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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第七章 異世界召喚騒動
208/327

23話

すみません。少し遅れましたが更新です。

『うおぁぁぁ‼』


 洋介は魔物たちの群れに突っ込んだ。洋介が魔物たちを食いちぎり爪をたてて命を奪って行く。それでも魔物たちは無視して歩き続ける。


(分からんの。それと小太郎たちはうまく隠れているようじゃ)

『だな』


 怪我をしている魔物たちも構わずに歩を進めている姿を見ながら怪しい行動をしている相手を探すが、怪しい敵は見つからない。とりあえず洋介は前足を薙ぎ払う形で魔物を消し飛ばしていく。


(洋介。魔物たちの様子が)

『やっぱりか』


 リルが魔物たちに敵意が生まれているのに気が付くと洋介も今までとは違う魔物たちの視線にうなずく。魔物を薙ぎ払っていくと魔物たちの様子が変化し始める。怪我すら無視して街に一直線だった魔物の群れの一部が洋介を睨みつける。列をなしている魔物たちは変わらないがそれと別れた魔物たちの群れが洋介を囲む。


『任せたっ‼』

(了解なのじゃ。こきゅーとす)


 洋介の包囲を完了すると魔物たちは同時に一斉に飛びかかる。洋介が遠吠えを上げると飛びかかった魔物たちは洋介を中心に氷漬けになる。そして、凍った魔物たちが地面に落ちるとバラバラに崩れ落ちる。飛びかかった魔物たちが全て氷漬けになったことによって後に続こうとしていた魔物たちの足が止まる。 


『リル。他に変化は?』

(なし、じゃ。洋介‼ 上じゃ‼)


 洋介の反撃に襲い掛かってきた魔物たち全員が動きを止めたのを見て違和感の覚える動きをするものはなかった。リルの突然の声に反射的に洋介が動くと洋介のいた位置に何かが突き刺さる。


『岩? げっ‼』


 今の洋介の半分くらいの大きさの岩が降ってきて洋介が遠くを見ると魔物が大量の岩を持って今にも投げ出そうとしているのを発見する。


 そして、魔物たちが同時に岩を洋介たちに向かって投げた。投げ出された無数の岩の塊が敵味方関係なく降ってきたのが見えて声を出す。慌てて避けようとするが上の岩すら無視しているのか一部の魔物たちが逃げ場をふさいで邪魔するように飛びかかってくる。


『なめんなっ‼』


 洋介はそう吠えると邪魔してくる魔物たちを蹴散らしながら頭上から降ってくる岩をかわしていく。数えきれないほどの岩をかわした先でさらに魔物を蹴散らす。それを繰り返していくうちに岩と魔物の山が詰みあがっていく。


『よし‼ 行ける‼』

(洋介‼ 下‼)


 やがて近くに居る魔物たちを一通り蹴散らしたのか洋介の周りには見るからに魔物は少なくなっており魔物の数が減っていくのを実感した瞬間、倒した魔物たちの下から死体のはずのモンスターが洋介を掴むんだ。


『うお‼ 放せ‼ グガッ‼』


 1体が掴むと連鎖するようにもう1体が別の足を掴む。うっとおしそうに洋介が足元の魔物たちに抵抗するとさらにもう1体が魔物が掴んでいる方の洋介の足にしがみ付く。そうして魔物たちがしがみ付くと今度は上から投げられた岩が洋介に直撃する。


(ぐっ‼ 洋介‼)

『大丈夫だ‼』

(当たり前じゃ。我らの耐久力舐めるでない)


 岩の衝撃に洋介の意識が飛びかける。連続で受ける衝撃とリルの掛け声に洋介は意識を取り戻して敵を見て再度躱すために動く。それでもそれらしき影が見えない。


(くそ‼ 相手が多すぎるのじゃ)

『相手をあぶりだす方法を思いついた』

(……行けるとは思うがりすきーじゃぞ?)

『分かってる。だけど、他の所も気になるしこれが時間かからない。一緒に来てくれるか?』

(……いいじゃろう)


 相手の攻撃をかわしながら洋介がそう言うとリルが洋介のイメージをくみ取ってリルがたずねると洋介が即答する。それにリルがうなずく。それを見て洋介は気合を入れるために吠えた。


(これが最初じゃ)


 洋介は頭上の岩を躱しながら魔物に襲い掛かる。地面からの不意打ちを警戒してリルが地面を凍らせさらに魔物を囲うように氷を発生さえる。その間に地上にいる魔物を薙ぎ払っては躱しを繰り返すがそれでも上空に投げられた一発岩を喰らう。


『まだ‼』


 不意に飛んで来た岩を堪えて洋介は魔物を減らす。未だに投げ続けられる岩を躱していくが先程よりも余裕がない。


『まだ‼』


 さらに魔物を減らす。投げられる岩が掠っていく。


『今‼』

(ここじゃ)


 近くに居る魔物は全滅する。それと同時に洋介が合図すると囲っていた氷を解除。視界の邪魔をしていた氷が砕ける、洋介を除く魔物が全滅しているのを見て岩を投げていた魔物たちの手が止まる。その隙を見て洋介が駆けだす。


(来るぞ‼)

『分かってる‼ ここが肝心だ。気合入れろ‼』


 それでも手が止まるのは少しの間だけですぐに復活して今度はまっすぐに洋介に向かって岩を投げてくる。それらを躱して魔物の群れを突っ切っていく。


 岩を投げていた魔物たちに攻撃が届く範囲に近付くと魔物たちは岩を投げるのを止めて襲い掛かろうと威嚇をはじめる。


『ここだ‼』


 洋介は考えていたことを実行した。相手が威嚇するのを見て洋介はここで魔物たちの前で大きくジャンプした。そのまま襲い掛かってくると思っていたのか魔物たちは呆然としてその場を動けない。


 敵を無視して飛び越えた洋介はそのまま魔物を生み出していた扉を前足の爪で切り裂いた。


「うそ‼ ……しまった‼」

『そこか‼ いない‼』

(見つけたのじゃ‼ 扉の右5mじゃ)


 魔物の群れを無視された上に扉を壊されここで初めて動揺する声が聞こえた。その声の先を見ると姿は見えない。しかし、洋介の中にいるリルが相手を捉えたのか場所を指示する。


「きゃ」


 リルの指示に従って洋介がその位置に体当たりをしに行くと何かにぶつかった。状況とは裏腹な高い声。洋介に飛ばされた相手は姿を現す。姿を現した相手は空中で姿勢を整えて綺麗に着地する。


「いった~い。それに何てことするのよ‼」


 見るとそこには洋介たちと同年代くらいの少女が立っていた。髪は2つのリボンで左右に纏められ何かのスイッチの付いた装置を手に持っている。体のラインが見えるタイツの上に袖の余った白衣らしきものを羽織っている。


 そんな少女が怒りの感情をあらわにしながら洋介に怒鳴る。


 しかし、その場にいるには何と言うかミスマッチな感じの少女に洋介が戸惑った様子でたずねる。


『お前こそ何してんだ?』

「そんなの教えるわけないでしょ‼ って‼ 狼さんが喋った‼ 面白いわね‼ 私のお人形ちゃん41号‼ こいつを捕まえて研究するわよ‼ ついでに魔物たちもさっさと来なさい‼」


 手に持った装置のスイッチをいくつか押すと地面から3mぐらいの凹凸の少ない人型のロボットが1機姿を現す。その後ろからは先程まで動きを止めていた魔物たちが洋介をの逃げ場を奪う。


(囲まれてるのじゃ)

『だが、俺たちの勝ちだ‼』


 洋介がそう言うと一本の矢が洋介の後ろからきた。少女に矢がかする。


「危なっ‼ でも残念だったわね。私は死んでないわ‼ はれ?」


 矢を躱して少女は自慢気に胸を張る。


 しかし、すぐに少女は倒れた。


「ま、ひ、毒‼」


 痺れのせいでうまく口が動かないのか少女は驚愕する。抵抗するが動くことが出来ずにもがくだけである。洋介は人型に戻ると少女を拘束する。


 さらに少女が倒れたことによって魔物たちの動きが止まる。それは街に向かっていた途中までの魔物たちも含めてであった。それを確認した洋介は辺りの魔物たちを素早く駆逐すると少女を縛り装置を破壊しに戻って来る。


「洋介。ナイス‼」

「ふぅ。小太郎がばれてなくて助かった」

「小太郎こそ‼ 良い腕してるぜ‼」


 遅れて小太郎と幸太郎が出てきて洋介にハイタッチした。

次回は馬皇視点に戻ります。

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