表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第二章 異世界からの来訪者
39/327

暴走2

真央と馬皇の両親の名前は決まってません。決まり次第変えようと思います。

なかなか話が思いつかなくなってきてる……

 真と亮馬は少しだけタイミングをずらして馬皇に切りつける。しかし、鱗が固すぎるのかタイミングを読んでいるのか正面から全く歯が通るという事はなかった。さらに馬皇の攻撃に対して力を全力で出さないと吹き飛ばされてしまうのだ。何度か腕を剣を交えてお互いに一定の距離まで離れると警戒を解かずに馬皇とにらみ合う。 


 お互いに細かい傷はあるものの致命傷には程遠い。回復もアリアが居れば問題ないだろう。しかし、体力には問題があった。元勇者の2人は肩で息しているのに対して馬皇は獲物を狙う獣のように構えていてそこに疲れなどみじんにも感じさせない。


「はぁはぁ。さすがに何年も剣持って戦ってないから鈍ってるわね。しかも、昔戦った時より強いやつとか。イヤになるわ」


 何年も戦っていないことで衰えてはいるがそれでも怪我らしい怪我は一切負っていない母も大概であると真央は思ったが口には出さない。真央も支援のために通信の魔法を使う。


『年取っただけじゃないの? お母さん』

「まだ若いです~。って真央までこんなことが出来るの‼ 年取ったとか失礼しちゃうわ‼ 後で覚えてなさいよ‼」


 頭に直接声が流れ込んでる感覚に驚いてはいるが元勇者だけあってすぐに順応した。


「それで? どうすれば止まる?」


 亮馬は普通に口に出した。真央の魔法はそれを今回の関係者に送っているようだった。音がすさまじい中でも普通に声が聞こえた。聞きたい人物の声が聞こえるようになっているのだろうそう判断して馬皇から警戒を解かずに黙って聞いた。まだ動く気はないみたいだ。


『サライラが言うには気絶させるか、力尽きるまで暴れさせれば止まるみたいです』

「そうか。分かりやすくて助かる」

「そうね。倒したはずの魔王がいることも気になるし娘が何か隠してることは知っていたけどこんなことになってるなんて思ってもみなかったもの。人生分からないものね」


 真央母が言うことに同意なのか馬皇父も無言でうなずいた。馬皇母はのんきに言った。


「それは、分かるわね~。馬皇ちゃんあんなに狂暴になっちゃって。反抗期かしら」


 馬皇母の心配はどこかズレていることにすぐさま真はツッコんだ。


「なんで‼ いちいち‼ ずれたこと言ってんのよ‼ あんたは‼ どう見てもあれは違うでしょ‼」


 真のツッコミは空しく亮馬も自分の妻の言ったことに同意した。


「反抗期でも息子は息子だ。人様に迷惑かけたんならそれを正して教えるのが親の義務だ。スマンがもう少しだけ力を貸してくれ」


 真央母は馬皇夫妻のやり取りに半ばやけくそ気味に言った。


「おーおー‼ かっこいいねー‼ 言われなくてもとことん付き合ってやるわよ‼」

「お父さんはあげませんよ」


 にこやかに夫は上げません発言にもきちんと返した。


「私だって旦那様がいますぅ~。力が抜けるようなこと言わないで‼」


 あくまでもマイペースな2人に力が抜ける。それに乗じて馬皇は懐に入り込んだ。


「うわっ‼ ヤバッ‼」


 真に馬皇の爪が襲い掛かる。短い時間で避けられないと判断して真央母は剣で受け止めようとする。が、攻撃はやってこなかった。横から何かが突っ込んできたためだ。不意の攻撃に声を上げる馬皇。


「ガアァァァァァァァァァ‼」


 誰が突っ込んできたのかというとサライラである。サライラは槍を使って馬皇に突きたてるが吹き飛ばされただけで傷一つない。衝突の反動に合わせてクルリと空中で一回転して真の元に着地した。


「助かったわ。あなたどこかであったことない?」


 真央母は助けられたことに素直に感謝するとどこかで見た覚えのある顔であることに気が付いて聞いた。


「あなたはお父様と戦って倒した相手でしょう。確か勇者でしたっけ? 本当は戦いたかったのですけどお父様に止められていまして。今度戦いませんか? 親の仇であろうと竜族は強い方には素直に敬意を払いますわ」

「まさか‼」


 真央母は馬皇が魔王をしていた時に遠くで覗いていた少女を思い出す。姿はあの時の子が成長すればこうなるというのがよく分かる姿だった。あの時は戦わなかったが魔王を倒したときにすさまじい殺気を放っていた誰かがこの娘だと直感した。戦闘狂の一族なのがよく似ているとも思ってしまった。


「今回はやっと見つけたお父様を止めることが優先ですわ。せっかくお父様と子を作れるチャンスなんですもの無駄にはできませんわ」

「……ホント世の中分からないものね。あと私は元の世界に帰ったけどあの後どうなったか教えてくれる?」

「私の知っていることなら。知っていてもどうにもなりませんがね」


 なんというか狂気じみていることには違いないがそれが父親に大事にされていたことだけは分かった。


「お父様。ご覚悟を」


 やる気が明らかに殺る気なサライラに思わず真は引いてしまう。


「お父様なのよね? 何でそんなに殺る気なの‼」


 ツッコミが追い付かなくなっているが亮馬は真に注意を飛ばした。


「それは後だ。来るぞ」


 馬皇は魔法の準備をしていたらしく辺り一帯に黒い炎が泥のようにゆっくりと広がって行く。その炎からは怨嗟というか呪詛というか嫌な感じの炎である。物には被害はないが辺りの死体や木々は触れた瞬間から炭になることなく燃えた姿だけが焼き付けられて影だけが残った。


「怖っ‼ くっ‼」


 少しで遅れるが馬皇の魔法を全員回避する。範囲はあまり広くないのか10mぐらいに抑えられている。それに対して浄化の魔法を使いその炎を消していく。思ったように広がらないことに馬皇は吠えて範囲を広げようとする。


「はあぁぁぁぁぁぁ」


 アリアの方が一枚上手なのかさらに魔法陣を展開し辺りに浄化の雨を降らせた。それにより炎は一気に沈静化する。その好機を逃さずに前衛にいた3人は攻撃を仕掛ける。それに合わせて馬皇も突っ込んでくる。


「おうりゃぁぁぁぁぁぁぁ‼」


 亮馬は魔力を力に変換して馬皇を押し戻す。


「ガアァアアァァァァァァ‼」


 押し戻された馬皇はとっさに亮馬に魔弾を12発放った。


「通しませんわ‼」


 その攻撃に対してサライラは槍に魔力を込めて槍を縦横無尽に振り回す。突き、薙ぎ払い、突きと動きを混ぜて全ての魔力弾を迎撃。その一瞬後に一気に間合いを詰めて渾身の突きを放つ。槍は馬皇に刺さることはなかったがその衝撃によって馬皇を吹き飛ばす子に成功する。


「行きましたわ‼」

「分かってるわ‼」


 体制を崩し吹き飛ばされる馬皇に真は一瞬で馬皇の元まで詰め寄る。

 真は間合いに入ると馬皇は爪を振って振り払おうとするが魔力で足場を作って立体的な起動で躱していく。すべての攻撃を紙一重で躱すと真は今出せる最大の技を放った。


「アマツバメ‼」


 高速で1撃を振いとそれと全く同じ軌跡で3度切りつける。繊細に同じ位置を切りつけること1撃目で傷をつけ、2度目でその傷口を広げる。そして、3度目で相手に致命傷を与えるという技だ。馬皇が過去にやられた技でもある。


 しかし、理性は飛んでも歴戦の魔王。1度目は喰らっても、2度目に入る前に攻撃の位置をずらして攻撃の主である真を拳で吹き飛ばした。


「グウッ‼」


 勢いよく大きな瓦礫にぶつかる。衝撃で体が動かない所に馬皇は向かっていく。サライラも亮馬も急いで向かうが馬皇の早さに追いつかない。


「ガァァァァ‼」

「こりゃまずいわ」


 まだふらふらして立つことのできない状態でもこれは詰んだ。分かってしまう。それでも助かるために剣を構える。馬皇はそのまま突っ込んでいき真の上を通り過ぎて穴をあけた。


「え?」


 全員は穴の中を覗き込むと元に戻って気絶している馬皇を見て口々に言った。


「助かったの?」

「そう……みたいだな」

「力尽きなのね~」


 真央はツッコんでいった途中に気絶したことやいろいろありすぎて思考停止していた。


「扶助会に連絡したからさっさとこの子回収して逃げるわよ。見られたらたまらないもの」

「えっ!? 互助会知ってるの‼」


 真央は大人たちの会話から扶助会の名前が出たことに驚く。


「まあね。ただ、それは後で」

「「「にげる(わよ)」」」


 この場に来た全員は亮馬が馬皇とサライラを真は真央を抱えて移動を始めた。連れていかれながら思考停止から回復した真央は今回の件で大事になったことに頭を抱えたくなった。

次回はかなりご都合主義な展開になると思いますがそこは勘弁してください。最初から決めてたこと何で。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ