事の顛末
サブタイが出なくなってきてるのでもしかしたらサブタイが消えるかもしれません。
馬皇は走り続けていた。車の中の夢を助けるために。しかし、屋久島の拳銃によって足を撃たれ動けなくなった。這ってでも無書こうとするが車は爆発する。馬皇は叫ぶ。
「由愛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ‼」
馬皇は叫ぶ。どうあがいても助けられないことに。屋久島の笑い声がこだまする。何度あがいても無駄だと。馬皇は守れなかったことに涙する。そして、それが何度も繰り返される。お前には守れないとあざ笑うように。
何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。何度も。
「うわぁぁぁぁ‼」
馬皇はとび起きた。
「ちょっと‼ 大丈夫なの?!」
真央はとび起きた馬皇に驚き馬皇に聞いた。
「……ここは?」
「お父様‼」
サライラも心配そうな顔をして突っ込んでいこうとしたが真央が首根っこを掴んで止めた。強化の魔法を使っているらしくサライラは動けなかった。しばらくするとサライラも諦めて近くの椅子に座った。それを見て真央も手を離した。
「学校の保健室よ。サライラも今の馬皇はけが人なんだから大人しくしなさい」
「それよりも由愛は‼ あいつも一緒だったんだぞ」
由愛のことに必死に言い出した馬皇。真央はしばらく黙っていると保健室のドアが開いた。そこから現れたのは由愛だった。目が覚めた馬皇を見て由愛は目に涙を浮かべている。馬皇はまだ状況が呑み込めず混乱した。
「え? え?」
馬皇が混乱している内に由愛は馬皇に飛び込んだ。由愛を怪我させないように馬皇は起き上がった姿勢のまま由愛を抱きとめた。
「良かった~。グスッ。もうっ‼無茶をして‼ 馬皇さんが撃たれた時死んだと思ったんだからね‼ ヒグッ。本当に無事でよかった」
由愛は馬皇の胸で中で大泣きした。馬皇は無茶しないという約束を守れなかったことの申し訳なさと無事に生きていたことを噛みしめて無言になった。
「ふぅ~。いろいろと遅くなったわ。祖楡にしてもいい光景だわ。青春してるわね~。大人たちの事情説明は私がしたから思う存分やりなさい」
いつも間にか入ってきていた坂本先生が喋った。それに驚いたのか馬皇は由愛を抱いたまま体を震わせた。それに反応して由愛も周りに他の人がいることに気が付いて勢い良く離れた。
「うお‼ 坂本先生も生きていたのか」
馬皇の言い方に坂本先生は怒った。
「馬皇君もひどいわね~。むしろ私が起きてなかったら由愛ちゃんも私も今頃あの世に行ってたわよ。あなたが時間を稼いでくれたおかげで私の異能で脱出できたのよ」
「そうなんですか。……ありがとうございます」
「謝らないで。今回は偶然巻き込んじゃっただけで本来悪いのはこっちだもの」
馬皇はあの時間稼ぎが無駄ではなかったことに安堵した。屋久島という男が薬のサンプルを探していたことから総合すると薬を運んだのは坂本先生だったのだろう。そう判断したうえで馬皇はふと思ったことを聞いた。
「なら、あの時の薬はどうなったんですか?」
「もう使っちゃったわ。薬の成分から元に戻す方法を探して実験で幼くなった人たちに使ったの」
あっさりと坂本先生は言った。あの事件の後に何事もなく生徒たちが戻ってきたと少しだけ遅れてきた生徒がいた事を馬皇は記憶していた。友人の洋介だけが学校に戻ってくるのが1日ずれていたからだ。馬皇は納得してもう1つ気になることを言った。
「それで、坂本先生はどんな異能を使ったんですか?」
由愛は何か言おうとしたが坂本先生に止められた。
「ふふふ。ひ・み・つ」
「そうっすか……」
「もうっ‼」
馬皇の淡白な反応に坂本先生は少しだけ機嫌が悪くなる。元々教える気はないのか別の話を出した。
「それは、置いといて。馬皇君と真央ちゃん。あなた方の親はこちらの組織に一応加入しています。だから、説明については問題ないわ。サライラちゃんは今馬皇君の所だから問題ないとして。由愛ちゃん」
「はっ‼ はい」
名前を呼ばれて由愛は緊張気味に返事をした。
「由愛ちゃんのご両親には目の前で事故に巻き込まれたと説明しているからそれで通してもらえるかしら。未だ、異能者は世間では公にはなっていないの。普通は記憶を操るタイプの異能者が記憶を操作するんだけど今回はことが大きくなりすぎたの。ご両親にはニュース関係も交通事故でそれで通すから協力者になってくれないかしら」
あの出来事はあまりにも非現実的な出来事が有ったため隠ぺいするためだろう。
「馬皇さんや真央さん、サライラさんのことを守るためですよね」
「ええ。異能者って存在がばれると狙われたり恐れられたりとろくなことにならないことが多いからね。あなたに関しては記憶操作しようにも今回の出来事は深い所に記憶が結びつきすぎて何が起こるか分からないからよ」
坂本先生は由愛に今回のことでどうなるのかを丁寧に説明していく。一通り説明を終えた後由愛は少しだけ沈黙して考えを述べた。
「……そうですか。分かりました。今回は事故に巻き込まれた。幸いにも自己には合わずに目の前で起こったことを聞かれたと言えばいいんですね」
由愛の答えに坂本先生は答える。
「ええ。助かるわ」
話を終えるとサライラは我慢していたのか馬皇に抱き着いた。
「お父様。お父様。お父様~」
「あ‼ サライラさん‼」
由愛はサライラを引きはがそうとする。
「由愛さんばっかり狡いですわ‼」
「それは、その。あの時は感極まっただけです。馬皇さんはけが人だからあとなしくさせないと」
由愛はアワアワしてサライラを止めようとする。2人はもつれこんで馬皇の方に倒れた。
「「あっ」」
2人は同時に声を出すが遅かった。馬皇の方に2人は倒れこみ馬皇は2人を抱きとめた。
「おお~。両手に花ね」
坂本先生は馬皇に拍手を送った。
「ふんっ‼」
真央はというとそっぽを向いた。不機嫌そうに窓の外を見ている。
「2人とも大丈夫か?」
馬皇は心配して言った。倒れこんだ2人はというと。
「お父様。お父様。お父様。お父様。お父様。お父様~」
サライラは話が通じそうになかった。出会ったときと同じく名前を言うごとに馬皇の体に頭をスリスリとこすり付けていた。
「あう。あわわわわ。はふぅ」
由愛はじたばたとして馬皇に抱きとめられていることに気が付くと顔を真っ赤に染めて気絶した。
「ちょっ‼ 由愛っ‼しっかりしろ‼ サライラも落ち着け‼ 真央‼ いや、真央様助けてください‼」
2人を抱きとめて身動きが取れない馬皇は真央に助けを求めた。様をつけている辺りプライドを完全にかなぐり捨てていた。真央はまだ機嫌を損ねたままなのか外を見たまま言った。
「知らない」
そんなやりとりを見て坂本先生はぼんやりと眺めて言った。
「若いっていいわね~」
次回はケイスケが暗躍?する予定です。馬皇たちの日常の戦いと含めてエピローグにする予定です。




