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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第八章 3年生と留学生と将来と
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16話

15話の呼んでいてい少しおかしい部分を少し修正しました。

 馬皇たちが移動を始めて1時間。途中でバスを経由してから、結界の外へと飛び出してかれこれ40分近く森の中を歩いていた。


 大森林。馬皇たちの街の住民たちはそう呼んでいる。この森の過去は森ではなく普通に街の一部であった場所であるが、去年の事件を経てそれは緑に侵食された。もちろん1年にもかかわらずである。

コンクリートで舗装された道路は木々の根っこ名がむき出しになっており、家屋やビルの一部は木と一体となっていたり家屋の下から木が生えた影響で崩れている物まである。そんなある意味人の手を離れて時間のたった廃墟と化している場所に生き物の気配はあるが異様に静かであった。


「はぁ。はぁ……」

「由愛は大丈夫か?」

「ふへぇ……。大丈夫れす」


 足場の悪い場所を歩き続けて疲労がたまっている様子の由愛を見た馬皇が由愛の様子を見かねてたずねる。大丈夫だと答えるが、悪路に慣れていないことや休みなく歩き続けたせいか由愛は疲れているのか語尾に力がない。


「それは大丈夫とは言わん。真央」

「何? って、分かったわ。この先にちょうど良さ気な場所があるみたいだから先に魔物避けとかは任せて。だから、あんたは由愛を運んできなさい」

「あいよ」

「私一人でもいいけどユメリアは手伝いなさい」

「分かった」


 馬皇が呼びかけると真央は振り返る。振り返った先で由愛が明らかに疲れを見せて倒れそうな姿を見て察した真央はユメリアと一緒に休憩の場所を確保するために先に行く。


「サライラは俺が由愛を運ぶときの警戒だ。頼めるな」

「もちろんですわ。近づく魔物はもちろんのことお父様をたぶらかす悪い女も一切近づけさせませんわ」

「由愛たちはいいのかよ……」

「由愛たちは問題ありませんわ。たまにお菓子くれますし……」


 馬皇がサライラに指示を出す。馬皇から頼られたのが嬉しいのかいつも以上にテンションが高い。サライラのテンションに任せて言った言葉に馬皇は呆れ気味たずねるとサライラは由愛たちは認めているのかそう答える。


「おい?」

「っは‼ 何も貰ってませんわよ」

「別にお菓子貰うのは構わないが夜食べれないとかは言うなよ」

「分かってますわ」

 

 馬皇は自爆したサライラに呆れながらも注意だけはする。それが分かっているからかサライラは力強くうなずく。それを確認してから馬皇は由愛を抱え手から言った。


「サライラがいつもすまんな。ありがとう。それと由愛もこんな倒れる寸前じゃなくてもっと早めに言ってくれ」

「私がしたくてしているので大丈夫ですよ。それとすみません。でも、夜までには街に戻らないと危ないですし。それにまだ歩けますよ?」

「今の状態を見て信じられるか。急ぐのは急ぐが真央の奴がだいぶ時間的に余裕を思てる様に余裕を持てるように魔物を威嚇して通れるところは最短ルートを取ってるからそこまで気にする必要はないぞ。一番駄目なのは必要なときに動けなくなるだからな」

「……うぅ。それなら少し休みます」

「おう。休め。休め。少ししたら起こしてやるから」

「はい」


 馬皇がそう諭すと由愛は自分の今の状況を言われていることを理解すると馬皇の腕の中ですぐに夢の世界へと旅立つ。そこには警戒心の欠片もない。


「由愛はこれでいいとして、サライラも行くぞ」

「はい」


 サライラにそう言うとサライラは馬皇の前に立ってから移動を始める。跳躍を交えたそれは天狗や忍者を彷彿させる。由愛を抱えた状態で起こさない様に馬皇もサライラの後を着いて行くと直ぐに真央の言っていた場所へと着く。


「速かったわね」

「さすがに何かに後つけられているのにのんびりしねぇよ。それよりもお前の方こそ大丈夫なのかよ?」

「もちろんよ。それとさっきのは私が遮音したからいいけど由愛起きるわよ?」

「おっとすまねぇ。それにしても起こさない様に慎重に動いたが、あれでも結構風とか感じるはずなんだが。大物だな」

「そうね。よほど疲れていたのか、結構な頻度で施設から飛び降りたりしてるので慣れたのかは知らないけど由愛は将来大物になるわね」

「ぐっ‼」


 馬皇も慎重に動いたつもりであるが立体的に動くために一定の加速は必要であった。そのにそれなりに浮遊感はある。それでも由愛は起きなかった故に馬皇はそう言ったが、真央が冷静に答えると馬皇もそう思えてきて言葉に詰まる。


「ふふ。冗談よ。それと後を追ってきた連中は人間だったわ。あの速度でも追いつけてなかったから問題ないわ。それにあんたがある程度移動したらあっさり撤退したわ。まるで何かを守ってるみたいね」


 そんな馬皇が面白かったのか真央は少しだけ笑うと直ぐに話を切り替える。真央の話を聞いて馬皇は微妙に面白くなさそうな顔をする。


「きな臭いな」

「そうね。でも、今回の目的はそいつらじゃないわ」

「分かってる。言ってみただけだ。目的の奴も俺らに気が付いたのか住処で待ってるみたいだしな」

「へぇ。そんなのも分かるものなの?」

「大雑把だがな。今回は俺とサライラの気配を察して誘ってみたいだな。荒々しい感じはない」

「という事は相手の竜はけっこう賢い?」


 この森に来てから馬皇は真央が魔法で見つけた竜の位置と全く同じ場所をしばらく見ていた事を思い出して、そんなことをしていたのかと真央は驚く。


「だな。しかも、かなり隠れるのがうまい。力はどれくらいあるかとかもっと近くに寄らないと分からないくらいだしな。それにお前もいる場所に着いては分かるけどそれ以外ははっきりしていないだろ?」

「……もっと情報があれば何とかなるわ」

「逆に言えば、いるって確信しなければ見つけれないって事だろ?」

「うっ。それはそうだけど」


 馬皇がはっきりと言った。その言葉に今度は真央が微妙そうな顔をする。


「だから態々ここまで来たってのはある。それにあの藍色の竜は人間ともそれなりに交流しているんだろうなって思ってる」

「あ。やっぱり?」


 真央も思っていたのか馬皇の言葉に同意を求める。


「ああ。どうにも京子さんの話を見ているとな。サライラのステータス見てからの、あの言葉だぞ?」

「そうね。あれは何かを確信した答え方していたわよねぇ。あれ。それに加えて立ち入り禁止指定しているとかどう考えても最低でも話はつけている可能性はあるわね。敵か味方かどうかは別にして」


 馬皇の言葉に真央も京子の言葉を思い返す。討伐できるものがいないというのであれば確かにそのまま手を出さないようにするというのは確かに間違っていない。普通に考えればこれは問題ない。


 しかし、サライラの能力を知った時の反応はかなりおかしかった。サライラのステータスに驚いたのは不思議ではないがその竜のステータスを知っているようでもあった。皿に加えると馬皇たちがいると確信して探さないと察知できないという時点でこの町の人間が見つけられるとは到底思えない。その事まで考えが至り真央がそう言うと馬皇もうなずいた。


「だな」

「それならなんで他の人間には秘匿するのかしら?」

「余計なちょっかいを出させないためだろうな。どんな生き物にもいい奴わるい奴なんているしな」

「それだった公表しないか? 安全の保障とか変なことしないって言えば戦力になってくれるかもしれんのだぞ?」

「それこそ無理だろ。竜の体の一部だけでも触媒や素材としては破格に代物だ。そんな宝を手に入れるためだったら、小さい虫が群がって生き物を解体するようにいくらでも出てくるぞ? ほら小さいアリが人間の体に群がって噛みつくとか嫌だろ?」

「……それは嫌だなぁ」

「ちょっと‼ 止めてよ‼ 想像しちゃったじゃない‼」


 ユメリアがたずねると馬皇はそう答えた。馬皇の答えを想像してしまったのかサライラと真央が露骨に気分の悪そうな顔をした。真央に至ってはさらに鳥肌が立っている。


「悪いそれで、だ。誘われている以上はいかないという選択肢はないがどうする?」

「そうね。私は行くわ」

「我もだ。ここまで来たのに何もせずになど出来るわけがないだろう」

「そうか。まぁ、危険はなさそうだしな。それにやっこさんも俺らの所に来たみたいだしな」

「うそっ‼」


 馬皇の言葉に真央は驚く。未だに気配は感じないし魔法の探知もとある一点から動いている様子はない。それなのに馬皇の確信しているような言葉信じられずに辺りを見渡した。

しかし、見渡しても誰も居ない。


「って‼ いないじゃない‼」

「お前から見て右側にいるぞ」

「ほぅ。よく分かったな。人なのか竜なのか分からない者よ」


 馬皇が指摘すると馬皇が指をさした方から声が聞こえた。いきなりの声に真央は警戒を引き上げて見るとそこには若い女性がいた。


「嘘でしょ‼ こんなに近くに居ても気が付かないなんて‼」


 真央が驚くのも無理はなかった。結界は魔物避けであるが侵入した者がいたらすぐにわかる。普通であれば人間であっても魔物であってもこの結界内では数や詳細が手に取るようにわかる代物だ。それなのに馬皇が指摘するまで気が付かないとなると、不意打ちし放題な状況なのであるといえばどれだけ危険であるか分かるだろう。


 女性は一目でわかるほど美しい藍色の髪の女性であり不遜な口調ではある。が、同時に穏やかな印象も与えた。大人な女性というのが馬皇たちの第一印象である。

しかし、真央はそれよりも豊かに育った胸元が気になったのかそれを見ると表情を目線を落として見比べてから胸と手の間を開けて空しく空気を揉む。ユメリアは突然現れた女性に驚いて口を金魚のように口を開閉させている。


「人の子よ。気にすることはないわ。もう少し大人になれば大きくなるから」

「ホント? って‼ そうじゃなくて‼ どうしてここにいるのよ‼」


 真央の行動に何かを思ったのか優しく諭す女性。その言葉に真央は前のめりに食いつくがすぐにそうじゃないと女性にたずねる。


「ふむ。待っていたがお前が創りだした結界を見たらいても立っても居られなくなってね‼ 話は途中からだけど聞かせてもらったわ‼ 我が名はアストリア。お前たちが言っていた藍色の竜とは私の事よ」


 藍色の竜:アストリアは大きな声で名乗った。

という訳で噂の竜さん登場。彼女は○○○。次回お楽しみに。


いつも読んで下さりありがとうございます。読んで下さったり、ブクマとか評価したりしてくださいますとテンションが上がりますのでこれからもよろしくお願いします。


それと今更で申し訳ないですがブクマと評価ありがとうございます。嬉しすぎてベッドとかで転がってます。

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