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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第三章 海だ‼ 孤島だ‼ 異能者だ‼ 前編
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呼び出し 1

短いですが投稿です。

 馬皇たちがなぜ無人島に行くことになったのかは夏休み前までさかのぼる。終業式のHRで夏休みの注意事項を担任の安森先生が話をしていた時のことである。


「夏休みは思いっきり楽しめばいいが他人には迷惑かけないように。以上。日直。挨拶」


 安森先生の短い言葉で今日のHRを締めくくり日直である男子生徒は帰りの号令を掛ける。


「きりーつ。気を付け。礼。ありがとうございました」

『ありがとうございました』


 号令に合わせて頭を下げると生徒たちは夏休みになったことで遊ぶための相談をしたり宿題をみんなでしたりと計画を立てるためにワイワイと話し始める。安森先生も教室を出ていた。馬皇も洋介たちと計画を立てるために向かおうとするが何か言い忘れたのか安森先生は戻ってきた。


「そうだ。言い忘れてた。負毛。真田。後サライラにケイスケ。最後に山田。鉄先生が呼んでたから生徒指導室にくるように」


 馬皇か真央をみる生徒たち。呼ばれるようなことをした覚えもない4人は各々の友人たちに断りを入れて生徒指導室へと向かう。歩いてる途中で馬皇は真央に話しかける。


「そう言えば、夏休み中の勝負はどうするんだ?」


 馬皇の言ったことに真央は答えた。


「そうね。休み中は勝負減らすわよ。休みはゆっくりしたいもの」

「それは同感だ。問題はどこでするかだ」

「それよねぇ」


 2人は同時にため息をついた。学校が長期の休みだと勝負する場所をどうするか悩む。


 由愛は同じように考え込んでる姿があまりにも似ていて後ろからニコニコする。そうこう考えている内に馬皇たちは生徒指導室についた。ここの生徒指導室の扉は何故か鋼鉄で出来た重々しい豪勢な扉で中学校の中でも異彩を放っている場所である。馬皇たちも勝負の場所について悩むのは一旦後にして扉の前に立つ。


「何度見てもここだけ世界が違う感じしますよね」


 由愛も登校や下校の時によく見かけるがその存在感に誰もがこの場所をはじめて見たときは驚く。


「ま、普通こんな存在感のある扉なんか取り付けないからねぇ」


 真央は由愛の言葉に同意する。


「これ更生した生徒とかが卒業式の日に勝手に作り直したって鉄先生が前に話してたぞ」

「それ、ほんと(ですか)!?」


 なぜかこの扉のできた理由を知っている馬皇に由愛と真央は同時に声を出す。どこをどうすればお礼でそんな頑丈そうな扉を作る事になるのか聞きたいものである。第一にこの重さを鉄本人が気に入っていることも馬皇は聞いたことがあるがこれは余談である。


「さすがです。お父様は博識でいらっしゃる」


 サライラはいつものように称えて馬皇に抱き着いた。ケイスケはここにトラウマでもあるのか先程から一切喋っていない。


「ケイスケはどうかしたのか?」


 馬皇はケイスケに話を振る。


「……いえ。ここにはあまりいい思い出がなくてですね」

「それはまたどうして?」


 縁のなさそうなケイスケに馬皇は聞いた。


「なぜか、通報されて警察にお世話になった時に必ずと言っていいほどここの先生に引き取られるんですよね。その後のお説教は良いんですが……」


 ケイスケの体が震えだした。明らかに何かに怯えているケイスケに馬皇は言った。


「おい。大丈夫か? 嫌なら無理しなくていいんだぞ」


 優しく馬皇はケイスケに言うがケイスケは言葉を続けた。


「大丈夫です。そのなぜかこの教室を出ると松田教諭が出てくるんですよね……それが苦手で」

「あぁ」


 馬皇は理解した。曖昧に言っているのは噂をすると出てくるかもしれないと思っているからだろう。馬皇もいないか辺りを見渡す。幸いにも誰も居ないことを確認すると馬皇とケイスケは安堵する。あの獲物を狩るような目でこちらをとらえて2人になった時に聞く姿ははっきり言って馬皇も嫌な記憶である。


「ケイスケ。気にするな。今回は鉄先生に用があるだけだから関わらないだろ。先生たちは普段職員室にいるし鉄先生は今生徒指導室だ」

「それもそうですね。馬皇さん。ありがとうございます」


 ケロッと元気になったケイスケに馬皇は戸惑う。


「気にしなくていいわよ。こいつ、気持ちの切り替えだけは無茶苦茶早いのよ」


 真央の一言に馬皇は「そういうもんか」と1人納得した。馬皇も切り替えて全員に言った。


「それじゃあ開けるぞ」


 そう言って馬皇は鋼鉄(生徒指導室)の扉を開けた。

キリが良いので今回はここまでです。

次回はこの続きで。島に向かったわけとは?

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