表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第二章 異世界からの来訪者
43/327

後日譚 2日後の復讐劇

襲撃のあった2日後の夜の出来事です。次の章の幕間に入れようかと考えましたが今入れます。

思う通り展開に行かなかったり話がバラバラだったりしますが楽しんでもらえればと思います。

次は3章に入ります。


本編ですが、あの男は生きてます。しかもパワーアップ? して。今回もあまりいい展開ではないです。

「どうするの‼ どうするの私‼」


 Yと呼ばれていた女は声を荒げた。あの夜から2日たちYは場所を変えながら組織から逃げていた。今は個人で契約している予備のマンションの一室に引きこもっていた。


 あの夜の依頼は薬の回収と軽く希少例を軽く襲撃するだけだった。簡単な依頼だと思っていた。Yには戦闘能力はない。だが情報の操作能力には優れていた。だから、屋久島という男に薬の情報を流して襲わせたのだ。


 襲撃するところまでは上手くいった。しかし、問題なのはその後だ。屋久島はあろうことか車の中にいた民間人も含めて車ごと爆破したのだ。組織では知られたくないものを知られた場合は殺すこともいとわない。だが、組織が屋久島に爆弾の依頼までされていたことは知らなかったのだ。


 その後、希少例は体を黒い何かを纏い大暴れした。その被害はすさまじくそれに巻き込まれてYは意識を失った。Yが起きるとすでに馬皇たちはいなくなっており情報を入手し損ねたのだ。さらに、Yはこの襲撃について隠ぺいをすることが出来なかった。取り返しのつかない失敗である。


「落ち着きなさい。私」


 胸元に手を当ててYは落ち着かせた。冷静になったYは組織に殺されることは確定と言ってもいいだろうと判断した。


「このままじゃここも特定されるわね」


 Yは恐怖した。生き残るためにはどうするか必死に考える。


「考えてもらちが明かないわ。とにかくここを離れなきゃ。そろそろ、ここも嗅ぎ付かれるわ」


 Yはそう思いマンションの扉を開ける。


「え?」


 開けた瞬間腹に衝撃が走った。何かをする間もなくYは倒れる。そして、腹に手を当ててみると手が真っ赤に染まっていた。


「な、なに……が?」


 訳が分からないまま激しい痛みが襲い掛かってくる。その痛みにYは必死に痛みをこらえた。何故かこの痛みの中で足音がやけに響く。その足音の主は堂々と歩み寄って中腰になる。


「やあやあ。元気にしていましたか? あなたに会いに来ましたよ。屋久島です」


 Yが上を向くと屋久島が座っていた。機嫌のよさそうな顔をして銃口を向けている。


「な、ん、のよぅ……ガッ‼」


 Yは用件を聞こうとするが屋久島は立ち上がって喋っている途中のYの腹をけり上げた。


「スゴイでしょ。この足。最新式の義手だってよ。お前の組織の奴が用意してくれたんだぜ。詫びにってなぁ」


 自慢げに義足をYに見せる。その義足で再度Yを蹴る。Yが短い悲鳴を上げると屋久島はまた喋る。


「いやぁ。あなたの組織と契約させてもらったんですよ。それにしても、素晴らしい技術ですよねぇ。1日で動けるくらいまで回復させてくれたんですから。自慢するために真っ先にあなたの元に参上させていただきました。あっ‼ そう言えばあなたは抹殺対象でした。すいませんね。こちらばかり得させてもらってます」


 白々しく嗤って屋久島はYに言った。。それどころでなく逃げ出そうとするY。


「だめですよ。人の話は最後まで聞かないと」


 屋久島は逃げ出そうとするYの手足を思い切り踏みつけた。


「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁ‼」


 Yは痛みで思考が停止する。


「これはお礼です。異能なんて素敵なものを組織から提供してもらいました。なんて言ってましたっけ?」


 屋久島はYに触れる。そして、Yはわずかな浮遊感と共に屋久島がいつの間にか移動していた。


「ぎっ‼」


 Yは動こうとする動くことが出来なかった。そして、Yは気が付いた。屋久島が移動したんじゃないと。首から下がマンションの壁に包まれているのだと。さらに、口には何かをつけられていて喋ることが出来ない。


「おやおや。顔しか動かせない気分はどうですか? あなたの体をこのマンションと一体化させてみたんですが。愉快なオブジェクトになりましたね」


 屋久島は気分よく言った。Yは動けないこと、そして、このまま殺されることに絶望していた。


「んふうううん。ふふふうん」


 Yは助けを求めるように声を出すが喋れない。屋久島は10分ほど楽しげに眺めていたが時計を確認するとYに話しかけた。。


「そろそろ、時間なので助けてあげますよ。気が済んだので」


 意外な申し出にYは安堵する。生きていられることに。このまま、解放されることに。


「行きますよ」


 そう言ってYの頭に触れる。屋久島はYを思いっきり引っ張った。すると、首だけが取れる。


「んああああぁぁぁぁ‼」


 絶叫の後Yは静かになった。


「おっと、失敗してしまいました。やっぱり合成したものを元に戻すのはできませんね。それに、合成できるものの基準がよくわかりませんし。便利何だか不便何だか。……さて、この頭は持って帰りますか。証拠になりますし。いやぁ、仕事達成したときの快感は素晴らしい。後は足を奪って行ったあいつに素晴らしい贈り物をしないとね」


 屋久島は独り言を言ってからYの首を持ってこの場を去った。


 後日、首のない遺体が下半身だけがマンションに埋まっているという不可解な死体が発見されるがコンクリートを継ぎ足したり削ったり新しく塗った後の痕跡がなく真相は究明されることはなく闇の中に葬られることになるのだがそれはまた別の話である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ