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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第七章 異世界召喚騒動
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28話

前後編で章を分けるか考えましたがそのまま行きます。

 洋介たちが目覚めてから2日。国からの招集を受けて今回の騒動の原因を排除した馬皇、サライラ、洋介、小太郎に幸太郎の5人は現在王城の中にいた。


「こっちです」

「これで2度目なんだが、やっぱこの雰囲気は慣れねぇな」

「そうか? 俺としてはこいつがまた何かやらかしそうで怖いんだが」

「失礼な。ただ、混乱して出会いがしらにこの国のお姫様に告白しただけだろうが」

「それが一番怖いんだよ」


 城の前からあらかじめ決められた騎士の1人がが王と王女のいる場所へと案内する。洋介が緊張した面持ちで騎士の後ろを着いて行きながらそう言うと幸太郎が小太郎を見た。小太郎は幸太郎の言葉にしれっとした様子で召喚された直後の事を思い出して答える。そんな出来事に馬皇も気になったのかたずねた。


「そんなことがあったのか?」

「ああ。召喚された直後はほぼ全員パニック状態でな。ただ、小太郎が目の前にいた少女。ってか、この国の王女様に大声で「へい‼ そこの彼女‼ 結婚を前提に付き合ってください」って告った。その後すぐに王女様は微笑んでからビンタを貰った。あまりにも勢いよく小太郎がぶっ飛んで行ったというあまりの急展開に一周回って全員が冷静になったのが小太郎の最初のやらかしだ」

「その後、騎士っぽい連中が集まってきて剣を向けられた時はビビった」


 小太郎がそう言うとそのことを知っているのか先頭を歩いている騎士はそのことを思い出して苦笑していた。いつもの調子な小太郎に幸太郎はため息を吐く。


「はぁ。向けられて当たり前だろう。彼女は国のトップ。お前はどこの馬の骨か分からない存在。そんな相手にあんなことすればブチ切れるわ。あの後、俺と洋介が必死に説得して小太郎なりにこの場にいる全員が突然見たことない場所に呼び出されたことに混乱していたことを説明したら無事に解放されたんだからもう少し落ち着け」

「すげぇだろ。他にもエロ談義で冒険者仲間とバカしたり、リア充撲滅の会立ち上げてみたり、強い魔物を仲良くなった冒険者たちと嵌めて討伐したり短い期間にいろいろしたんだぜ?」

「はぁ。褒めてねぇよ。他にも冒険者女性に告白しまくってすべて玉砕。冒険者仲間の男たちから勇者呼びされたり、黒いローブで顔隠してカップルの邪魔をしに行って迷惑かけたりと憲兵さんにもお世話になった大バカだけどな」

「お前やらかしすぎだろ」


 小太郎の武勇伝(?)を聞いて馬皇は呆れた様子で小太郎を見る。小太郎はというとどこを吹く風と言った様子で自慢する。


「はっはっはぁ。もっと褒めるがいい。この半年間で作りだした数々の伝説が俺を強くした」

「ああ。ある意味すげぇよ。お前」

「褒めてねぇだろ。どう考えても。サライラさんはどう思う」

「え? 私? どうでもいいわ。それよりもお父……馬皇さんよ」


 馬皇が率直な感想に小太郎は喜び、幸太郎は反省していない様子に頭を抱える。そんな様子の幸太郎とは裏腹にフリーダムな小太郎は気になっていた事を馬皇にたずねた。


「てか、さっきからずっと思ってたんだが、馬皇。サライラさんはさっきからお前の背中にひっつきぱなしなんだが放っておいていいのか? 羨ましいんだが」

「そうか? それなりに暑いのとそろそろその件の王女様と対面だから降りて欲しいんだが」

「や」

「ぜひ俺の背中を使ってください‼」

「い‼ や‼」


 馬皇がそう言うとサライラは短くそう答えると馬皇に剥がされないように抱き着く力を強くする。同時に小太郎が背中を向けていつでもウェルカムと言った様子で待ち構える。その背中を馬皇の背中から覗き込んでからどう見ても嫌ですというオーラを纏いながらはっきりとした言葉で拒否する。


 その言葉に小太郎は無言のまま崩れ落ちた。サライラは気にしていない様子で馬皇に抱き着いたまま馬皇の背中を堪能している。そんな様子の小太郎とサライラに幸太郎はよく分からないといった感じで不思議そうに見つめる。


「何やってんだ? こいつら」

「じゃれ合いだろ?」


 馬皇が短く答えると「それもそうか」と幸太郎も納得する。


「おい。ただでさえこういう場は緊張するのに俺ばっかり先に行かせないで着いて来てくれよ。案内の騎士さんも困ってたぞ」

「そうですね。お話すのは構いませんが急にいなくなられると案内する立場上困るのでちゃんと着いて来てください」


 いつの間にそれなりに進んでいた洋介が案内の騎士と共に馬皇たちが進んでいない事に気が付いて戻って来る。


「悪い」

「悪かった」

「すまん」

「いえ。分かって下さるなら問題ないです」


 素直に謝ると騎士は謝罪を受け入れる。そんな様子を馬皇の背中から黙ってみるサライラ。そんなこんなで騎士は案内を再開すると馬皇たちも着いて行く。しばらく歩くと豪華な総省のされた大きな扉の前に立つ。


「そう言えば洋介たちは召喚した関係上知っているだろうから除くけど俺とサライラはここまで招き入れてよかったのか?」


 馬皇はふと気が付いたのか今までスルーしていたことを岸にたずねる。


「大丈夫だ。姫様が今回の功労者たちと話がしたいとおっしゃられたのが事の発端だしそう言う話が大好きな方だからな。護衛もしっかりいるし私も同席する。それに姫様自身弱くないぞ。むしろ強いお方だ」

「へぇ。そんなに強いのか?」

「ああ。この国の上から数えた方が早いレベルでな。まぁ、誰彼構わず強そうな相手であれば戦いを挑むのは勘弁して欲しいと願っているのがこの国に努めている騎士と王なんだがな」

「そうか。苦労してんだな」

「分かってくれるか。だから、勝負を仕掛けられてもなるべく受けないでくれよ」

「分かった」

「ああ。過去に何度か城の中で始められた事があってだな。戦いをするごとに城の壊れる規模が大きくなるんだ。最近だと半壊した」

「何やらやらかしたんだよ?」

「それについては黙秘させてくれ。おかげで城の修復の作業を覚えてしまったな。俺ら騎士なんだけどな」


 悲壮感の満ちた騎士の言葉に馬皇は何とも言えない表情になる。この扉の奥にいるであろう王女の印象は小太郎の話の印象と騎士の話からかなり好戦的で好奇心旺盛なさまが見て取れる。そして、かなり破天荒であるという事も。


「姫とか王女って存在はどいつもやんちゃなのか?」

「どうかしたか?」

「いや。なんでもない」


 馬皇はサライラを見てアマノハラのユメリアを思い出してから、この国のまだ見ていない王女を想像して呟く。その呟きを聞いていたのか洋介が不思議そうに尋ねると馬皇は頭を横に振って想像を振り切る。


「それならいいが。なら開けるぞ」

「おう」


 そう言って案内の騎士が扉を開けて部屋に足を踏み入れると中には一人の少女がいた。身長は馬皇よりも二回りほど小さい。真央と同じくらいである。そこから年齢は同じくらいだと馬皇は見た目から判断する。この国のお姫様だと分かるようなドレスを着た全体的にスレンダーな美少女部屋に入ってきた者たちを歓迎するように微笑む。そして、最後に入ってきた馬皇を見るなり驚きの表情を見せて言った。


「ゆ、勇者様‼」

「「「「勇者様ぁぁぁ‼」」」」

「あー。人違いです」


 王女の言葉に洋介たちが驚き、馬皇はその言葉を即座に否定した。

ここで最初の方の設定回収。それと14話の話が少し矛盾しそうだったので修正しました。

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