保健室にて
まだ、他の改稿がまだですが投稿します。
保健室。馬皇と真央たち一団は保健室のドアを開けた。そこには先客もいたようで体操服を着た女の子と保健室の主である坂本先生が座っていた。
「あら? どうしたの?」
膝をすりむいたのか女の子の膝に消毒液を塗りながら坂本先生は入ってきた生徒に用件を尋ねた。女の子の方は傷口にしみたのか涙目であった。
「馬……負毛君が思いっきり後頭部をぶつけたところを見たので、とりあえず保健室に連れてきました」
由愛は名前で呼ぼうとしたのを言い直して苗字で要件を言った。サライラはオロオロしていた。馬皇と真央は大人しかった。ケイスケに至ってはいつの間にか消えていた。
「そうなの。少し待ってね。この子が先だから」
そう言って、怪我をした女子生徒の傷口に絆創膏を貼る。
「ありがとうございました」
部活の最中だったのかお礼を言って、そのままグラウンドの方へ走って行った。それを見送った後、また椅子に座って馬皇に言った。
「それなら、一度頭見せてくれる?」
馬皇は坂本先生の見やすいように椅子に座って後ろを向く。そして、頭の部分を軽く触られる。こぶができていたのか馬皇は触られると軽い痛みが走った。その表情の変化を見逃さなかったのか坂本先生は言った。
「あら、ここにこぶができてるのね。痛い?」
自己判断は危険なのと他のメンバーに心配かけさせないために馬皇は素直に言った。サライラは今も抱き着きたいけど怪我しているのに抱き着くのというのは危険だと分かっているためオロオロしていた。
「はい。すこし、引きつったような痛みがあります」
坂本先生は他に何か症状はないのか聞いた。もしあるようなら危ないかもしれないからだ。
「なら、眩暈とかは?」
「それはありません」
「一応、検査してもらっておく?」
真面目に答えてくれていると判断して坂本先生は提案した。しかし、馬皇は首を縦には振らなかった。
「多分大丈夫です」
馬皇の言葉に由愛は重ねて坂本先生にお願いした。
「少し心配なのでお願いしてもいいですか」
本人以外の由愛が馬皇のことを心配して言った。いつもおどおどと自信なさげな彼女が堂々と言ったことに馬皇たちは驚いていた。坂本先生は心配性な彼女と大雑把な彼氏の青春の1ページを見ているみたいで微笑ましかった。
「青春してるわね。なら知り合いの病院で軽く検査してもらいましょう。私も少し用事があるので連れて行くわ。着いてきなさい」
坂本先生は保健室から出る準備をして馬皇を呼ぶ。由愛が心配だからと言ったのだ。馬皇は少し沈黙した後に従うことにした。
「……。分かりました。よろしくお願いします」
馬皇は軽くお辞儀をした。坂本先生は他の生徒たちに言った。
「他の子はそろそろ帰りなさい。責任を持って送り届けるから」
「あの、私は一緒に行ってもいいですか。このまま帰るのは負毛君が心配で仕方ないので」
由愛は心配なのかついて行っていいのか聞いた。坂本先生は悩んだ。付き添いは必要ないためだ。
由愛の方を見るとしっかりとこちらの方を見ていた。よっぽど大事な人なんだろう。そう判断した坂本先生は笑顔で連れて行くことを許可した。
「ふふふ。分かったわ。一緒に来て頂戴」
「ありがとうございます」
由愛は晴れやかな笑顔で感謝を述べて馬皇に同行することが決定した。一方、真央はあっさりと坂本先生に2人を頼んだ。
「では、お願いしますね。坂本先生」
「分かったわ。真田さん」
そう言って、サライラとケイスケを連れて真央は帰って行った。若干何か言いかけようとしたサライラだが素直に真央について行った。そのことに馬皇は驚きを隠せなかった。
「それじゃあ、行くわよ」
馬皇たちは保健室を出て、坂本先生が保健室に鍵をかけると車に乗って病院へと向かって行った。
とりあえず次回について時間についてはまだ未定ですが……。
次回は突発的な戦闘




