13話
すみません。パソコンが少し調子悪くて遅れました
「先程はありがとうございました」
京子が戻って来てから売り手らしき女の捕縛を終了してから先程の講師の男が他の職員に連れて行かれた後、京子は馬皇たちに改めてお礼を言った。
「気にすることはないぞ……です。俺らはやりたいことをやっただけだからな」
「何鼻の下のばしてるのよ」
馬皇が京子になんてことない事を伝えると真央が睨む。真央の言葉に由愛たちの視線も冷たくなった。
「んなことねぇよ‼ 失礼な奴だな‼」
「まぁいいけど。それで? この後の事はどうするの? 自分のステータスについては少し興味があったけど、さっきの件もあるし解散?」
真央は未だ疑っているのか疑惑の視線のままであるが、話を切り替える。京子にそうたずねると京子は説明を始めた。
「いいえ。真央さんと馬皇さんの分も調べさせていただきます」
「ふぅん。それはこのまま私たちの分もしてくれるってこと?」
「はい。巻き込まれたから対処したというだけでは理由が弱いですし、世間一般で中学生というのはまだ子供です。いくら自分からすると言い出しても大人の事情でいろいろ問題があるのでステータスを見てから危なくないだろうと判断したという事にさせてください。その方がどちらにとっても都合がいいので」
「そういう事。別に構わないわ」
京子の理由に真央が納得すると京子が笑みを浮かべて補足した。
「それにせっかく楽しみにされていたのにまた後日というのはせっかく解決して下さったのに面白くないでしょう?」
「へぇ。それならありがたくお願いするわ」
京子の言葉に真央が納得すると改めて装置を再起動させる京子。そして、先程と同じように真央は測定機の端末を持つ。
「あ。それとどの程度実力があった方が相手は納得しやすい?」
「え? そうですね。サライラさんレベルの潜在能力であれば戦闘が素人でもまず負けないでしょうね」
端末を持ちながら気になった事があったのか真央が質問する。京子は真央の質問に少し戸惑いながら答える。
「そう。ならこの程度かしら?」
「な‼」
京子の答えに真央はそう言いながら調査の結果が印刷されていく。その結果に京子は驚きの声を上げた。
――――――――――――――――――――――――――――――
サナダ マオ
年齢:14
性別:女
ステータス
魔力:\^-;ljk@928^kj,1
力:測定不能
耐久:S
速さ:S
総合:測定不能
異能
・M*!0kぞO#%つ&\u
属性適正:全
――――――――――――――――――――――――――――――
「どういうことですか? これは?」
京子は思わずたずねた。あまりにも異質な真央のステータスに。簡易版の欠点はステータスの幅が広すぎる事である。1つのランクごとに一定の基準があり大きく差はあるが、同じランクでもその差はかなりある。つまり上の方は馬鹿みたいに強くてもが基準にぎりぎり引っかかろうが上限はSランクである。それなのに出てきたランクはSと文字化けと測定不能。属性適正に至っては全という文字。
「すごいわね。これ。大雑把とはいっても結果が出せるなんて」
京子が驚く一方で真央も驚いていた。サライラを測定できる時点でこの機械のスペックに真央は感嘆していたがまさか真央自身も一部とはいえ測定できたのだ。驚かない訳がない。
無言がしばらく続き、驚きで声が出ない2人に対してじれったくなったのか馬皇は真央のステータスを覗き込もうとする。が、再起動したのか真央は慌ててステータスの紙を見られない様に丸めてから抱き込む。
「何見てんのよ?」
「いつまでも固まってるから、もう見てもいいかと思ってな?」
「結果は一緒に見せ合うのが筋でしょ‼」
真央はステータスの紙を馬皇に見えない様に隠しながら真央は怒る。その指摘に馬皇も納得したのかこれ以上は無理に見ようとはせずに京子に言った。
「それもそうだな。という訳で京子さん。よろしく頼む」
「……今度はどんな結果出るんでしょうか?」
真央の提案に馬皇は乗ると京子は一抹の不安を覚える。真央が最後の方に言っていた「私並」という言葉。その言葉だけであれば、見た目だけで女子と同レベルの身体能力で大したことはないようにも見える。ただし、それは真央のステータスを見なかった場合という大前提である。真央のステータスは最低でもS。それ以外は測定不能だったり文字化けを起こしている時点で普通ではない。
それと同程度。という事は京子ですらどんな結果になるのか想像できないレベルである。そんな思考の海に浸っていると京子を呼び戻す声が聞こえた。
「……ーい。……おー…。………おーい。聞いているのか?」
「え? あ。すみません。少し考え事をしていました」
馬皇が目の前で手を振りながら京子に話しかけていた。その事に気が付いた京子は慌てて返事をする。馬皇は京子が気が付いた事を理解すると心ここにあらずと言った様子の京子に言った。
「しっかりしてくれ。まだ終わってないからな」
「そ、そうですね。それでは負毛さん。お願いします」
京子は馬皇に促されながら操作を再開する。設定を終えると馬皇に指示を出した。
「おう」
短く答えてこれまでの真央たちと同じように端末を掴む。しばらくすると印刷機が音を立てて馬皇のステータスを印字していく。やがて全ての印刷が終わると馬皇は素早く自分のステータスを手に取ると確認した。
――――――――――――――――――――――――――――――
オウケ マオウ
年齢:14
性別:男
ステータス
魔力:
力:
耐久:
速さ:
総合:
異能
・¥^/>u@うz&iNkあ
・美少女化
属性適正:全
――――――――――――――――――――――――――――――
「なんじゃ? こりゃ?」
馬皇は頭をかしげた。目的のステータスを確認すると全てが空白であった。異能も例のごとく文字化けしており、属性適正は真央と同じく全と書かれている。まともと言ってもいいのか分からないが唯一まとも(?)なのが美少女化という訳のわからない状態になっている。
「なんで全部空白なのよ?」
「俺が知るか」
馬皇の結果を覗き込んでからそう言うと馬皇はそう吐き捨てる。
「それに。えぇ……。属性がかぶってるとか、最悪」
「まじかよ?」
「これよ」
真央が露骨に嫌そうな顔をして属性適正が被っていると言うと自分のステータスの紙を馬皇に見せる。
「げぇ。まじかよ」
それを見ると確かに馬皇と同じように属性適正の部分が同じように全となっているのを馬皇は確認する。それを見た馬皇は真央と同じように嫌そうな顔をした。
「いえ。どちらも訳が分かりませんよ」
馬皇と真央のやり取りを見ながら2人のステータスを確認して京子は言った。変なバグがあるのではないかと京子も知っている自分のステータスを出力してから印刷すると壊れていないのか自分の良く知るステータスが何も問題なく表示される。
「まーちゃんは異能なんですね」
「属性適正が一緒ってのは少し気になるが、それ以上になんだよ‼ 美少女化って‼ ってかこれ異能扱い‼ 呪いの間違いじゃねぇのか‼ そっちの方が驚くわ‼」
そんな確認を京子が行っている間に馬皇の美少女化という異能について由愛が思いつくものを当てはめて言った。由愛の言葉でそれしか想像できなくなる。馬皇は呪いの類と言っても過言ではないレベルで偶に酷い目(?)にあっているあれである。制御も出来ないし、トリガーは由愛たちで条件を満たせば防ぐことが出来ない。ひとたび発動するとしばらくは元に戻れない。それが異能扱いとして表示されているのはある意味納得できないのは当然であろう。
「そうね。という事はどこかにいる異能者は異能を与えたり制限したりすることが出来るってことだものね」
馬皇のそれに真央はある仮説を立てる。その発言から馬皇はあることを思いついた。
「となると……。このいらない異能も消すことが出来るのでは?」
「あれよ。それは私と由愛が全力を懸けて阻止するわ」
「がんばります」
馬皇の言葉に真央が真剣に言い返す。その後で由愛がやる気満々で阻止することを宣言する。どうにかする方法を見つけてもしばらくはどうしようもない状況になっていそうなのが簡単に想像できる。その無駄な決意表明に馬皇はがっくりと肩を落とした。
という訳でステータス編はここまで。
次回から場面が切り替わって、進路希望についてのお話の予定です。
読んで下さりありがとうございます。ブクマや評価などしてくださるとテンションが上がりますのでよろしくお願いします。




