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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第二章 異世界からの来訪者
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プロローグ その2 真央

 夢を見ていた。私が魔王になる前の幼いころの夢だ。はっきりと夢だと分かる。


「××××。この魔法なんだけどうまくいかないの」


 目をウルウルさせて私は何かを聞いているみたいだった。どうやらあの時から負けず嫌いだったのは変わらない事を思い出す。あの時は魔法が上手くいかなくて悔しくて泣きそうになったのだろう。他人のように見ていると恥ずかしさだけが出てくる。


 魔道書の通りに魔法陣を形成してみるが思った通り発動できない。そのために彼に泣きついた。声をかけられたケ×××は顔を赤くして鼻を押さえた。


「ブハッ‼ ハァハァ」


 男はクネクネし出した。今思うと彼はあの時から変わってなかったことを思い出すとホントどうしようもない男であったなとか思い出しながら××××の事を考えていた。


「ここのところが少しずれています、お嬢様」


 かれはしばらく悶えていると少しだけ平静を取り戻したのかケイ××は優しい笑顔と声で教えてくれた。私はもう一度魔法陣をよく確認してみるとほんの少しだけ魔法陣の位置がずれていたようだった。


「あっ‼ ほんとだ」


 修正した魔法陣でもう一度発動してみる今度は正常に発動したみたいでお気に入りの可愛らしい人形が召喚される。さっきまで抱えていた本の代わりにそれを抱えるとケ×スケは我慢できなくなったのか抱き着いてきて私をなで始めた。


「ハァハァ。お嬢様カワイイよ。ハァハァ」

「ありがと~。大好き~」

「ゴハッ‼ お、お嬢様私も大好きであります」

「ちょっと‼ ケ×スケ‼ 大丈夫‼」

「問題ないであります……」


 私の笑顔の破壊力にクリティカルヒットしたのか胸を押さえてひざを折る。私を巻き込まないように器用に避けている辺りに大事にされている事だけは分かる。晴れやかな笑顔がまぶしいが、何と言うか悟りを開いたみたいに笑顔を張り付けたまま私を見た後、許容量を超えたのかケイスケは動かなくなる。


「×××~‼ ケイスケが倒れたぁ‼」


 慌てて侍従の1人を呼びに私は駆ける。そこで世界は暗転した。





「はっ‼」


 真央は目を覚ます。あまりにもはっきりした夢の出来事を思い出しあのころの自分の微笑ましさやら行動に対する羞恥心やらでベッドの上で悶える。


「うあぁぁぁあああぁぁぁ‼」


 夢の出来事から前世のことを思い出してみるが視線がたまにいやらしかったことも含めて変態だった事とそんなのでも真央が慕っていた事を思い出していた。変態だったその印象しか残っていないのもどうかと思うがそれは自業自得である。その後も主従として過ごしていた期間が長いために特にその印象が強い。確か異世界から来たと言っていた気がするが真央は今はいいやとそれた思考を戻す。


 しかし、魔法に関していえば天才だった。そう言うこともあって私の側近(げぼく)だったのだが。


「なんで、あの変態の夢を見るのよ。それだったら馬皇の夢の方がまだましよ」


 馬皇の夢。どんなのか思ってみると顔が赤くなった。もちろんどちらも夢で見るのは嫌ではあるが、まだ(ライバル)であるあいつの方がマシであった。


 そんな考えに至った頭を左右に大きく振ってその考えを消し去る。そして、冷静になると言い直した。


「いや。よく考えるとどっちもなしね。それだったら夢を見ない方がいいわね、絶対」


 ひとり呟きなおしてから溜息をついた。窓から光が差し込んでいるのを見て慌てたように時計を見る。どうやら急いで準備をして出ないと遅刻してしまいそうな時間であった。。


「やばっ‼ 急がないと」


 真央はいつものように学校に行く準備を始めた。準備を終えると家を後にする。今日はあいつとの戦いの日だ。あいつと出会って二か月目に入る。現在の戦績は16戦7勝7敗2分。勝敗は五分だ。


 今日こそは勝ちこしてやるんだからと決意して私は中学へ向かった。この時の私はまさかあんなことが起こるなんてこの時は思いもしなかった。

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