表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第二章 異世界からの来訪者
42/327

エピローグ 魔王からは逃げられない

第2章エピローグです。

次は第3章に入ります。

もしかしたら何か話を挟むかもしれません

 次の日の放課後。


 馬皇と真央、由愛にサライラとケイスケはそろって体育館裏に来ていた。結局昨日、馬皇は病院で軽く検査してもらい異常はないとのことだった。その後、馬皇は両親からこってりと絞られた。巻き込まれたとはいえあんな無茶をしたのだ当然である。体育館裏で馬皇は真剣な顔をして頭を下げた。サライラはそんな空気を無視して馬皇の首に抱き着いたままであるが。


「昨日はすまんな。巻き込んじまった」


 馬皇は頭を下げた。先ほどまでサライラの足が宙に浮いていたが、馬皇が頭を下げたことによってサライラの足が地に着く。


「あ、頭を上げてください。気にしてませんよ」


 由愛は慌てて馬皇に頭を上げるように言う。


「ふふん。私の起点に感謝することね。お母さんが勝手に出て馬皇の両親と合流したときは慌てたけど簡単に説明したのは私なんだからね。後、サライラをぶら下げた状態のままにしない‼ 謝ってるように見えないわよ」

「うぐっ‼」


 真央は鋭い視線を馬皇に向ける。引き離されると思ったのかサライラは腕に力を入れる。馬皇は首が閉まって変な声を上げる。


 結局、真央は由愛や坂本先生の証言を元に推測して馬皇の両親と自分の母親には説明したのだ。坂本先生はというと由愛を送り届け由愛の両親への説明でいなかったため真央が説明するしかなかったともいえるが。


 しかし、説明して大人たちに理解させたのは事実なので馬皇は強くは言えなかった。


「それで? 結局、昨日のはなんだったわけ? 簡単にあんな状態になるんだったら私もあんたとの付き合い考えないといけないんだけど?」


 昨日の馬皇の暴走に真央は聞いた。馬皇は説明する。


「昨日のは単純に暴走だ。キレてる時に瀕死になると偶に理性が飛ぶんだ」


 説明している間に馬皇はサライラを引き離そうとする。しかし、サライラも必死に抵抗する。


「怖すぎるわ‼」


 真央は馬皇とサライラを交互に見た。サライラの一瞬の隙を突いて馬皇はサライラの引き離しに成功する。再び引っ付かないように馬皇は警戒する。


「竜族は基本的に戦いは大好きですわ。ただし、瀕死と言ってもよっぽど怒らせた状態で瀕死にしないとあんなことにはなりませんから。安心してください」


 引き離されたサライラは馬皇に引っ付くのをあきらめたのかサライラは馬皇の言葉に補足を加えた。昨日の話は終わりなのか真央と馬皇は同時に声を出す。


「それよりも今日の勝負は?」

「今日は何の勝負にするの?」


 次の勝負のことを同時に言ったせいでお互い黙った。


「真似するな」

「真似しないで」


 2人は近づいてメンチを切る。すると、由愛は突然笑い出した。


「あはははははははは」


 突然笑い出した由愛にケイスケも同じようにクスクスと笑いたいのを必死にこらえている。サライラは首をかしげた後にチャンスだと思って馬皇に飛びつく。


 馬皇と真央はやりたい放題な他のメンツに真央は言った。


「とりあえず、このメンツに一回上下関係を分からせないと」

「奇遇だな。俺もそう思ってた。躾って大事だよな」


 2人の不穏な発言と黒い笑みにサライラと由愛は逃げ出した。最初は建物の周りをグルグルと逃げ回っていたが由愛とサライラは靴箱の方へ走り出した。ケイスケも一緒に逃げていたが廊下の中心で待ち構える。


「2人は先に行くんだ‼ ここは私に任せてください」


 そう言って2人の元魔王の前に立ちふさがる。


「邪魔」


真央は止まることなくケイスケにぶつかる。勢い良くぶつかったのが分かる大きな音を鳴らしてケイスケは倒れた。


「む、無念……」


 そんなケイスケを無視して2人は走り去っていった。


 サライラと由愛は走りながらどうするか話し合っていた。


「どうします?」

「お父様の折檻……。いや」


 わずかに走る速さを上げるサライラ。本当に嫌そうである。そんなサライラの態度に由愛は不安になった。何をされるのかと。


「ところがどっこいここでゲームオーバーなのよね」

「え?」


 由愛が想像している内に真央が横を並走していた。そして、サライラは前で急に止まって由愛とぶつかった。


「いたたたたた」

「大丈夫か?」


 サライラにぶつかった後、誰かが手を差し伸べてくれた。


「ありがとうございます?」


 素直に由愛はお礼をするとがっしりした手立ち上がらせてくれた。そして、その相手を見るとサライラを担ぎ上げた馬皇だった。


「魔王からは逃げられない」


 にっこりと馬皇は言った。由愛は逃げることを諦めた。後ろには真央が待ち構えている。サライラは馬皇の方で暴れているがびくともしていない。


「あ、あの」

「なんだ? 由愛さん?」


 由愛は躊躇いがちに言った。


「優しくしてくださいね」

「さぁな?」


 馬皇は由愛の言葉に優しく言った。由愛はサライラと同じように担がれると真央もニコニコとしている所が見えた。この後どうなるのか不安になる由愛。どうなるか分からないまま早々に捕まり連れて行かれる由愛とサライラであった。

第3章は季節が移って夏休みの話になると思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ