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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第七章 異世界召喚騒動
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27話

「知ってる天井だ」

「起きましたか? 馬皇さ~ん。田中君が起きましたよ‼」

「い、いたのか?」


 洋介が目覚めた場所は洋介たちが拠点にしている屋敷の治療室であった。洋介がそう言うと由愛が返事をする。聞かれていたのが気恥ずかしいのか洋介は由愛から目を逸らす。由愛は気にしてないのかそのまま馬皇を呼ぶ。


 辺りを見回すと幸太郎はまだ眠っておりその横には幸太郎の恋人であるアーシャが同じように眠っていた。その傍らで小太郎の姿はない。近くに居たのか馬皇は由愛の呼ぶ声に反応して出てくると由愛の隣に座った。


「起きたか。気分はどうだ?」

「ああ。問題ない。運んでくれたのか?」

「当たり前だろ。サライラと一緒に途中まで運んで、その後に鉄先生がここまで運んでくれたんだ。後で礼を言っとけよ」

「そうか。サンキューな」


 洋介がたずねると馬皇が即答する。それに対して洋介は素直に礼を言うと馬皇は少し照れた様子で頬を掻いた。


「気にすんな。一応小太郎から先に話を聞いているがあの時何があったんだ?」

「俺らの世界の人間がこの世界に魔物を送り込んでた」

「やっぱりか」

「馬皇は何か知ってんのか?」

「ああ。全身鎧のようなスーツを身に……じゃ分かり辛いか。今回の黒幕の1人の男から聞いた話だがな」

「それは信じていいのか?」

「ご丁寧に名刺まで渡してくるような奴らだぞ? っと。これだ」


 そう言って馬皇はポケットから天狩の名刺を取り出して洋介に渡す。敵に対して名刺を渡すという行為をする相手に洋介は困惑するがあの時も普通に会話が成り立っていたためにそう言うこともあるかとスルーして馬皇にたずねる。


「そうだ。確かガイザックって奴が言ってたのもこの企業だ。ってか、よくよく思い返してみると大企業じゃねえか‼」

「だな。それでこの企業WCAなんだが過去にいろいろ非合法な実験に加えて異世界を観測していた組織だ」

「そのいろいろの部分が気になるんだが?」

「それについては俺らも関わってる部分があるけど鉄先生の方が詳しいから後で直接聞いてくれ。話はつけとく」

「分かった」


 馬皇の説明になっていないような解説にとりあえず洋介はうなずく。その後、馬皇は何かを言おうと口を開くがすぐに口を閉じる。それを何度か繰り返すと馬皇は言った。


「それでだな。あー。何か忘れてんだよな。大切なことだったんだが……。それと何を言おうとしたんだっけな?」

「おいおい。忘れんなよ。ってか俺はどれくらい寝てた?」


 馬皇が何を言おうとしていたのか忘れてそう言うと洋介は呆れた様子で馬皇を見る。本気で思い出せないのか馬皇は眉間にしわを寄せる。


「馬皇さんが別れた後に田中君たちに何があったのか聞いてたんじゃないんですか?」

「おお。そうだっけか。由愛。ありがとう」

「ふふ。馬皇さんも忘れないでくださいよ」


 馬皇を補足するように何の話をしていたのか由愛が言うと馬皇はまだ何か引っかかったような顔をするが、とりあえず聞くべき話題を思い出して由愛に感謝した。そんな馬皇に由愛は苦笑いする。2人だけの妙な空間を作りだした馬皇と由愛の様子に洋介はげんなりとする。


「そういえば俺はどれくらい眠ってたんだ?」

ふと、今が何時なのか気になったのか馬皇にたずねる。馬皇は指を4本立てた。

「4時間か?」

「4日だ」

「4日‼」

「街の修復についてはあの後、委員長たちは避難の時に壊れた街の修復に参加してたな。鉄先生と親部さんは街の外壁の修復に参加してた。俺や一部のクラスの奴らも鉄先生たちの作業の手伝いに参加してたけど1日でいつの間にかトップに立ってた。その上、残りの空いた時間で俺の修行もしてくれてる。そんな中で2日だ。それで全部してる完了してる辺り半端ねぇよな」

「速すぎねえか。それ。ってか、ありえねぇ。俺らも外壁の修復の依頼を受けたことあるけど冒険者総出で1日かけて4分の1終わるかどうかだぞ」


 街の中には被害が出なかったとは言っても街を守るための外壁はそうではない。壁の頂上にいた冒険者たちを狙って攻撃していた魔物たちや空を飛ぶタイプの魔物が近づいてくる勢いをそのままに冒険者たちにやられて壁に激突した魔物がいるために無傷という訳にはいかなかった。


 壊されたという訳ではないため補修と補強で済むのだがそれでも魔物を入れないための外壁であるため高さもあるし修理しようと思ったらそれなりに時間はかかるのは当然であろう。間違っても3日でそれも徹夜したり休憩なしでという事をしないで終わらせるというのは不可能であるといえる。


「あ~。まぁ、鉄先生たちが張り切ってたからな」

「そんなんでどうにかなるもんなのか? それは?」

「鉄先生たちだからな」

「……なんかこれ以上聞くと余計訳わかんなくなりそうだから話を戻すぞ」

「おお。そうだ。そうだ。それで何があったんだ」


 鉄たちの非常識なレベルの行動に少しだけ耐性が出来ているのか馬皇がそう言うとそれ以上聞くのは色々と危険と判断したのか洋介は話を戻した。


「あの後、魔物を操っていた女と出会って小太郎たちとうまく連携して捕まえたんだが話を聞きだす前に女の仲間に奇襲を受けて逃げられた」

「そこに関してはすまん。俺とサライラも途中で逃げられた。だから、洋介の所で合流したんだと思う」

「なら、今回は運がなかっただけか。ちなみに俺らが他の奴らと戦ってた場合どうなってた?」

 洋介は馬皇に聞くと洋介の様子に馬皇も真剣な様子で質問に答える前にたずねる。

「それは純粋な勝負での話か?」

「ああ。3対1でだ」

「正直に言えば厳しいな。勝つことはできるだろうけど、3人の内の誰かが命を落とすか良くて重体だろうな」

「……ちなみに鉄先生の訓練って俺らも受けられるか?」

「言えば受けてくれるだろ。あの先生は」

「そうか」


 馬皇が即答すると洋介はうなずいた。そこからしばらく沈黙が続くと馬皇が忘れていたことを思い出したのかその沈黙を破った。


「あ」

「なんだ? 忘れてたことでも思い出したのか?」

「ああ」

「何を忘れてたんだ?」

「真央の奴から念話で連絡があって帰る準備が整ったそうだ。それとこの国のお前らを呼んだお姫様に今回の事で呼び出しを受けてるから会いに行けって委員長が言ってたぞ」

「それは真っ先に思い出して言うべきことだろうが‼」


 すっかり忘れていた馬皇が思い出したとばかりに納得した顔で1人でしきりにうなずいた。そんな馬皇に今日一番の大声で洋介はツッコんだ。

読んで下さりありがとうございます。

今章はとりあえずお姫様との謁見と異世界からの帰還までを今の所は想定しています。それに+αが付くかはまだ未定。

これからもよろしくお願いします。

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