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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第七章 異世界召喚騒動
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5話

 その後、鉄と話を詰めて予定を立てて一度帰宅する。そこから時間が経って早朝。連絡網でしばらくの間学校が休みになる事を聞いてから駅前で待ち合わせをしていた。


「到着っと。俺たちが一番のりか」

「そうですわね」


 午前8時過ぎ。駅前の雑踏の中で馬皇が呟く。その後ろでサライラが同意する。


「あら。早いのね」

「おはようございます。真央」

「おう。真央か。おはよう」

「サライラはおはよう。それとついでに馬皇もおはよう」

「俺はついでかよ。っていうかケイスケは?」


 馬皇が振り向くと真央が立っていた。真央の含みのある挨拶に馬皇は微妙そうな顔をするが真央はそんな気も知らずにケイスケの事を答える。


「ケイスケは先に行って準備よ。私があんた達を無事に行けるように術式を組んでケイスケには必要な魔力の分の確保をお願いしてるわ。それにしても……」


 何か気になることがあるのか真央が言いよどんだ。それに馬皇が繰り返すようにたずねた。


「それにしても。なんだ?」

「やっぱりというか生徒は少ないわね」

「まぁ、俺らも含めて普通は出ないんだけどな」


 真央がそう言うと馬皇は何だそんな事かと呆れた感じで答える。駅周辺を見回してみると少なくはあるが他のクラスの見かけた事のある私服姿の生徒たちが一部混ざっているのが分かる。


「ふふ。それなら私たちも不良の仲間入りね」

「知るかよ」


 真央が軽く笑うと馬皇が不機嫌そうに答える。


「馬皇さん。真央さん。おはようございます」

「おう。おはよう」

「由愛。おはよう。それで説得はうまく行ったのかしら?」

「はい。真央さんと馬皇さんの所で勉強するって言ったらOKもらえました」


 由愛はにっこりと笑った。しかし、その理由に馬皇は微妙な顔をする。


「お、おう。由愛のおふくろさんにはこの前はありがとうございますって言っておいてくれ」

「私もですわ」

「? お母さんの事知ってるんですか?」


 由愛は馬皇とサライラに今の反応についてたずねる。


「お父様と約束のデートに行った時にお世話になりましたの。その時にどら焼きをくれましたわ」

「ちょっと、な。その時にいろいろ聞かれたんだよ……。サライラとかお前の事とか」


 馬皇はその時の事を思い出したのかげっそりとする。サライラは楽しかったの嬉しそうに答える。

ちなみに聞かれたのは由愛の事をどう思っているのか? とか告白はもう済ませたのか? とかサライラを見て二股しているのか? などいろいろ聞かれたのである。娘の話のはずなのに妙に楽しそうに聞いてくるのは馬皇もかなり困っていたのはご愛嬌である。


「そ、そうなんですか? そう言えば今日も見送ってくれる時に妙に笑顔だったような」


 馬皇の様子を見て由愛は今日の朝の出かける時ににこやかな顔をして送り出した母を思い出す。そして、自分の娘の恋愛話になりそうな相手からも話を聞きだしていて由愛と馬皇の関係を密かに楽しみにしているのに気が付いて顔を赤くする。


「もう。そんな話は良いでしょ。全員そろったんだから行くわよ。場所はケイスケが借りてた部屋よ」

「あの場所か? ってか、まだあるのか?」


 馬皇と由愛の話から妙なことになりそうになっていたのを真央が割り込む。真央の介入によって、ひとまず馬皇と由愛は続けるといろいろ起きそうな問題から距離を置くことに成功し同時にため息をつく。そして、過去に侵入したケイスケの部屋を思い出すと馬皇はたずねた。


「ええ。学校で出来れば問題なかったんだけど休みではあるんだけどさすがに学校は警察が調査するんですって。鉄先生の生徒指導室も考えたんだけど誰かいた場合と途中で誰か入ってきたとき、戻ってきたときに誰かが居たら誤魔化し切れないから別の場所にしてくれって」

「それでそこか?」

「あそこは元々ケイスケが自前で借りてた場所だしまだ契約は継続してるんだって。たまに趣味のグッツとか買いにこっちに来る時の中継ぎに使ってるらしいから認識阻害も完璧だそうよ。私も知らなかったわ。機密性と安全性にはもってこいのはずよ」

「あの。確かあの部屋に置いてあった真央さんの……」

「そんなものなかったわ」


 由愛はあの時に部屋にびっしりと天井に貼られていた真央の写真と抱き枕の事を聞こうとすると真央はそれを言う前に即答する。笑顔であるが目は笑っていない。


「真央さんの抱き枕としゃー」


 馬皇が見ていない写真の事を言おうとすると真央が由愛に顔を近づける。あまりの速さに由愛は思わず途中で言うのを止める。


「由愛」

「ぴゃい‼」


 由愛は真央の顔にびびって変な声を出す。


「そんなものなかったわ」


 声はそこまで大きくない。むしろ雑踏に紛れて普通であれば聞こえないだろう。しかし、平坦な声で威圧感を出して由愛を説得する真央。


「ハイ。ナニモナカッタンデスネ」


 由愛は片言になりながらもそう答えると真央が近づけていた顔を元の位置まで戻す。馬皇は2人が何か内緒話をしていると思って何も言わなかったが由愛が気まずそうな反応をしていてたずねる。


「どうした? 何か問題があったのか?」

「はっ‼ いえ。何でもないですよ。ちょっと、その……」

「男には聞きづらいことを相談されただけよ。ちょっとは気を使いなさいよ」

「そうか。悪いな」


 由愛はモジモジと言い辛そうにする。その様子と真央の言葉で馬皇は素直に謝った。その様子に由愛は内緒にしていることの罪悪感で申し訳なさそうな顔をする。


「まぁ、そういう訳であそこからなら人目を気にしなくてもいいわ。鉄先生も一応は場所も知っているしね。それに鉄先生は学校外というか町の外のダンジョンとか結界の外を探索する予定という形でこっちに来るそうよ」


 鉄の建前まで真央が言うと馬皇は感心したように答える。


「建前まで完璧に用意してんのかよ」

「用心に越した事はないわ」


 真央が馬皇に答えると馬皇は疑わしそうに言った。


「そうだけどよ」

「ならいいじゃない」

「いいのか?」

「いいのよ」

「そうだな」


 最終的には納馬皇も納得した。


「ほら。もう時間よ。急ぎましょ」


 真央がスマホの時計を見るとそろそろ電車の来る時間になり駅の方にも向かうための電車が来るのが見える。


「だな」

「ですね」

「ですわね」


 真央の合図に馬皇たちは電車に乗り込みケイスケのいたあこぎ荘に向かうのだった。

次回こそは馬皇たちはリーングランデに行く予定です。

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