プロローグ
第三章です。
時間は飛んで夏になります。
今回は孤島、海、超能力に関するお話です。
馬皇と真央の戦いも激化? できればいいなぁと考えております。
「海だぁぁぁ‼」
「うみーー‼」
馬皇と真央ははしゃいでいた。それだけを見ると前世が魔王とは思えないくらい年相応である。
馬皇はシャツにジャージの長ズボンとスニーカーと言うとても動きやすい恰好である。一方で真央も白の半袖のチュールの上着に青のデニム生地の短パンに動きやすいようにサンダルという動きやすい恰好である。
馬皇たちは現在孤島に来ていた。空と同じくらい青々とした海と空。穏やかな波と白い砂浜。波が太陽の光を反射して幻想的な光景を映し出していた。個人で所有している島なのか夏休み真っ盛りであるが馬皇たち以外に人はいなかった。
「海で遊ぶのは構わんが、ホテルのチェックインを終えてからだぞ‼」
馬皇と真央がテンションを上げている所に鉄 人並は2人を注意した。今回は別の用事でここまで来たのだ。2人のはしゃぎようを見て鉄が注意していたが聞いてないのか2人はテンションを上げて聞いていなかった。鉄は聞超えていないことが分かると馬皇たちに向かって走り出した。一緒についてきた由愛も2人が追いかけられているところを見て苦笑した。
サライラはお嬢様然としたワンピースで恰好でぐったりと由愛にもたれ掛っている。由愛の方も白いワンピースに麦わら帽子と言う夏を感じさせる恰好であり遠目から見ると非常に絵になる2人であった。
しかし、由愛とサライラは日陰で涼んでいるわけではない。サライラはダウンしていたのだ。ここに来るまでに船に乗ってきたのだがものの見事にサライラだけ船酔いしたのである。この島に到着した後、弱っているサライラを休ませるために海の近くの風通しのいい木陰にシートを敷いていったん休憩を入れることにしたのだった。
鉄は飲み物を貰ってくると言って離れていった。馬皇と真央も心配していたが船酔いで少し休めばよくなると言う鉄の言葉と雄大で穏やかな海を見て何かのスイッチが入ったようだった。
「う~。熱いですわ。それでもお父様と一緒に居られるなら」
「サライラさん‼ 無理しないでください‼」
フラフラなサライラは日陰から出てそのまま馬皇に抱き着きに歩き出した。しかし、弱っているために由愛の力でも簡単に引き止めることが出来た。そのままサライラを座らせて由愛は面倒を見る。
「う~」
サライラはうなっていると鉄はスポーツドリンクを持って、たんこぶを作った馬皇たちを連れて戻ってきた。
「すまんな。サライラさん。これを飲むと良い。少しだけ楽になるぞ」
そう言って、鉄はスポーツドリンクのペットボトルのふたを開けて渡す。素直に受け取るとサライラはちびちびと飲んだ。少しだけ回復したのかサライラの表情は先程までの蒼い顔がちょっとだけ穏やかになった。
「生き返りますわ~」
サライラのほっこりした笑顔でそう言った。回復の兆しがあったサライラを見て全員はほっとした。
「よし。この様子なら大丈夫そうだな。もう少し休んだら出発するぞ」
鉄はそう言ってサライラの近くに置いてある荷物の近くに座る。
『はーい』
サライラを除いた3人は元気よく返事をした。
「先生。その間に付近を見て回ってもいいですか?」
馬皇は手を上げてこの辺りを見て回る気なのか鉄に聞いた。真央も興味があるのか鉄の方を見ている。鉄は時計を見て言った。
「時間には余裕があるから構わんが。あまり離れすぎるなよ。20分後には出発だ」
そう言うと馬皇と真央は一緒になって動き出した。息はぴったりである。
「む~」
サライラは不機嫌そうにうなっているが、まだ船酔いの気持ち悪さが残っているのか動けなかった。由愛は馬皇たちが心配になった。あのはしゃぎようだ。夢中になりすぎて道に迷うかもしれないと思ってしまった。そして、2人の関係が発展して……。
由愛は頭を左右に振りかぶって立ち上がった。
「鉄先生‼ 心配なので私も馬皇君と真央さんの所に行ってきます」
「お、おう。気をつけてな」
いつの間にか妙な気迫を出している由愛に鉄は思わずたじろいだ。由愛は馬皇たちの所へ向かって行く。
「馬皇さん‼ 真央さん‼ 私も行きます‼」
そう言って由愛は馬皇たちの所へ走って行った。
「わ、私も……」
由愛が向かって行ったのを見てサライラは弱っているのに馬皇の所へ行こうとするが鉄に掴まれ元の場所に座らされた。抵抗しようとするがサライラは力が入らない。
「お前は回復することに専念しなさい」
「悔しいですわ」
恨みがましくサライラは言った。それでも、体力はぎりぎりなのか大人しく従った。
「連れてきて……正解だったのか?」
鉄は今回の件に馬皇たちを連れてきたのは正解だったのか思い返すのだった。
何でも構わないので感想をもらえると嬉しいです。




