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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第九章 魔王復活編
258/327

2話

少し遅れましたが更新しました。

「本当だな。どこに行ったんだ?」

「そ‼ それよりも‼ サライラさんと鉄先生は‼」


 ユメリアは困惑し、由愛は慌てた。


「由愛。落ち着きなさい。……とりあえず辺りにはいなさそうね」

鉄たちがいない事に気が付いたファナはそう言うと一度辺りを見渡した。周りの光景は来た時と様子は変わっていない。最初から存在しなかったように鉄とサライラの姿が見えないも変わっていなかった。

「奥に行ったのかしら?」

「いや。サライラは分からないが、鉄先生が我たちを置いて先に行くと思うか?」

「……それもそうね。さっきも話に混ざっていたし、細めに気遣って私たちを見ていたから気付かないで行くとは思えないわ」

「いったん来た道を戻ってみるか?」


 ユメリアの言葉にファナはうなずく。由愛も少し落ち着いたのか言葉はないが同じようにユメリアの言葉に頭を縦に振った。


 ユメリアたちの意見が一致すると来た道を戻って斜面を登っていく。そのまま10分近く上り続けるが一向に上まで着かない。そのままさらにしばらく歩き続けたが、全く距離の変わる様子のなさそうな出口にさすがにおかしいと感じたのかユメリアが言った。


「おかしい。先ほどからずっと歩いているのに頂上まで着かない」

「ええ。どうなってるのかしら」

「出口は見えているのに近づかないです」


 それにファナと由愛も同意する。短い斜面のはずなのに一向に到着することのない現状に頭をかしげるのは当然であった。


「一体全体どうなってるのやら」

「それは私にも分からないわ。でもそうなって来ると迂闊に動くのは危険ね。一旦話し合うわよ」

「むぅ。足止めか……」


 理由が分からないとユメリアが口にするファナもどうなっているのか分からないと答える。状態を把握したファナが提案すると現状はどうしようもないと踏んでユメリアも渋々であるがうなずく。そんな流れるように状況が決まっていく様子に着いて行けないのか由愛はたずねた。


「えっと? 私たちはどうするべきなんですか?」

「迷った時は基本的に元の道を戻るかこういう時は下手に動かずに助けを待った方が良いわ。聞いておくけど、食料とかはある? ポーションとか水はある程度はあるけど今回は想定していないから私は持ってないわ」

「私はこれくらいしか」


 ファナはそう言って鞄の中から水の入った大きな水筒と薬品の一部を取り出す。それにつられる形で由愛は飴玉の袋を見せる。


「我はこんなものだな」


 そう言って袖口からお菓子の袋を出す。チョコやポテトなどのとりあえず定番を揃えましたと言わんばかりのお菓子のラインナップが小さく山を作る。明らかに袖から出てはいけないサイズのそれを見たファナが頭を抱える。


「なんでそんなにお菓子が出てくるのよ。っていうかどうやって袖から出したのよ」

「お菓子は馬皇と真央と合流した後にでもする予定だったパジャマパーティーとやらのために準備した。由愛と一緒に考えた」


 ユメリアはいたずらっぽく笑った。ファナは由愛を見ると申し訳なさそうに答えた。


「その……元々いなくなる少し前にユメリアさんとファナさんと親睦会という事で真央さんと計画してたんです。で。放課後にファナさんに予定を聞こうと思った日はファナさんは予定があるし、馬皇さんたちは指名手配されるしで……」

「……何と言うか間が悪かったのね」


 しょんぼりした顔の由愛を見るとファナはどう答えればいいの分からずに微妙な間が生まれる。由愛は話を続ける。


「はい。それでその計画の前の日にお菓子を準備しようとユメリアさんが店のお菓子を片っ端から買おうとしてたのを見かけて。さすがに止めたんですよ……」


 由愛がそう言うと何故か自慢げなユメリアが胸を張って答えた。


「ふっふっふっふっふっ。すごいだろう。これでも我稼いでるのだよ」

「食べ切れない量を買ってどうするのよ?」

「それは……ほら、日を分けて消費していく予定だった」

「太るわよ?」

「うっ。地上のお菓子が安いから。それにクリス、我の従者がいないから。つい。な。それに外交の担当には頑張ってもらっているがアマノハラに来るころには税がかかって微妙に高いから買いだめしているのだ」


 ファナの呆れの含んだ声に身に覚えがあるのかユメリアは言葉が詰まるがそれでも答える。ファナはまだ納得がいかないのか微妙そうな顔をするが、このままいがみ合うのは無駄だと感じたのか話を進める。


「まぁ、これで食料に関しては少しは持つわね。それで? どうする? ここで待つか? 少し動くか? 私は殺気も言ったように待った方が良いと思うわ」

「うぅむ。我は待った動いた方が良いと思うな」


 ファナがそう言うとその反対の意見を述べるユメリア。その意見が気になるのかファナはたずねる。


「それはどうして?」

「このまま助けが来るまで待って動けなくなってギリギリで動くよりも余裕のあるうちは少し探してそれでも駄目だったら待つ方が良い。幸い広大な森林の中という訳ではないしな」

「それもそうね。ただ、私たちが動いた後に誰か来て入れ違いになったらより面倒になるわよ」

「うむ。確かに」


 ファナとユメリアは意見を言い合う。お互いにそうしたい理由に納得するとどうするべき考え沈黙する。


「そう言えば、由愛はさっきから喋ってないけどどうしたい?」

「そうだな。ちょうど3人いる事だし由愛の意見も聞きたい。我は由愛の意見に従うぞ」

「そうね。このまま平行線よりはそっちの方が良いかもしれないわね」

「どっち?」

「どっちにする?」

「えっ‼ 私にですか‼」


 いきなり話を振られ決断を迫られる由愛。


「……ぎー」

「「‼」」

「えっ‼」


 どうすればいいのか困っていると近くで何かの鳴き声が聞こえる。その声に即座に反応するとユメリアは袖口から、ファナは腰にさげた剣を抜いて構える。聞こえた方を向くとそこには青い物体がいた。


「ぴぎー」

「なんだ。スライムか」


 ユメリアはそれを見てそうつぶやくと構えを解く。


「スライム? この世界にもいるのね」


 警戒そのものは解いていないが目の前の生き物が危険な生物で無いのを確信するとファナも警戒を解く。


 スライムと呼ばれる生物であった。体は球体でシンプルな顔が微妙に可愛らしさを感じさせる。最低限の水分があればどんな環境にも適応し生きられるという性質を持つが、知能は基本的に森の小動物と大差はない。


「アマノハラでも見かけるが、あの大きさであれば、群れでない限りは被害はないな」

「そうなの? それはこっちの世界でも同じなのね。という事は魔物の中では最弱も変わらない?」

「ああ。基本は可愛い見た目通りで襲い掛かって来ても小さい子供にすら勝てないからなそれにスライム特有のプ二プ二した感触は他の魔物ではまねできない最高のさわり心地だ。どうだ? ファナも。癖になるぞ」


 ユメリアはそう言ってスライムの前に座り込むとスライムの頬の部分をプ二プ二した感触を楽しむようにつつく。それに倣う様に恐る恐るファナもスライムをつつく。その感触が気に入ったのかファナもユメリアと同じように黙々とスライムをつつく。スライムは抵抗して噛みつくが、大したことはないのか傷跡すら出来ていない。それを見てファナは微笑む。


「あの……あんまりいじめちゃうとかわいそうですよ」


 未だにスライムのつつくユメリアとファナにそろそろ止めるように言うと少しだけ残念そうな顔をする。


「うむ。そこまでいじめてるつもりはないんだが……」

「スライムをつつくのは初めてだったけどこれはくせになるの分かるわ」


 言われても止めるのは惜しいのかそのまま続けるユメリアとファナ。


「もう。このまま止まってたら、この子が可愛そうです。行きましょう」


 いつまでもいじり続けるファナとユメリアを見て冷静になったのか動き回ることを決意する由愛。その意見にユメリアたちも否はないのかスライムをいじるのを止めて立ち上がった。


「私ももう少し触っていかったけど、ここまでにするわ。じゃあね」


 それに続いてファナも若干名残惜しそうにするが立ち上がるとスライムに手を振る。2人が離れて行くのを見て、スライムは威嚇するのを止めるがその場を動かない。


「お腹でもすいてるのかな? ユメリアさん。お菓子の一部をこのスライムさんにあげてあげてください」

「貴重な食料でもあるのにスライムにやるのは良くないと思うんだが?」

「でも、この子あまり元気なさそうですよ。ユメリアさんたちがつつきすぎるから。ダメですか?」


 由愛が若干悲しそうな顔をすると罪悪感が湧き上がってきたのかユメリアは微妙な顔をする。


「うっ。由愛に言われるとなんでこんなにも罪悪感が沸くんだろうな」

「あれよ。人徳じゃない?」

「スライムは雑食だから与えれば何でも食べるからスナック菓子でもいいか?」


 ユメリアの言葉を拾ったファナがそう答えるとそれで間違いないのかユメリアは納得すると適当に出したスナック菓子の袋を由愛に手渡す。


「ありがとうございます」

「うう。笑顔がまぶしい」


 ユメリアは屈託ない由愛の笑顔が直視できなくなったのか目を逸らす。スナック菓子を受け取った由愛は袋を開けるとスライムの目の前にパーティー開きで開けたスナック菓子を置く。スライムは警戒して由愛とスナック菓子を交互に見る。由愛がうなずくとスライムはその場を動かずにスナック菓子を食べ始める。


「やっぱりお腹すかせてたみたいですね。それじゃあね。今度は人に気を付けるんだよ。……行きましょう」


 由愛は食事中のスライムにそう言って別れを告げる。スナック菓子の横に自分の持ってきた飴を2つほど袋を剥いてスナック菓子の袋の隅に置くと由愛はユメリアたちと歩きはじめる。スライムは由愛が後ろを向く瞬間までじっと由愛の事を見るが、由愛が離れるとスナック菓子を食べることを再開する。ある程度距離を離れると由愛は感じたことをユメリアたちに言った。


「あの」

「どうしたんだ? 由愛?」

「あっちの方で馬皇さんが呼んでる気がするんです」


 由愛が下って行った先の方に指をさす。その様子にユメリアたちも耳を傾けるがそんな声は聞こえない。


「本当か? 全く聞こえないんだが」

「そうね。私にも全く聞こえないわね」

「? こっちだって言ってますよ?」

「少し怪しいが、とりあえず行ってみるとしよう。もし罠であっても我とファナで由愛を助けるぞ」

「そうね」


 由愛はユメリアたちに気にせずふらふらと目的の場所へと歩きはじめる。その様子にユメリアたちは警戒するが他に手がかりがないため着いて行くことにする。


「ユメリアさん。ファナさん。先に行きますよ?」

「今行く」

「今行くわ」


由愛がそう言うとユメリアたちは同時に答えた。

スライムとの戯れ。次回こそはサライラ達と合流します。


いつも読んで下さりありがとうございます。読んで下さったり、ブクマとか評価したりしてくださいますとテンションが上がりますのでこれからもよろしくお願いします。

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