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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第三章 海だ‼ 孤島だ‼ 異能者だ‼ 前編
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ロボットとの会話

遅くなりましたが更新です。

感想、批評等の評価待ってます。してくれるととてもうれしいです。

「ふ~。いいお湯だった」


 談話室。真央たちは温泉の更衣室から出て馬皇たちを待っていた。馬皇たちを待つ傍ら椅子に座って真央は満足げに呟いた。


「そうですね。それにしても馬皇さんたち遅いですね」


 いつの間にか由愛が戻ってきて真央の呟きに答える。由愛は牛乳を真央に渡す。


「由愛、ありがとう」

「真央さん。気にしないでください。私も飲みたかったですし」


 真央は上機嫌に由愛から牛乳を貰うとふたを開けて一気に飲み干す。


「んぐっんぐっんぐっ……。ぷはー‼ やっぱり風呂上りは牛乳よね」


 それとは対照的にちびちびと飲みながら由愛も微笑む。由愛はそんな真央を見てふと気が付いた。


「あれ? サライラさんは?」

「サライラならあそこよ」


 真央は部屋の隅の方を指さすとその先に興味津々に何かを見つめているサライラがいた。死角になっていたのか由愛の方からサライラを見つけることが出来なかったのだろう。丁度反対側にサライラがいるためか何を見ているのか分からない。サライラはじっと正面にある何かを凝視している。疑問に思った由愛は言った。


「何見てるんでしょう?」

「さぁ?」


 真央はあまり興味がないのか気のない返事をする。


「行ってみませんか?」


 由愛は飲んでいた残りの牛乳を飲み干して真央を誘う。


「しょうがないわね」


 よっこらしょと真央は立ち上がると由愛は真央を連れてサライラを連れていく。


「何を見てるんですか?」


 由愛はサライラに話しかける。由愛と真央はサライラの見ている方を見る。


「ああ‼」


 サライラは何も言わずに見ているが由愛と真央はそれが何なのか理解する。


「これはロボットですよ。サライラさん」

「ろぼっと? お人形ではなくて?」


 由愛たちが来たのに今気づいたのかサライラは首をかしげてロボットに指をさす。小さくデフォルメされた人型のロボットは見たことが無ければ確かに人形と言われても仕方ないだろう。


 由愛がロボットと断定できたのは横には電源を入れてご自由に話しかけてみてくださいと書かれている札があったからである。


「そうです。これはその中でもコミュニケーションを楽しむための機械なんです。何でもいいので近くで話しかけてみてください」


 由愛はそう言うとロボットの電源を入れる。それを見た後サライラは近くから話しかける。


「……えっと、こんにちは。でいいのかしら?」

『コンニチハ』


 サライラは挨拶を返したロボットに驚いて少し後ずさる。


「喋りましたわ‼ 変なお人形ですわ‼」


 興奮気味にロボットに食いついているサライラ。変と言ってはいるが終始笑顔で横から見ても分かるくらい楽しそうにしている。サライラはまた話しかける。


「こんにちは」

『コンニチハ。ユックリシテイッテネ』

「きゃ~♪ 喋ったわ。今度は違う言葉まで増えてますわ」


 きゃいきゃいと楽しむサライラを見て由愛の顔はほころぶ。真央も楽しそうにしているサライラに便乗して真央も話しかけた。


「こんにちは」

『ゴメンネ。ヨクキキトレナカッタヨ。モウイッカイイッテクレル?』


 きちんと声が届いていなかったのか真央にもう一回を要求する。真央はこういうこともあるかと思いもう一回話しかけた。


「こんにちは」

『ゴメンネ。ヨクキキトレナカッタヨ。モウイッカイイッテクレル?』

「……こんにちは」

『ゴメンネ。ヨクキキトレナカッタヨ。モウイッカイイッテクレル?』

「………こんにちは」

『ゴメンネ。ヨクキキトレナカッタヨ。モウイッカイイッテクレル?』

「…………」

『ゴメンネ。ヨクキキトレナカッタヨ。モウイッカイイッテクレル?』

「まだ何も言ってないわっ‼」

『ゴメンネ。ヨクキキトレナカッタヨ。モウイッカイイッテクレル?』


 語彙を変えて見たりイントネーションを変えて挨拶するがロボットは真央の挨拶だけでなく反応に関しても同じ事を聞き返すばかりで真央は話しかけるごとに機嫌が悪くなっていく。


「あははは……。そんなこともありますよ」


 由愛は同じやり取りを繰り返す真央とロボットに苦笑いしてロボットに話しかけた。


「こんにちは」

『こんにちは。キョウノレンアイウンハゼッコウチョウ。コノアトデイイコトガアルカモ』


 挨拶と共に占いまでしてくれるロボットに由愛もすごいと感心する。由愛が占いの結果からサライラも気になりロボットに聞く。


「ロボットさん。私の運勢はどんな感じですの?」


 サライラの言葉に反応してロボットも喋る。


『アナタノウンセイハコウチョウダヨ。ガンバレバホシカッタモノガテニハイルカモ』


 良いことがあるかもと言われてうれしくない人はいない。その例にもれずサライラは大喜びである。真央もさすがにここまできっちりと言葉を返せるのであれば壊れているわけではないと判断して再度チャレンジする。


「こんにちは。今日の私の運勢は?」

『ゴメンネ。ヨクキキトレナカッタヨ。モウイッカイイッテクレル?』


 またしても同じく答えてくれないことに真央は顔を真っ赤にして襲いかかろうとする。


「むきー‼ ロボット風情がなんで答えないのよ‼ こんなもの破壊しくてくれるわ‼」

『ソレハ、キミガボッチダカラサ』

「訳が分からないわぁ‼」


 真央は襲い掛かろうとするがさすがに公共の物を壊すのは良くないと由愛は必死に真央を抑える。


「お、落ち着いてください‼ 公共物ですから‼ これは公共の物ですから‼ 」


 由愛の必死の訴えが通じたのか真央はしぶしぶ破壊するのを諦めて疲れた様子でもう一度話しかけた。


「こんにちは。今日の私の運勢は?」

『ココシュウヘンノオイシイラーメンハトンコツラーメンダヨ』

「くっ……」


 予想外の答えが飛んできて由愛は思わず笑いそうになってこらえる。

笑いそうになったのに気が付いているのか真央はにっこりと笑顔で由愛の方を向く。由愛は真央の笑顔を見て凍りつく。ちなみに真央の目元は全然笑っていない。何度聞いても同じことの繰り返し。最後の方になると頓珍漢な答えしか出てこない上に笑いをこらえるような声。真央の堪忍袋は切れたらしい。


「ねぇ、由愛」

「な、なんでしょう? 真央さん」

「壊してもいいかしら?」

「駄目ですよぅ」


 真央の手にはバレーボール大の火球を作りだしてそれを投げつける姿勢を取る。ロボットを破壊しようとする真央を必死に止める由愛。


「何してんだ?」


 丁度いいタイミングで2人のやり取りに入ってくる馬皇に由愛は思わずナイスタイミングと心の中で思った。サライラはいつの間にか馬皇の背中に抱き着いていることには若干ムッとなったが。


「見ての通りこのポンコツを壊そうとしてるんだけど?」


 真央は真顔でロボットを指をさす。馬皇も公共の場に置かれているロボットはさすがにまずいだろうとくぎを刺した。


「いや、それはまずいだろ。それにみんなで遊戯室の方に行くんだろ。勇次は先に行ってるってさ」

「……分かったわよ」


 さすがに馬皇にまでそう言われて冷静になったのか真央はしぶしぶうなずいた。こうして遊ぶのならばこのどこに向けていいのか分からない怒りを馬皇にぶつけなければと考える。真央は出てきたばかりの馬皇に向かって勝負を叩きつける。


「卓球で勝負よ‼」

「いいぜ。受けて立つ‼」


 その場の流れで卓球の勝負が決定した。

コミュニケーションロボットって話しかけても理解してくれないことよくあるよね。

音声検索でも同じように言ってることと違う結果がよく出てきて楽しくなる。

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