表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第九章 魔王復活編
301/327

38話

 すみません。更新遅れました

 馬皇と屋久島はぶつかり合っていた。馬皇は真央、サライラ、消えて行った皆月の場所へ向かっていく。それを阻む形で屋久島が馬皇に襲い掛かる。それにカウンターする形で右拳を出すが、その拳を食べようと口を広げ屋久島は噛みつく。


「くっ‼」


 拳を噛み千切られ馬皇はうめき声をあげるが、気合を振り絞って屋久島の腹を蹴って飛ばす。その間に馬皇は拳を再生させる。


「邪魔だぁぁぁ‼」

「KYSHAAA‼」


 馬皇の叫びに応じるように屋久島が雄たけびを上げる。闘争本能のままに竜人の姿になると屋久島と馬皇は羽を広げて、高速で交差する。拳、蹴り、爪による斬撃などの攻防が激しく入れ替わる。


「KRAAA‼」

「がぁぁぁ‼」


 雄たけびと共に両者の速度がさらに上がる。拳や蹴りの応酬の合間に噛みつきが加わってより野生の獣じみた行動が増える。一瞬の隙を突いて屋久島が馬皇を尻尾で弾き飛ばした。


「っ‼」


 そのまま地面に叩きつけられる。馬皇はそのまま立ち上がろうとするといつの間にか現れたクラウが馬皇の頭に体当たりをかます。


『落ち着いてください‼ 旦那様‼』

「ってぇ‼ 何しやがる‼」


 鈍い音共に馬皇が正気に戻ったのかクラウに怒鳴った。


『ふふふ。やっと正気になりましたね。悪い癖ですよ。旦那様』

「……悪ぃな」


 クラウの言葉にばつの悪そうにそう言うとクラウはくすくすと笑う。屋久島は突然現れた浮かんだ武器、クラウを見て警戒しているのか空中に浮かんだまま馬皇たちの様子を見ている。


『分かっているならこれ以上は言いませんよ。これが良妻の務めですから』

「妻にした覚えはねぇよ」

『ううん。塩対応』

「ったく。でも、感謝はしてるぞ」

『ふおおおぉぉぉ‼ 旦那様がデレたぁぁぁ‼』

「ええいっ。落ち着け‼」

『にゃふん』


 いつも以上に興奮し始めたクラウに鬱陶しそうにデコピンをする。柔らかくなった雰囲気を察した屋久島が無言のまま割り込む。


『何してるんですか? お姉さま』


 その攻撃に対してソラスが障壁で防ぐ。障壁を超えられずに攻撃を繰り返す屋久島。一方で、呆れた様子でソラスがクラウと馬皇に言った。


「わりぃな。ソラス」

『いえ。これが私の仕事なので』

『もう。ソラスちゃんも照れちゃって』

「そうなのか?」

『そうなんですよ。久々の出番にいつもよりもテンションが高いですよ?』

『お姉さま。うるさいですよ』

『うう。お姉ちゃんに厳しい』


 シクシクと泣きマネするクラウ。それに対して馬皇は緩い雰囲気に対して言った。


「漫才はほどほどにな」

『『漫才じゃないです(よ)』』


 クラウとソラスは同時に答える。馬皇は笑った。


「ふははは。そうか。なら、力を貸してくれ」

『『もちろん(です)』』


 クラウとソラスはそう答えると馬皇は竜人の姿のまま立ち上がるとクラウとソラスを手に取った。


「SYA?」


 手に取った瞬間、馬皇たちが光に包まれる。それに対して頭をかしげる。姿は変わらない。先程とは違うのは両手には魔剣であるクラウとソラスを持っている。


「待たせたな」

「KYRAAAA‼」


 屋久島は馬皇に突っ込んで行く。


「見えてるぜ」


 馬皇は落ち着いて屋久島の攻撃を躱していく。そして、要所要所はソラスで攻撃を防いでいく。先ほどの原始的な戦いとは打って変わって馬皇は余裕を持っている。


「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA‼」


 馬皇の行動に屋久島はいらだった様子で馬皇の耳元で叫ぶ。さすがに力いっぱいに叫ばれると馬皇同じように大声で叫んだ。


「うるせええええええええええええぇぇぇ‼」


 馬皇の大声と屋久島の大声が皆月の部屋を崩壊させていく。馬皇たちの周辺からひび割れてそれが広がっていく。馬皇たちもその例外ではなく声による振動で体にある小さい鱗などがひび割れていった。


「KYAAAA‼」


 しばらくの間我慢比べをしていたが、崩壊の早かったのは屋久島の方であった。このままでは自身の方が先に崩壊することを悟ったのか屋久島は距離を取る。距離を取ると崩壊を続けていた鱗が地面に落ちる。


「さすがに再生能力はあるよな」


 鱗が剥がれ落ちた先から再生していく屋久島を見て冷静に答える馬皇。馬皇も同じように表面の脆くなった鱗が零れ落ちてその下から新しい鱗が再生される。


『旦那様』

「分かってる。行けるな?」

『もちろんですよ。ね? ソラスちゃん』

『はい。お姉さま。マスター。完璧に仕上がっているので。いかようにもお使いください』

「うっし。あの時はまだ不安定だったから一瞬だったが、この後の事を考えると馴らしておかないとな。本番だ。クラウ・ソラス」


 馬皇が名を呼ぶとクラウとソラスが浮く。


『行くますよ。ソラスちゃん』

『はい。お姉さま』


 2本の短剣は馬皇の前を回転する。短剣の2本からそっくりの半透明な少女たちが姿を現す。違いといえばクラウからは赤い髪の少女が、ソラスからは青い髪の少女であることと赤い髪の少女の方が胸が大きく見えるくらいで他は鏡写しであるといった方が良いくらいに似ている。


「GAAA‼」


 再生を終えた屋久島は馬皇たちが動きを止めているの見て突撃する。


『不埒な私の前で邪魔などさせませんよ』


 青い髪の少女ソラスは無表情のまま屋久島の方に手をかざすと屋久島の動きが止まる。屋久島はもがくが、そこから行動が一切できない。


『久々に元に戻るんですから黙って見ててくださいね』

「GYAAAAAAAAA‼」


 赤い髪の少女クラウは屋久島の手、足、翼を焼く。ほぼ竜である屋久島の鱗や甲殻といったあらゆる属性の耐性を持っているはずの貫通して屋久島を焼いた。今まで感じていなかった痛みと細胞を含めて完全に焼け焦げたために再生が阻害されているのか屋久島の再生は先程と比べても目に見えて遅いのが分かる。


 速くなる回転と共にその外側を完全に光の玉を作り出し、短剣は光の中に消える。クラウとソラスから出てきた少女が馬皇の前に立つといった。


『『さぁ我が担い手よ。名を』』

「名はクラウ・ソラス。今一度俺に力を貸してくれ」

『承知しました』


 クラウとソラスは重なる様に1つになると少女は2人よりも一回り大きくなった少女の姿に変わる。同時に馬皇は光の中に手を突っ込むと中から一本の剣を取り出した。


 大きさは80cm程。色は蒼。ソラスから出てきた少女よりも深く全てを取り込むような深い青の刀身と柄先の間まで。刀身と柄の間には深紅の宝石が埋め込まれている。その剣と共にある少女の胸元にも同じような真紅の宝石のブレスレットがあり、刀身と似た色の髪と目が馬皇を見る。


『ああ。お待ちしておりました。担い手様』

「おう。のっけから行くぞ。クラウ・ソラス」

『はい』


 馬皇は名を呼ぶと少女はうなずいた。少女は馬皇の中に溶け込むように馬皇の中に入り込むと馬皇の体の色がわずかに蒼く見える黒に変わった。屋久島はソラスが動きを止めていた障壁を破壊すると真っ直ぐに馬皇に突っ込んでくる。馬皇はクラウ・ソラスを構える。


「この一撃で終われ」


 馬皇がそう言うと同時に馬皇と屋久島は一瞬だけ交差。その結果が馬皇は完全に振り切った構えをしており、屋久島は爪で切り裂いた後の振り切った姿勢で着地。そこだけが時間が止まったように動きを止めた2人が動き出した。


 最初に動いたのは馬皇であった。膝を落とすと馬皇の頬から左腕に掛けて屋久島が引っ掻いた爪痕が遅れて出来る。


「っ。はぁ……はぁ」


 馬皇の荒い呼吸で屋久島を見ると体がバラバラに崩れていく。さらに刻んだ先から分解していくように粒子となって体が消えて行っていた。それは時間が進むごとに加速していく。やがて塵すらも残らない状態で屋久島が消えると馬皇は剣を杖に立ち上がった。


 クロノス。これがクラウ・ソラスの本来の力であった。時の神の名前を取り、そのままその名前になった時間操作、の一部である。時間停止によって数千数万にも近い斬撃が一瞬で叩きこまれる。それに加えて刻まれた攻撃の全てを呼び戻し、その力を消滅するまで発生させ続ける。その結果が相手の再生を上回り、再生しきる前に屋久島がバラバラになって再生していない様に見えていたというのが真相である。


「俺の勝ちだ」


 馬皇はボロボロの体のまま消えた、真央やサライラ、由愛を探しに動き始めた。

 少し体調良くなくて、寝て起きたら遅くなってしまったhaimretです。寝起きはきちんとしないと後で大変なことになるので気を付けてくださいね。次回は真央&サライラと皆月になります。


 指摘とかブクマとか評価とか感想とかしてくださいますと作者の動力源になりますのでよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ