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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第二章 異世界からの来訪者
36/327

襲撃

分割します。修正はまだ続けている途中です。

なんというか、主人公死亡フラグ立った。

 坂本先生の車の中で病院に向かっている途中で運転しているだけでは暇なのか馬皇たちに話しかける。


「それで聞きたいんだけど2人は付き合っているの?」


 坂本先生の言葉に馬皇は顔が赤くなった。由愛はあわあわと混乱している。2人の行動に坂本先生はくすくすと笑った。


「あの、その……」


 由愛は慌てていて言葉が出なかった。


「違いますからね」


 きっぱりと馬皇は付き合ってはいないことを坂本先生に言った。その反応に由愛は少しだけ残念そうな顔をする。


 しかし、馬皇も意識しているということだけは顔を見れば一目瞭然だった。顔が真っ赤である。分かりやすい2人を見て坂本先生はまだ告白まで行っていないんだろうなと判断して2人のやり取りを聞き続ける。


「あう」


 車が揺れて馬皇にぶつかり謎の声を上げる由愛。


「大丈夫か?」

「だ、大丈夫です‼」


 ちょっとした事故? に馬皇は心配そうに由愛を気に掛ける。その気遣いが嬉しかったのか由愛の声が上ずっている。バックミラーで見ていた坂本先生はこれは山田さんの片思い中なのかな? と勝手に判断し直してニコニコと言った。


「あらあら。青春っていいわね~」


 坂本先生はさらに言葉を足してみる。車のルームミラーから先程と同じように2人をのぞいてみると馬皇と由愛は気恥ずかしいのかお互い外の方を見ていた。少しの間だけ車内は沈黙が支配していた。馬皇は外を見ていると隣の車の窓が開き始めているのが見えた。そこから銃口が覗いていて馬皇は突然大きな声で叫んだ。


「先生‼ 狙われてます‼」


 その言葉と同時に坂本先生が横を確認したときには拳銃からマズルフラッシュが見えていた。馬皇の言葉に反射的に相手の車から離れようとするがすでに遅かった。タイヤを狙ったのか車の制御が聞かなくなった。坂本先生は横転しないように必死に車体を維持して止めようとする。しかし、操縦が聞かないこともあり大きく車体は回転した。


「くっ‼」


 坂本先生は頭を打ちつけながらもブレーキを踏み停止しようとする。馬皇は由愛を押し倒して怪我しないように体全体を使って固定させる。


「うおおおぉぉぉ‼」


「きゃあああぁぁぁ‼」


 叫び声がこだまする中で何とか車は止まった。幸いにも何かにぶつかることもなく呈することが出来て、近くにあの銃で撃ってきた車しかなかったために巻き込み事故はなかった。


 その後から同じ車種の車が10台近く坂本先生の車を囲うように近づいて完全に包囲した。拳銃を構えたまま男たちが出てくるのを見て馬皇は低い姿勢のまま坂本先生を確認する。頭を強く打ったのか気絶しているようだった。由愛も何度か頭を打ったが怪我らしい怪我はなかった。


「何が起きたんですか?」


 由愛は事態を飲み込めずに馬皇に聞いた。馬皇は由愛が聞きながら起き上がろうとするのを抑えた。


「駄目だ‼ 今は動くな」

「きゃっ‼」


 そう言って、由愛が起き上がるのを必死に抑える。そのすぐ後に由愛が起き上がろうとした所から銃声と車に何かがぶつかる音がして窓ガラスが割れた。馬皇はガラスが当たらないように由愛をかばった。由愛は恐怖で馬皇にしがみついて離さない。


「大丈夫だ‼ だから落ち着いて」


 馬皇の声に由愛は少しだけだが落ち着きを取り戻す。由愛の声は震えていた。


「な、何があったんですか? いきなり車がグルグルって回りだして。それで、それで」


 要領を得てはいないようだったが状況は把握しているようだった。馬皇は分かっているなら問題ないと由愛を落ち着かせる。


「由愛。大丈夫だから。落ち着いて聞いてくれ。今よくわからない集団に囲まれている。それは分かるね」

「は、はい」


 馬皇の言葉に由愛はうなずく。


「坂本先生は車に頭を打ったのか気絶していた」

「どう考えても絶望的です」


 由愛は坂本先生という大人がいないということに危機感を持った。


「話し合いで済むならそれに越したことはないが、さっき、拳銃で躊躇いなくタイヤを撃ったんだろうな。碌な奴らじゃなさそうだな」


 馬皇は軽い感じで拳銃を所持していることを由愛に言う。


「そうですね。って、銃持っているんですか‼」

「ああ。囮になって話しかけてみる。だから、大人しくするんだ」


 拳銃を持っていることを言って由愛を大人しくさせて動くつもりだったのだろう。運転手を直接撃たないところを見るにこの車の何かを探しているのかこの中の誰かを探しているのかだろう。そう判断して馬皇は自分が出てみることにしてみる。


「嫌です」


 由愛ははっきりと拒絶した。


「由愛‼ 大丈夫だから」


 馬皇は行ってほしくないと掴む由愛に言った。それでもまだ心配そうに馬皇を見た。馬皇は真剣なまなざしで由愛を見るとしっかりとつかんでいた手をゆっくりと離した。


「ごめんなさい。本当に大丈夫なんですよね?」

「ああ。死ぬ気はないさ。多分相手は何かを探すために撃ったんだと思う。それがなんなのか分からないうちはそうそう攻撃してこないはずだ。それに、言ったろ俺の前世は魔王だって。生き残るすべぐらい持っているさ。それよりも俺がひきつけている間に通報なりなんなりして生き残る手段を探すんだ」


 あっさりそう言って由愛に馬皇は自分のスマホを託した。由愛自身の電話は予備として扱うためだ。何が起こるか分からない状況で囮をする自分よりもフリーな状態の由愛に持ってもらっておいた方が確実に安全であると考えたからだ。


 由愛に連絡手段を託した馬皇は交渉ができるのか確認するために両手を上げて決死の覚悟で囲んでいる集団の前に出た。

次回は交渉。


NGシーン


「先生‼ 狙われてます‼」


 その言葉と同時に坂本先生が横を確認したときには拳銃からマズルフラッシュが見えていた。


しかし、弾はきちんと当たっているがタイヤはびくともしていなかった。そのまま、坂本先生は車で相手の車にぶつけた。相手の車はスピンして動きを止める。坂本先生は速度を保ったまま逃げ出した。


「この車はちょっと改造してあって。タイヤも特別性。サブマシンガンの中突っ込んでいっても普通に走れる仕様になっているのが役に立ったわね」


 1人この車の仕様を言った。安全な日本の中で用心深すぎて馬皇たちは若干引き気味である。


「いや。なんでそんな改造してるんですか。坂本先生」


「それは……」


「「それは?」」


 坂本先生は言いよどむ。馬皇たちもマネをして聞く。


「かっこいいからよ」


 坂本先生の言葉に2人は思わずこけそうになる。


「いいじゃない。この車でいつか世界を回る予定なんですもの。これくらい頑丈じゃなきゃ」


 いったいどこまで向かうつもりなのだろうか2人には分からなかった。しかし、その理由で何事もなく助かったのは複雑に思ってしまう2人であった。

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