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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第六章 修学旅行は地下世界都市‼
175/327

28話

短いですが更新です。

「どうぞ。こちらです」


 セバスに案内されるままに城の中を進むと大きな扉の前で止まった。意匠を凝らした扉は他の部屋の扉と比べると大きい。


「先は謁見の間でございます。奥様がお待ちです。どうぞ」

「案内されるままに来たがセバスは入らないのか?」


 扉を目の前に立ち止まって開ける様子のないセバスにユメリアはたずねた。


「奥様があなた方だけと話がしたいとのことで私には入るなとのご命令です。罠などはありませんので私の事なぞお気になさらずにどうぞお入りください」


 セバスはユメリアの質問に対して丁寧な口調で答えると黙る。それ以上は答える気がないのか静かにセバスはたたずむ。


「そうか。罠とかはないんだな」

「さようでございます」

「分かった。信じることにする」

「それではお困りの事がございましたら私をお呼びください」


 穏やかな口調であるが決意の固いセバスの様子にユメリアは短くうなずくとセバスは消える。ユメリアは突然消えたセバスに驚いて辺りを見回す。


「どうなっているんだ? いや、それよりもどこに行ったんだ?」

「今は城の出入り口の方にいるな」

「分かるのか?」


 そう言って馬皇は窓の方を見て下の方に指を指す。そこにはセバスが何事もなかったかのように庭の掃除を始めていた。


「気配が突然消えて門の前に突然現れた。しかも、箒を持ってな。つまり、あいつは城内ならどこでも移動できるんだろうな。それに隙もなかった相当できるな」

「そんなことも分かるか?」

「そんなもん慣れだ。慣れ」

「そうか。それとあの男の話は信用しても良いと思うか?」

「俺は信じても大丈夫だと思うぜ。俺らを案内するまでに襲う機会は結構あったが結局襲ってこなかったしな」

「それもそうか」


 馬皇の発言にユメリアも納得してうなずくと馬皇は思い出したかのように真剣な顔をしてユメリアの肩を掴んだ。


「ひゃっ‼」

「それよりもいいか。この扉の奥にいる奴に会いに行くが体形の事は言うなよ」

「それどころではない‼ かた‼ 肩をいきなり掴むな‼」

「特に胸元が貧相なことに関しては。キレたら手が付けられねぇからな。いいか絶対に言うなよ」


 馬皇がユメリアに近寄りながら真剣な顔をして忠告? をする。なんでそんなことを言い始めたのか以前にそれどころではないユメリアは混乱した様子で答える。


「わ、分かった‼ 分かったから‼ 顔が近いぞ‼ っていうか中の人物を知っているのか‼」

「そうか。それならいい。知っているかどうかと言われれば知っているとも言えるし知らないともいえる」


 ユメリアのテンパったうなずきを了承ととると馬皇は顔を離した。そのことにユメリアはほっと一息つくと結局答えを言っていない馬皇に言った。


「結局どっちなんだ」

「それはいいとして開けるぞ」


 馬皇はユメリアの疑問を無視して扉を開ける。扉を開けると目の前には女性が立っていた。白い髪は腰まで伸びている。紅い眼で馬皇とユメリアを見ると手を使って馬皇たちを招く。招かれた馬皇達は扉を抜けて部屋へと入る。馬皇達が部屋に入ると勝手に扉が閉まる。


「なぁ?」

「なんだ? ユメリア」


 ユメリアは部屋の主を見て馬皇にたずねる。


「私の見間違えか? 我にはサライラそっくりに見えるのだが」

「ちげぇよ。あいつよりもだいぶ大人びてるだろ。雰囲気とか身長とか」


 馬皇がユメリアの問いに即答する。目の前にはサライラがいた。正確にはサライラにそっくりな人物がそこにはいた。サライラがもう少し成長すればこんな風になるという見本のような存在である。落ち着いた色のドレスに身を包み落ち着いた笑顔と穏やかに見える眼つきで深層の令嬢を思わせる。


「ようこそ。そして……」


 鈴のようなきれいな声で一言そう言うと女性が消える。そして、ユメリアが気付いた時には馬皇のいた場所に女性が蹴りを入れたと思わしき姿勢であった。馬皇は宙を舞いそれに追いつき馬皇に連続でけりを入れる。空中で連続蹴りを入れられ続け宙に舞い続ける事十数秒。女性は何事もなかったかのように綺麗に着地し馬皇は頭の方から鈍い音を立てながら落ちる。


「……ふう。さっきのことはこれで許してあげますが次はありませんよ」

「お、おう」


 女性がそう言うと馬皇は倒れ込んだまま答える。それでやることを終えたとばかりに今度はユメリアの方へ向く。ユメリアは身構える。


「身構えなくても大丈夫ですよ。普段はあんなことしませんから。あの人がいらないことを言ったのが悪いんです」

「そ、そうですか」


 女性の笑顔とは裏腹に怒っているという事が分かる威圧感にユメリアは躊躇いがちにしか答えられない。女性の方は思い出したかのようにドレスの裾を掴んでお辞儀をする。


「それと申し遅れました。私の名前はイシュララ。イシュララ・イズバルド。そこで地に寝転んでいる男の妻にして外でヤンチャしているサライラの母ですわ」

「え?」


 ユメリアの理解を超えていた。

やっと設定していた話の所に繋がった。次回はこの世界と馬皇たちの世界の関係です


いつも読んで下さってありがとうございます。

感想や評価して下さると励みになります。これからもよろしくお願いします

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