馬皇はうなずいた。確かに、施設の設計に関わって他の言うのが事実であるのならば詳しいのは当然であるからだ。そして、それなりの長い時間をこの島と共に過ごしてきたのだろう。馬皇はさっそく気になっていたこと聞いてみる。
「ちなみに温泉ののぞき穴みたいなのってたくさんあるんすか?」
「おう。ちなみにのぞき穴みたいな男の夢以外にこの島のどこかにはダンジョンやロマンが詰まったものが隠してある。ヒントはいろんな場所に散りばめられているし、クリアすると景品がもらえたりするからヒマがあったらお前さんの仲間たちと探してみるといい」
親部は馬皇の質問に楽しそうに答えた。
「なんすかそれ? この島ってそんなのもあるんすか?」
勇次は首をかしげる。
「がっはっはっはっは‼ いやぁ、当時は自由にできるってんで悪ノリしまくってたからな。しかも、開発部の方もかなりノリノリだったしな。簡単なのは異能者でなくてもクリアできるんだが難易度が高いのが、な……」
親部は豪快に笑った後、悪乗りしすぎたことを思い出して少しだけ遠い目をする。開発部とは創作系の異能者たちの部署のことである。今更であるが、開発部の人たちは共通してノッてくると自重を忘れるのである。鉄をして変人たちと称する集団のことだ。そういった案件から親部のいうダンジョンも何をしでかしてるのか分かったものでは無いと馬皇は判断した。
しかし、そうは言っても施設は何かしらの条件を突破できればクリアできるものばかりであるし、入手できるアイテムはジョークグッツなどの変な物やそれなりに使うことが出来る物もあるらしいことも親部は話してくれた。
「そんなのもあるんすか……。アニキ。今度探しに行ってみませんか?」
「アニキ言うなし。でも、確かに面白そうだよな」
勇次が提案して馬皇はそれに乗っかる。そんな冒険心を刺激されるようなことを言われたら探したくなるのは当然だろう。
「そうかそうか。見つけてくれるんなら作ったかいがと言うもんだ」
嬉しそうに親部はそう言うと親部のスマホが鳴った。
「おっと、失礼。もしもし」
親部はスマホを取ると席を離れてその相手と話し始める。少しすると親部は戻ってきた。
「すまんな。せっかく親しくなれたからもう少し話したかったが用事が出来た。組み合わせの発表の後にはリンちゃんが歌ってくれるから俺の分まで楽しんでくれ。じゃあな」
親部はそう言うと大急ぎで外に向かって行った。あの慌てようはよっぽどのことが起きたのであろう。それと入れ替わるようにして真央たちが到着する。
「ただいま。あんたら探すのに苦労したわ」
「ただいまです。反対側に出て大変でした」
「お父様~」
真央と由愛は普通に言うがサライラは馬皇の膝の上に座ろうとする。それを阻止するために由愛はサライラを抑える。2人がそんなやりとりをしている間に真央は馬皇の隣に座る。
「おう。戻ってきたか」
馬皇は真央にそう言うと真央は言葉を返した。
「さっきのおじさん。あんた達と喋ってたみたいだけどなにかあったの?」
真央は先程早歩きで去って行った親部の事を聞いた。
「さっき知り合った。親部さんだってさ。気の良いおっちゃんだったよ」
「そう。てっきり、解説していたリンだっけ? どこがとわ言わないけど彼女のどアップの映像に釘付けになった時にでも仲良くなったんでしょ」
「いや、あれはだな……。その」
的確に急所を突いてくる真央に馬皇はしどろもどろする。それを真央はくすくすと笑う。
「あれは仕方ない部分があるから不問にしたあげるけど気をつけなさいよ。まったく」
「ああ」
馬皇は素直にうなずいた。反論する気はない様子の馬皇に真央は話を変えた。
「それで? なにか面白そうな話は聞けた?」
「もちろんだ。なんとこの島にはダンジョンがあるらしい」
「なにそれ? それってゲームみたいなの?」
「らしいぞ。まず見つける所からが大変だけどな」
馬皇と勇次は先程の話をかいつまんで説明すると真央とサライラは興味津々で話に食いつく。由愛は興味はあるものの危なそうな響きに少し躊躇している。
「どこかで探してみないか?」
馬皇がそう言うと全員がうなずく。
「乗った」
「面白そうですわ」
「みんなが行くのなら私も行きます」
「俺も行くっす」
馬皇たちが和気あいあいとしていると突然辺りが暗くなる。
「おっと。始まったみたっすね」
「組み合わせか?」
馬皇の言葉に勇次は縦に頷いた。こうして本戦の組み合わせの発表が始まった。
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