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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第七章 異世界召喚騒動
193/327

8話

少し訂正しました

「いや。なんでだよ。訳分かんねぇよ」


 田中洋介たちは困惑していた。


 リーングランデに召喚されてからはや半年を過ぎて2か月程度。最初は戸惑う中で帰還できないという話に怒りや不満が爆発したが国の説得と魔王を倒した後に帰還の方法を探るという約束を取り付け見事馬皇たちのクラスは国の言う魔王の側近を打ち倒した後の時の事だった。


 元の世界に帰る手段はないと最初に言われたが、おとぎ話である過去の勇者が元の世界に戻ったという話から魔王マオの情報を集めていた。情報を得るためにギルドに所属しての話によると死んだはずの過去の魔王マオの側近であったケイスケ・シンシにそっくりの人物が最近いたるところで魔道具を買い集めるなどの不穏な行動を見かけたという情報を得て泉の塔へと直行したのである。


 泉の塔の中へは親友であり仲間であるいつものメンバーに加えて由愛の女友達である斉藤(さいとう)亜紀(あき)遠藤(えんどう)珠子(たまこ)を加えた5人でダンジョンへと足を踏み入れたのである。そんなこんなで3日間掛けて最初の迷宮を超えてかつて四天王が過去に待ち構えていたという第1の間に入ると景色は大きく変わり外と変わらない荒野が広がっていた。


「鉄先生ぇぇぇ‼」

「馬皇ぉぉぉ‼」


 そして入った瞬間、その広がった荒野で馬皇と鉄が戦闘をを繰り広げていた。お互いに近距離で拳の応酬。拳と拳がぶつかり合いどちらも吹き飛ばされ立ち上がってにらみ合う。そして、また拳と拳がぶつかりその衝撃で空気が揺れる。


「なんでだよ‼」


 洋介はもう一度同じことを叫んだ。帰還の方法を探すためにここに来た。来たのだが目の前にはあの時一緒に居たはずの馬皇といなかった鉄が荒野で戦闘を繰り広げていたのである。それも前に倒した魔王との戦いがかわいく見えるくらいの拳の応酬。訳の分からなさに洋介の他のメンバーたちも困惑しきりである。


「あん。もしかしてあいつの学校の生徒たちか? ってあのボウズか」


 いきなり横から声が聞こえた。洋介たちは武器を構えて声の聞こえる方を見るとこの世界に似つかわしくない工事現場のつなぎ姿の安全ヘルメットをかぶってツルハシを肩に乗せたおっさんだった。そして、洋介には見覚えがあった。


「あの時のおっさん?」

「洋介。知ってるのか?」

「ああ。って言っても少しだけ話したことがある程度だ」


 洋介の言葉に少しだけ警戒が解けるがまだ完全に信用にするには至っていないのか武器だけは下げない洋介たちパーティー。


「おう。そこまで警戒しなくても大丈夫だぞ。俺は親部。お前たちを捜索に来た面子の1人だ。親方って呼んでくれればいい」


 親部はツルハシを地面に刺すと相手を害さないためのアピールで両手を上げる。


「いきなりそんなこと言われても信用できない。前にクラスメイトに化けた魔物に襲われたからな」


 過去の経験で警戒を緩めない洋介たち。それに対して親部は困ったという風な顔をして頭を掻く。


「あ~。そりゃそうだな。でも今は戦う気がないからもう少しゆるめて構わんよ。もう少ししたらあいつらが戦いを終えるから。話を聞いてからでも遅くはないだろ」


 洋介は警戒しながらも後ろの仲間たちに視線を向ける。他のメンバーも全員がうなずく。


「わかった。でも、仲間に変な事したら許さないからな」

「おう。分かってる。それとそろそろ帰ってくるかな」


 親部がそう言うと崖らしき場所から親部の所に翼を広げてサライラが戻ってきた。


「もう。お父様も鉄先生も強すぎですわ。って、由愛と一緒に居る?」

「え?」

「なんで? サライラさんが? って‼ 羽?」


 サライラは斉藤と遠藤を見ると由愛とよく話している人物たちを見てそう呟く。サライラの登場に更に困惑を深める5人。


「おう。戻ってきたか。でどうだった?」

「私の攻撃を全部正面から受け切ってから殴り飛ばされるとか本当に人間ですの? 鉄先生」

「あぁ。人間だ。最近さらに人間離れして来てるのは知ってるが生物学上は人間だぞ」


 サライラの反応に親部は苦笑する。


「それであなたたちは何でここに?」


 それはそうとで思い出してサライラが洋介たちに話しかける。


「それはこっちのセリフだ。なんでここに」

「捜索兼修行ですわ」

「それなら今ここに来ているのは?」

「今ここに居るのを覗いては真央と由愛が来てますわ」

「あいつも来てるのかよ。ってか、馬皇は本物なのか? リル」

(本物じゃよ。あれを見間違うのはさすがにないの。今でもびりびりくるのじゃ。洋介)


 フェンリルが洋介に答える。それなりに仲良くなっているのが会話の内容から見てとれる。


 それと時を同じくして馬皇と鉄の戦いも最高潮に達してきたのか互いに馬皇は人間状態のままブレスを鉄は拳を光らせて最高の技を決めるための力を溜め込む。チャージ自体は直ぐに済むがどのタイミングでそれを放つかにらみ合う。


「まじかよ」

(まじじゃ。それもとも我を疑うのか?)


「いいや。お前のおかげであの時の擬態見破ってくれたおかげだから信じてるさ」

(う、む。そうであろう。そうであろう)


 フェンリルは洋介の信頼に嬉しそうに答える。


「また、中のフェンリルちゃんと話てんのか?」

「おう。あいつが言うにはあいつら全員本物だとよ」

「まじか。それなら帰る手段が」

「ようやく帰れんのか」

「本当」

「やっとね」


 洋介の言葉に角松小太郎が嬉しそうに答える。それが伝播して全員の顔がほころぶ。そして、構えた武器をようやく降ろす。


「おう。任せてくれ。ただ、すぐには少し無理だ。出来れば帰れる奴全員集めて纏めて送りたい。だから、こちらでの話と他に召喚された者たちの行方について教えてくれ」

「分かった」


 洋介たちは親部の言葉にうなずく。


「おう。助かるぜ」


 親部が嬉しそうに洋介の肩を叩く。それに洋介は苦笑しながらも親部の気安さが嬉しいのかなすがままだった。


「うおっ‼」

「きゃっ‼」

「うわっ‼」

「なんなの‼ この揺れ‼」

「なんだなんだ‼」


 そんな少し空気が緩んだ瞬間に洋介たちは大きな揺れに見舞われる。しばらく揺れが続いてからしだいに揺れが収まり立ち上がると目の前の光景に呆然とする。


「 」

「もし戦ってたら……」

「うちのクラスメイトと先生だよな? 何なのあれ」

「まじかよ……」

「ははは。ほんと規格外だよな」


 洋介たちを含む観戦側の目の前には深いクレーターが出来ていた。すさまじい熱量なのかクレーターの表面は融けており蒸気が上がっている。前の巨人との戦いで馬皇と鉄が戦っている姿を見ている洋介も乾いた笑いしか出てこない。


 そして、それを作り出した張本人たちは力を使い果たしたのか息を上げながら膝をついていた。そして、馬皇が仰向けに倒れた。


「はぁはぁ。いったん終了だ。今のは中々だったぞ。後は攻撃の間に隙が多いからそれを減らさないとな」

「……ありがとうございました。またよろしくお願いします。先生こそあれと拮抗するとかどんな技っすか? 」


 お互いに息を整えると立ち上がって馬皇の所でジャンプする。そして、手を差し出して起こす。起こすと今の戦いの事を鉄は総評する。


「あれは最近トレーニング中に未知のエネルギーみたいなのが体の中に有るのを見つけてな。それを使うと今までよりも動きが良くなるんだ。それを威力重視で拳に集めて殴るだけだ」

「……この人自力で気まで使い始めちゃったよ」


 馬皇は鉄の使った力に見当をつけてその扱いに呆れる。


「何か気になる事でもあったのか?」

「その力は気って奴です。詳しいことは真央の奴に聞いてください。俺は詳しくは知らないんで。知ってる範囲だとどんな人間にも存在する力だそうですけど引き出せるのは本当に体を鍛え抜いた者にしか使う事の出来ない代物だそうです。ただ、使いすぎると極度の疲労で倒れるんで使うときは気を付けてください」

「そうか。そんな力だったのか。通りでいつもより消耗が激しかったわけだ」


 そう言っている内に馬皇も回復したのか起き上がると洋介たちと目が合う。


「あ」

「どうやら事態は動くみたいだな。とりあえず戻るぞ」

「はい」


 戦いで先程まで気付いていなかった馬皇たちは洋介たちを見つけると親部達の元へと歩き出した。

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