表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
最終章 乙女たちと覚悟と卒業式
306/327

1話

 真央の船であるアークの艦橋。広い空間には思ったよりも多くの人間が集まっていた。


「ねぇ。サライラさん?」

「なんですの?」

「本当に何があったの?」


 ファナは疑問に思っていたことを問いかけて辺りを見渡す。まだ、起きていない者たちを含めて多くの人間がいる中で意識のある全員が同じことを思っているのかうなずく。


 馬皇たちのクラスの生徒全員に倒れていた担任の鉄。その横には親部が横たわっている。鉄と親部は倒れていたためサライラが俵を担ぐように2人を担いでから反対側に由愛を乗せた。その後でクラスメイト達は地球が崩壊したのを確認してからどうすればいいのか分からなくなっていたところをサライラが呼びかけた。それに応じたのであった。


「そうだな。まさか地球が崩壊するとは夢にも思わなかったぞ」


 さらには敵であった天狩たちですら受け入れているのである。スーツの替えをあらかじめ用意してあったのか馬皇との戦闘の後に足止めをしていたクラスの増援をしていたのを見つけたサライラはそのまま連れて来たというのが顛末である。


「それについては真央にお願いしますわ。一応は説明できますけれど先に説明しても後で説明しても変わらないので」


 サライラはしれっと真央に丸投げしながら馬皇(竜)を見る。答える気のなさそうなサライラにとりあえず話を聞くのを後にしていきなり現れた竜を見ながら天狩が言った。


「ふむ。それにしても動かないな」

「それはそうよ。今はまだ休眠状態から覚めたばかりでまどろんでる状態だもの」


 天狩の疑問に対して答えが返ってくると「ふむ」と納得した様に振り返る。


「おお。さっきぶりだね」

「まさかあんたたちまで連れてくるとは思ってなかったわ」

「はっはっはっはっは。彼女に誘われてね。という訳で仲間に入れてくれ。さすがに地球が無くなってるのは私も想定外でね」

「わかってるわよ。それに敵だからずっと敵とかこだわってないし、サライラの敵味方の感覚は信頼しているわ」


 天狩が陽気に答えると真央はそう言って手を差し出す。それに答える形で天狩は手を取った。


「それとあなたの作ったREDだったかしら。素直に素晴らしかったわ」

「ふはははは。分かってくれるのは嬉しいよ」

その様子にクラスの洋介が代表してユメリアに話しかける。

「なぁ? ユメリアさん。あそこの人たちと真田さんたちはどういう関係なんだ?」

「ああ。敵対関係だった?」

「なんで疑問形なんだよ。ってか良いのかよ?」

「サライラに聞いてくれ」


 ユメリアもあまりにも敵対とは程遠い関係に見える2人を見て洋介は呆れる。


「それで、だ。君が戻って来たという事は何かしらの情報が得られたから戻って来たという事でいいんだね?」


 和やかな雰囲気が一変して天狩の言葉に緊張が走った。未だに事態が見えない状況の中でその情報を持つ者が帰って来たのだ。これまでに何があったのか。あの竜は何なのか。様々な疑問を持ったクラスメイト達や天狩達は真央の言葉を待つ。


「そうね。せっかく集まってくれたんだし説明はしないといけないわね」

「……そうか。それなら私にも説明を頼む」

「鉄先生は……大丈夫なんですか? まだ、脇腹に穴空いてますけど……」


 意識を取り戻したのか鉄が話に加わる。しかし、その様子はまだ病み上がりなのか顔色は良くなく、脇には小さくはなっているが体を貫通した穴が開いているのが分かる。


「何。この位であればっ‼」


 そう言って鉄は力を込めると肉が穴を埋める。それだけで回復できるのか何事もなかったかのように立ち上がる。その光景に真央はドン引きした。


「相変わらず無茶苦茶ね」

「これで問題ないだろ。それであの後に何があった? 馬皇がいないのも気になる」


 鉄がそう言って真央の元に来ると真央は軽く咳払いすると話を切り出した。


「あー。とりあえずみんな聞きやすい位置にいてくれたらいいから説明するわ。信じられないかもしれないど、まずは全部話を聞いてから質問してね」


 真央の言葉に話を聞く者たちは全員うなずく。それを確認した真央は話しはじめた。


「まず、最初に。今見ているあの竜は。馬皇の本体よ」


 真央の最初の一言。その一言にクラスの生徒たちのみが頭をかしげる。他の者たちは事情を知っているか、知らなくても馬皇のあの力の源があれに繋がっていることに納得しているのかそこまでの混乱はまだない。


「まぁ。普通はそうなるわよね。私もあの話を聞くまでは信じられなかったもの」

「リル。本当なのか?」


 洋介は自身のみの内に住む神狼にたずねる。クラスの生徒たちはリルの事を知っているために洋介の反応を待つ。


『う、うむ。あ奴は嘘を言っておらんぞ。それに分かるぞ。確かにお主の親友と同じ気配が混ざっておる。底のしれない気配だと思っていたがまさかあれだったとは』

「まじかよ……。っていうか知ってるのか?」


 リルはクラスメイト達にも聞こえるようにしていたのか驚愕しているクラスメイト達。その話の中で知っている風な口調のリルに様子に喰い気味にたずねる。


『お、おお。遥か昔。それこそ神々が生まれるよりもはるか昔に存在した竜の王じゃよ。同じ時期に生まれた我らが創造主の抑止力としての存在じゃ。とはいっても互いにそこまで悪い仲じゃなかったという話じゃ。じゃが、どんな時代でも愚か者というのはいる者でな。その力は巨大で若い神たちがこぞってかの竜の力を狙っておったという話じゃ』

「そうですわね。確かに高慢な神も居ましたわね」

『そうか。という事はお主はあれの娘か。何かに似てるなとは思っていたが、まさかこんな場所にいるとは思わなんだ』

「そうですわね。私もあの犬が人間の中に閉じ込められているという事態に出会った当初は腹筋が崩壊しそうになりましたわ。表には出しませんでしたけど」

『なんじゃとっ‼』

「おっおい。どうしたっ」


 思い出話を語る様にリルが何かを思い出したのかサライラは挑発するようにリルに言った。リルはそれに乗せられて興奮している。


『止めてくれるなっ‼ あそこまで良いように言われて黙ってる我ではないのじゃ』

「落ち着きなさいな。そう言った昔話は後でしましょう。それとそこまで反応しちゃうと子供っぽいですわよ」

『子供じゃないわいっ‼』


 リルはサライラの言葉に拗ねたのかそのまま洋介の心の奥の方に引っ込む。サライラは少し不機嫌そうに顔を逸らした。2人の様子に洋介は色々とツッコミを入れたいが何とも言い難い表情で真央に話を促す。


「ま、まぁ2人の間に何があったのかは気になるが真田さん話の続きを頼む」

「え、ええ。簡潔に行ってしまえば、神狼の言っていた通り、あいつの力をわがものにしようと企んでいたのよ。今回の首謀者である皆月という男は。しかも、未来に干渉できる書物を使ってね」

「理解が追い付かねぇ」


 洋介は感想をつぶやいた。その感想に同意なのかクラスメイトたちは同じように頷いた。


「細かい所は省くと長年の間、綿密に計画を練っていたと思われる書類をあの部屋の奥から見つけたの。そこにはあいつを完全に呼び覚ます方法。別れた力を集める方法。そして、その肉体のみを奪い取る方法が書かれていたわ」


 そう言って虚空から分厚い本を取り出す真央。


「私も見た時は驚いたわ。ここまで入念に石橋をたたいて渡る術式を用意していたこともそうだけど、精神系の含蓄は敵ながらあっぱれとしか言いようがない状態だったわ。しかも、私の書庫の物まで盗んでたなんて。正直気づけなかったから脱帽よ」

「そんなにすごいのか?」


 真央の称賛に天狩が気になったのかたずねる。


「そうね。ある意味執念の賜物よ。これは。しかも、知りたくなかった事実まであったし」


 真央はそう言いながらあるページを開く。そこには『転生魔法と実験とその成果』と書かれていた。

 頭がこんがらがってるhaimretです。会話の成り立ってない状態になってないか。矛盾していないか。という2つを心配しながら更新しました。良くはないけど長くなると忘れてる部分があったりするのでそう言うのがあった時は教えて下さるとありがたいです。もっと時間かけないといけないのかなぁ。


 ブクマとか評価とか感想とかしてくださいますと作者自信の活力が上がり、書くための動力源になりますのでよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ