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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第二章 異世界からの来訪者
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けん玉

今回は、割と書きたい感じにかけた。こんな、どうでもいい対決を面白おかしくかけるようにならないとなぁ……。

「それで、なんであんたまでここにいるわけ?」


 放課後。


 真央たちは転校生たちを連れて校舎裏に来ていた。馬皇の背中にはサライラが相変わらず引っ付いて離さない。一方で真央はケイスケに詰め寄って問いただしていた。


「なあ、あのケイスケって奴は真央と知り合いなのか」


 昨日の昨日有ったことを知らない馬皇は由愛に視線を向ける。由愛は困ったような顔をすると表現に困るのか躊躇いがちに馬皇に言った。


「あはは……。真央さんの元部下らしいですよ。多分悪い人じゃないと思うんですが」


 視線を真央たちに戻すとまだ何かのやり取りをしている真央とケイスケの方を見る。真央がどこから持ってきたのかは分からないムチでケイスケを叩いていた。


 怒りで我を忘れているのか一心不乱に叩き続ける真央。


 それに対して叩かれながらも嬉しそうに受け続けているケイスケ。息を乱しているが、ケイスケにはほとんど効いていないのが遠目から見てもよくわかった。


「なんというか……ここからでも変態だなって分かるな」

「あはは」


 馬皇の発言に由愛は曖昧に笑う。


 なんというかよくわからない主従関係だった。そんな馬皇と由愛のやり取りを快く思わないのかサライラは馬皇に抱き着く力を強める。


「ほっといたらいつまでも続くだろうな。あれ」

「そうですよね。ところで馬皇さんはきつくないんですか?」


 由愛は馬皇にずっと引っ付いているサライラについてたずねる。馬皇以外は話しかけるなと言わんばかりの雰囲気に由愛が躊躇うのも無理はなかった。


「まぁずっとこうされてたら慣れる」

「そ、そうですか」


 そんなやり取りをする中で抱き着いて馬皇の匂いを堪能し始めるサライラ。彼女も馬皇限定ではあるが、十分に変態と言っても良かった。


 馬皇もさすがにそれは駄目だと思ったのかサライラを叱るように言った。


「こら、いいかげん離れろ。あと、嗅ぐな」

「いやですわ。せっかくお父様を独占できるのに」

「反抗期か? 反抗期なのか……」


 そのやり取りは父親と娘というほかなかった。言うこと聞かないサライラにがっくりとする馬皇。

 一方で一通り満足したのか真央はケイスケを連れて戻ってきた。まだ、若干息が荒い。真央は呼吸を整えてから喋り始めた。


「遅くなったわね。って‼ 馬皇はなんでそんなにがっくりしてるの?」

「気にすんな」


 そう言って馬皇は顔を上げた。


「それで、今日は何の勝負にするんだ?」


 ここに来たの今日も勝負をするためだ。意気揚々と真央に聞く。サライラは抱き着いたままであるが。


「それよりも先に自己紹介をさせてください。由愛さんと真央様は知っていますがあなた方のことは知らないので」


 ケイスケは馬皇とサライラを見てから話に割って入った。真央と由愛はまともなことを言うケイスケに驚きながらも黙っていることにした。


「そうか。それもそうだな。俺は負毛馬皇。真央と同じように前世で魔王をしていた者だ。真央とは今もライバル関係でこうやってちょくちょく集まって勝負することにしてるんだ。よろしく」


 馬皇は右手を差し出した。


「ご丁寧にどうも。ケイスケ・シンシです。真央様の教育係をやっておりました。今も真央様の忠実なる僕です。こちらこそよろしくお願いします」


 ケイスケも馬皇の手を力強く握り返す。馬皇はこう言う所には良い仲になれそうだと思った。


 その後にしがみついたままのサライラに馬皇はきちんと挨拶するように促す為に視線を送る。馬皇以外にあまり興味はないのかサライラは渋々といった態度で言った。


「サライラです。お父様以外には興味ありません。お父様、一緒にこの町を散策しましょう」


 馬皇一筋の態度を一向に崩さない態度に一同は苦笑いした。少しだけ和やかな雰囲気になると由愛は何かを思い出したかのように言った。


「そう言えば、ケイスケさんは昨日有った時と違って小さいですが、何かあったんですか?」


 真央も由愛の言葉に今気づいたような反応をした。確かに、昨日の話ではフリーターをしていて身長も177cmと中学生というのは無理があるだろうと思っていた。いつの間にか160cmぐらいになって体格も全体的に小さくなっていた。


「いやぁ。昨日警察署で変な男に連れていかれまして。その時に変な液体飲まされたら縮んでました」

「その液体は?」

「あれだけだと言ってました。どうかしましたか?」

「いえ。あの液体がもしかしたら、私たちを前世の力を取り戻せる可能性があったのよ」

「「それは、本当ですか?」」


 真央の言葉にケイスケとサライラの声が重なった。それに応じるかのように馬皇と真央は頷いた。


「俺たちの時は一時的だったけど前世の姿を取り戻せたんだ。それが今回俺の娘や真央の部下が感知に成功したきっかけになったんだがな。」

「そうなのですか。それならば、いろいろとつじつまが合いますね」


 ケイスケは1人うんうんと納得顔で頷いた。余計な話はこれまでというように真央は話題に割り込んだ。


「それで、今日の勝負は?」

「おう。今日はこれだ」


 そう言って、馬皇が鞄から取り出したのはけん玉だった。


「お父様。これは何ですか?」


 サライラはけん玉を知らないのか興味深げにけん玉を見つめる。由愛は懐かしさからなのか馬皇のけん玉を見て言った。


「懐かしいですね」


 貸してくださいというような目をしていたので馬皇は由愛にけん玉を貸した。


「実演の方を頼む」


 由愛は素直に受け取ると何も言わずに実演を始めた。器用に玉を皿に乗せていく。大きい皿から小さい方の皿へ。そして、小さい下の方に乗っける。それを滑らかに玉を乗っける位置をどんどん変えていく。さらに、たまに玉の方を持って剣の方を乗っけたりと器用なことをしている。ある程度続けて最後は頭の剣の部分に突き刺した。


 由愛がお辞儀をすると拍手が起こった。ミスなくあっさりとけん玉を操って見せたからだ。サライラは純粋に面白いと思ったからだろう。たしかに向こうだとこういった娯楽用のおもちゃとかは少なかった記憶がある。一方で馬皇と真央、ケイスケに関しては由愛の高度なけん玉の技術に対してである。3人が見て思ったことは正直同じことはできる気がしないという部分である。


「と、まぁこんな感じの遊び道具だ」

「やってみますか」


 にっこりと由愛はサライラに言った。サライラはけん玉と由愛を交互に見て頷いた。


「うん」


 サライラはけん玉をもって、皿に乗せようとする。しかし、一瞬だけ皿の上に乗るがはじかれてすぐに落ちてしまった。その後何度か挑戦するが一向に玉が乗らない。


「難しいわ」

「初めてだとなかなか乗らないんですよね」


 サライラは諦めて馬皇に返した。今回はこれを使うということなのだろう。馬皇はルールを言い出した。


「由愛みたいなことはできないが今回は皿の上に乗せ続けた方の勝ちだ。ペースは少し遅めで回数は合わせるぞ」

「いいわ。やってやろうじゃないの」


 真央は馬皇の言葉に乗った。返してもらったけん玉を真央に渡して馬皇も鞄から同じ形のけん玉を取り出した。真剣な表情になる2人を見て固唾を飲んで他の3人は見守る。由愛は言った。


「じゃあ、合図は私が出しますね」

「ああ。頼む」

「ええ。お願いね」


 同時に馬皇と真央は由愛に言った。由愛は頷くと言った。


「はい。じゃあ、スタートです。1」


 由愛の合図に合わせて、けん玉の球を乗っけようとする。しかし、2人とも玉は上がるが皿にはかすりもしない。


「…………」

「…………」


 自信満々にけん玉を用意しておいて皿にも乗っけられない二人の魔王に思い沈黙が場を支配する。


「こ、これは、事故ですよね。もう一回です。スタートです。1」


 仕切り直しとばかりに由愛はもう一度スタートと言った。今度こそ成功すると思いきや2人の玉は皿に当たったが乗っかりはしなかった。


「……」

「…………」


 沈黙が痛い。由愛はそう感じた。まさか、言い出しっぺの馬皇も含めて二人とも最初の段階で失敗するとは思わなかったである。それも大きい方の。


 由愛はとりあえず最初に乗せられた方が勝ちなんだろうな思ってしまった。それを表情には出さないでもう一回と言った。


「それじゃ、あと一回やってみましょう。それでだめなら引き分けです」

「……ああ」

「……ええ」


 2人の空気は重い。言い出したのは自分なのに失敗する馬皇。自信満々に勝負を受けた真央。どこからその自信があったのか2度の失敗から3度目の挑戦。


「ス、スタート。1」


 この空気に戸惑いながら開始を言う由愛。玉が宙に舞う。そして、その落ちる先にけん玉の皿を用意した。そして、皿に当たり2人とも受け止める。後は維持するだけと2人は別々に勝利を確信する。


 しかし、無常。あまりに無常。2人は落ちそうになり振り返り玉を留めようとお互いに動く。そして、近くにお互いがいるのに気が付かずに衝突した。強く当たったようで鈍い大きな音が鳴った。どちらが悪いともいえないが2人はそのまま絡み合ってこける。砂埃が舞った。


 由愛たちは慌てて近寄る。そして、見たものは馬皇を真央が押し倒しているような状態だった。しばらく2人は見つめあい。お互いに顔を赤らめる。


 そして、何事もなかったかのように2人は立ち由愛に聞いた。


「「それで、判定は‼」」


 2人はどちらが長く維持できていたかを聞く。しかし、それどころではない2人が言った。


「お父様‼ 私というものがありながらハレンチです」


 サライラは馬皇に強く抱き着く。先ほどのが気にくわないのだろう。態度を見ると出来れば自分にして欲しかったようだった。


「真央様。お怪我はありませんか。っく、馬皇さんめ。真央様に押し倒されるシチュエーションなんて……なんて羨ましい。私にもその主人公体質を伝授させてください」


 ケイスケは真央の心配をしつつ、馬皇に弟子入りしようとする。


「はふう。勝負は引き分けです。というよりも、勝負だころじゃないです‼ 怪我とか痛い所とかないですか? 気を付けてくださいね。怪我したら勝負どころじゃないんですよ」


 由愛はパッと見てケガがないことに安心する。それと同時に2人に怒った。

強くぶつかったために何が有るか分からない。そう判断して由愛は続けて言った。


「大したケガじゃないですが何が有るか分からないので、1回保健室に行きましょう。まだ、先生はいると思うので」


 由愛の心配に馬皇たちは怪我していないと判断しているが従うことにした。本気で心配してくれる友人に迷惑をかけないために。こうして今回の戦いは引き分けに終わりぞろぞろと保健室に向かって行った。

おりを見て少しずつ書き直していこうかと思います。それがいつになるかは分かりませんがこれからも楽しんでいって貰えればなと思います。

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