24話
すみません。街には戻れませんでしたが、更新です。
アストリアが仲間に加わった後。アストリアはポケットから懐中時計を取り出して時間を確認すると言った。
「このままだったら遅くなるから私が送っていきましょうか? 私だったら数分あれば入口くらいには行けるわよ。あなたたち多分まだ学生だからこんなに遅くなるの不味いでしょうし」
「意外と詳しいのね?」
アストリアの言葉に真央が驚く。その驚きが嬉しいのかアストリアは胸を張って答える。
「結構長い間人間社会に関わってるからね。それに人間のいる場所に行かないと本なんて集まらないでしょ? 特に魔道書なんて偶然で集まる訳ないのは分かってるでょ?」
「それもそうね。でも私としては魔道書見たかったんだけど」
「それについては今日は諦めてちょうだいな。それに親御さんを心配させるものじゃないわよ」
「分かったわ」
その答えに真央はしょうがないとうなずくと今度は馬皇が言った。
「あー。それはありがたいんだが、俺と真央だけを森の入口に送ってくれないか?」
「それは出来るけどどうして?」
馬皇の意図が全く理解できないアストリアがたずねると何かを理解した真央が答えた。
「そういうこと。集まってるわね」
「ああ」
「……えぇ。こっちも今感知したわ。結構な数が来てる。確かにそのままこの子達を連れて飛ぶのは危険かもね」
アストリアも理解する。自身の結界の境界を越えてきた者たちを今感知したのである。そんなアストリアよりも早くに見つけ出した馬皇たちに呆れた表情をする。
「そう言う訳だ。結構な団体さんが来ているみたいだな。さすがに1人1人はさっき会った奴らよりは強くはないが、数が多い感じだな。薙ぎ払うのにはそこまで苦労しないが、それでも由愛とユメリアを守りながらってなるとさすがに分が悪い」
「そうね。サライラやアストリアは問題ないかもしれないけど、その2人を守りながらとなると少し厳しいわね。それにこの周辺で戦っても拠点を失うだけになりそうででメリットがないから森の入口付近で撃退したいわ」
馬皇の言葉を同意すると真央はそう提案する。それには馬皇も同意なのか真央の言葉に
うなずくとアストリアの方を見た。
「だな。アストリア。頼めるか?」
「そう言う事なら任せて」
「という事は私たちは?」
「ああ。すまんがしばらくここに身を隠してくれ。あいつらを相手したのは俺と真央だからな。真央の方は姿を見られてないとは思うが、敵がどんだけ来るかわからん。だから、派手に俺と真央で暴れて集まってる部隊を潰してる間にサライラと一緒に家に戻れ。いいな?」
「それは……」
由愛は馬皇の言葉に言いよどむ。そう言う事は何度もあったが、今回はいつ再開できるか分からない感じであった。
「それが良いかもね。もう死んでるけど宗次朗はなんだかんだでハンターズギルドのトップ。狙撃した奴がどういう所属なのか分からないけど余計な嫌疑とかかけられそうだし、もしかしたら指名手配されるかもね。もしそうなってたらどうする?」
馬皇の言葉に真央が同意する。その言葉に由愛は何も言うことが出来なくなる。
「それならそれでいいさ。そうでなくても今回の件考えたらWCAとは戦争だな。ついでに未来観測書を回収」
「そっちはついでなのね」
「まぁな。さすがに取られたままというのは不味いからな。最悪、燃やす」
「物騒ね。何が不味いのかは教えてくれるんでしょうね?」
「ちっ。細かい奴め。後で話してやるから、今は由愛たちを無事に送るための囮の事を考えるぞ」
「やっぱり知ってるんじゃない。約束よ」
「ああ」
馬皇と真央の会話に置いてけぼりにされる由愛。由愛が何かを言おうとするとユメリアが先に口を開いた。
「私たちは街に戻ったら何をしたらいいんだ?」
「俺か真央が念話なりで指示を出したときに情報を集めて来てくれ。最近の事件や俺らがどういう扱いの手配なのかとかな。ついでにファナと俺たちの両親にちょっと面倒事が起きたからしばらく雲隠れすることを伝えてくれ。それと言っておくがくれぐれも無茶はするなよ。そんなことしたら俺らがお前たちを隠して帰らせる意味がなくなるからな」
「……これは私たちと一緒だと出来ない事なんですか?」
ここで言い淀んでいた由愛がようやく口を開いた。由愛の問いかけに馬皇は手を優しく由愛の頭に乗せる。
「ああ。これからすることは流石に由愛には見せられない。それに俺たちの日常には由愛は必要不可欠だ。だからこそ今回も大人しくして欲しい」
「馬皇さんは何をするつもりなんですか?」
「それは言えない。だが、悪いようにはならないと思う。それに一段落したら必ず向かえに行く」
「……もう。その言い方はズルいですよ」
馬皇の言葉に由愛は折れる。
「ああ。元でも魔王だからな。ズルいのは当たり前だ」
「早めに終わらせてくださいよ」
「もちろんだ」
由愛がそう言うと馬皇は即答する。
「その後で私たち全員にお菓子を奢ってください」
「おう。報酬は大事だからな。いくらでもというのは無理だが出来る範囲でな」
「それとまーちゃんの姿で1日遊んでくれる権利を」
「それは約束しかねるんだが?」
由愛が報酬の件について追加で言うとさすがに馬皇も嫌なのか別に意味で即答した。
「それなら嫌と言っても着いて行きますよ?」
しかし、由愛も引く気はないのかそう言うと馬皇と少しの間見つめ合う。しばらくすると馬皇の方が先に根を上げる。
「はぁ。いいだろう」
「絶対ですよ」
「男に二言はねぇ」
「それなら指きりです。指切りげんまん嘘ついたら■■■■■■■■■。指切った」
「何を言ったんだ?」
由愛は約束から逃げられない様に指切りを要求すると馬皇も渋々ながらそれに答える。指切りの定番の語句から馬皇は何とも言えない言語のようなものを言った由愛にたずねる。
「はい。もし、約束を違えたら馬皇さんは今後一生まーちゃんになりますって言いました」
「……何……だと」
由愛が清々しいくらいの笑顔でそう言うと由愛の言葉に衝撃を受ける馬皇。
「はい。その。あれです。馬皇さん無茶ばっかりするからそのための切り札です。それに馬皇さんが約束を破らなければ何も問題ありませんよ。約束守ってくれますよね?」
「お、おう。……逞しくなったな」
由愛に言質を取られ笑顔で答えられると妙なことになったと馬皇は困惑しながらもうなずく。とりあえず由愛との約束はそれでいいとして馬皇は話を戻す。
「という訳でサライラは俺らが暴れている隙に由愛たちを連れて街に戻ってくれ。しばらく会えない時があるだろうが由愛の事頼んだぞ」
「分かりましたわ」
「ユメリア。次の学校でいいから鉄先生には簡単に事情を説明しておいてくれ」
「分かった」
「由愛はこの後で俺が事情を説明するための手紙を渡すからそれを鉄先生に届けてくれ」
「分かりました」
サライラたちに指示を出した馬皇は真央を呼ぶ。
「真央。手伝ってくれ」
「分かったわ」
「毎度のことながらそんな即答でいいのか?」
「ええ。必要なことなんでしょ?」
「おう。さすがに何度もちょっかいだされたからな。元凶を潰す」
「いいんじゃない。私とあんたの戦いもまだ決着はついてないし、懸念や邪魔は先に排除するに限るわ」
馬皇がそう言うと真央もそれに同意する。協力的な真央の答えに馬皇も納得するとアストリアを見る。
「おう。助かるぜ。それとアストリア度々ですまないんだが、ペンと紙あるか?」
「あるわよ」
「貸してくれ」
「はい。隣の部屋に机あるから使ってもいいわよ」
「ありがとう。少し書いてくる」
アストリアがそう言うと馬皇は隣の部屋に移動して手紙を書きはじめた。
次回こそは街の前の森の入口戻ります。書いてて少し違和感を感じたので自分でも調べますが、おかしいところ等あれば指摘して下さるとありがたいです。
定期ですが、いつも読んで下さりありがとうございます。読んで下さったり、ブクマとか評価したりしてくださいますとテンションが上がりますのでこれからもよろしくお願いします。




