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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第九章 魔王復活編
263/327

7話

一度消してからもう一度書きなおしたので遅れましたが更新しました

「魔物の群れっ‼ なんて数だ‼」

「ユメリア‼ 構えなさい‼」

「ああ。助かった。それとファナも、だ」


 呆然するユメリアはいきなり殺到する多種多様な魔物の行進に反応が遅れる。ファナはユメリアをかばう様に魔物たちを剣でまとめて薙ぎ払う。ユメリアはファナに礼を言うと武器を構えるとファナの背後から襲い掛かってきた魔物の1体を薙刀で突く。


「一気に殲滅しますので皆さま私の後ろへ」

「分かりました」

「ああ」

「分かったわ」


 サライラの言葉に由愛たちが答えると由愛に魔物を近づけない様にかばい合いながらサライラの後ろへ回り込む。サライラは襲い掛かってきた魔物たちをリンネで力任せに薙ぎ払う。その余波も含めて正面おおよそ50mに空白地帯を作り出す。しかし、薙ぎ払った先から補充されるように魔物たちが殺到する。


「少しだけ溜める時間をくださいな」

「分かった‼」

「了解よ‼」


 サライラは竜人へと姿を変えるとリンネを手元の地面に突き刺す。同時に大きく息を吸うのと同時に魔力を吸う。


 ユメリアたちはサライラの言葉にうなずくと近づいてくる魔物たちに魔法や陰陽術で迎撃して近づけさせない様に打ち続ける。そして、素早い動きで突破してきた相手を並行して切り裂いていく。全力でユメリアたちも撃ち続け、動き続けているがそれでも数が多すぎるせいか徐々に魔物たちの群れは距離を詰めて来る。


「くっ‼ 数が多い ‼ そろそろ限界だ‼」

「きついわね‼ これ‼」


 時間にして10秒。実際には短い時間であるが魔物の大群の圧迫感と撃ち漏らした瞬間に死んでしまうと言う緊張感で限界まで引き延ばされた時間に耐えきれずユメリアとファナは叫ぶ。


「行きますわ」


 ユメリアたちが叫ぶのと同時にサライラの準備が整う。サライラはそう言うと溜め込んだ魔力を光に変えて吐き出す。吐き出された閃光は遠くに行くほど拡散していき広い範囲が光に包まれる。それに触れた魔物たちは蒸発していく。そして、光の通り過ぎた後にはブレスの跡以外には何も残らない。


「ふぅ。いきなりの事で少し焦りましたわ」


 サライラは少し焦った様子であったが、魔物を殲滅するとサライラは人の姿に戻りすっきりした表情でつぶやいた。それによって出来た光景に由愛は言った。


「サライラさん。すごいです」

「ふふふ。そうでしょう。そうでしょう。空間ごと壊さない様に少し押えましたが、お父様はもっとすごいですわよ」


 由愛の言葉に嬉しそうにするサライラ。その隣で聞いていたユメリアは呆然とした表情のままファナにたずねる。


「……これでも抑えったって本来の威力はどうなるんだ?」

「さぁ? 少なくとも受けたら私たちもさっきの魔物たちと同じ末路たどるのは確かね。でも、私の知っている竜種は少なくともこんなことはできないわよ」

「奇遇だな。我も知らん」


 ユメリアは目の前の光景に実感の沸かないのか乾いた声で言った。そんな2人を見てサライラが頭をかしげた。


「? ユメリアもファナもどうかしたの?」

「何でもないわ」

「いや。素直にすごい破壊力だな、とな」


 何でもないと言った風に答えるユメリアとファナ。目の前には魔物の姿は見えない。そして、そのはるか後方には大学のクレーターよりも深い大穴が空いた大地が見えていた。


「それよりも殲滅したのはいいけど目的の物は?」

「あ」


 ファナは誤魔化すようにそう言うとサライラも考えていなかったのか間抜けな声を出して場が凍った。その反応を察してファナは驚愕した表情を見せる。


「……まさか」

「……そのまさかですわ」


 サライラが顔色を悪くする。その答えを聞いたファナはため息をつく。


「わざとではありませんわ」

「そんなの分かってるわよ。命がかかってたんだから。それよりもここを探すべきかどうかよね。由愛。ある?」


 サライラがそう答えるとファナも分かっていることを伝える。辺りを見回しながらもしかしたらと思い由愛にたずねるが、由愛は頭を横に振った。


「すいません。反応ないそうです」

「困りましたわ」

「そうね。さっきのは仕方ないわ。諦めて次行くしかないわね」


 サライラは困ったと言った表情を見せる。一方で由愛の答えを予想していたのかファナは改めて由愛に目的である結晶の在り処をたずねると由愛は目を瞑って真央と交信する。少しすると由愛は目を開いた。


「ここが駄目となりますと今度は少し遠いらしいですが、大丈夫ですか?」

「むぅ。振り出しですわ」

「まぁ、命あっての物種だからな。サライラには感謝だ」

「そうね。ありがとう」

「……少し照れますわ」


 がっかりするサライラを慰めるようにユメリアたちが言うと照れたのかサライラは顔を少し赤くする。


「あれ?」

「どうかしましたの?」


 由愛が何かに反応すると目の前をじっと見る。由愛の行動にサライラも覗き込むと地面が盛り上がった。


「由愛。下がって」

「は、はい」


 ファナは警戒した様子で由愛を後ろに下がらせるといつ飛びかかって来てもいいように剣を構える。盛り上がった地面は動くことなく微妙な緊張感が走る。


「ぴぎゅ」

「スライム? どうしてこんな所に? いや、こんなスライムの色は初めて見たな」


 鳴き声と共に地面から出てきたのはスライムであった。ファナの後ろから出てきたスライムを観察していたユメリアは目を輝かせる。土の中をもぐってきたせいなのか表面は土で汚れているがその体の色は綺麗な翡翠色であった。


「もしかしてあの時の? スライムさん?」

「ぴぎ」


 由愛がたずねると肯定するようにスライムは答えた。スライムはそのまま口を開けると結晶が出てきた。それは洞窟で見た結晶よりも濃い翠で宝石のようであった。


「綺麗な翠です」

「ぴー」


 由愛がそう褒めると照れたのか翠の中にほんのりと赤色が混じる。口から取り出した功績を由愛に差し出す。


「えっと……。お菓子のお礼? くれるの?」

「ぴぎゅ‼」


 スライムはそう鳴いてそれを由愛に差し出すようなしぐさを取る。それを読み取った由愛が聞くと勢い良くうなずいた。それを見た由愛は素直に受け取る。


「ありがとう。でも、危ない事したらダメだよ」

「ぴぎ‼」


 由愛の言葉が嬉しかったのか飛び跳ねるスライム。由愛はそれだけで何が言いたいのか分かったのか会話を続ける。


「え? 魔物の群れよりも私たちの方から来た光の方が怖かった? ごめんね。気が付かなかったの」

「ぴぎゅぅ」

「許してくれるの? うん。そんなに心配しなくても大丈夫だよ」


 和やかに由愛はスライムと会話を続けているのを見たサライラはたずねる。


「由愛は言ってることがわかるんですの?」

「え? わかりませんよ?」


 明らかに会話している上に通じ合っているようにしか見えない状況なのに由愛の分からない発言に困惑するサライラ。続いてファナが由愛にたずねる。


「ですが、意思疎通できているように見えるのだけれど?」

「言ってることは分かりませんがどんなことを言いたいのかは分かりますよ? 仕草自体も肯定なら縦に否定なら横に振ってますし」


 きょとんとした顔で由愛が答えるとユメリアたちは由愛から離れて確認するように円陣を組む。


「……なぁ。我にはスライムが縦とか横とかにプルプルと震えてるようにしか見えんのだが?」

「気のせいではありませんわ」

「そんな違いがあっても分からないわ。それ以前にあれが私たちがあの時に見たスライムなの? 完全に色が違う様にしか見えないけど」

「それについては同じスライムですわ。本当に微量ですが私たちの臭いが残ってましたわ」

「我そんなににおうか?」

「そんなの分かるのは多分サライラくらいよ。後、はしたなく見えるから止めときなさい」


 サライラの言葉が気になって自分の臭いを嗅ぎ始めるユメリア。その様子にファナは呆れた様に言うと苦笑いを浮かべる。ユメリアは自分のして言うことに気が付くと少し恥ずかしそうに輪の中に戻る。


「それよりもなぜ由愛はスライムのいっていることが分かるんだ?」

「そんなこと知りませんわ」

「それよりもスライムが持ってきてくれた物が私たちの探している物か由愛に聞かないと」

「そうですわね」


 ある程度の話し合いが済んだのかユメリアたちは由愛とスライムの方へ向く。その光景を見たユメリアたちの時間が止まった。


「わぁ‼ すごいです‼」

「ぴぎゅあ」

「「「…………」」」


 見ていなかったうちに筋肉ダルマとなった翠のスライムらしき頭がくっついた謎生物がポーズを取っている姿であった。

とりあえず、殲滅と採取? です。それ求めている物かどうかは次回しだいという事でお願いします。それとスライムさん?。スライムの頭というか体全体とごっつい人間の首から下と奇跡の融合している状態です。


いつもの事ですが、読んで下さりありがとうございます。ブクマとか評価とか感想などしてくださいますとテンションが上がり、狂喜乱舞しますのでよろしくお願いします。

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