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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第六章 修学旅行は地下世界都市‼
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23話

『月?』


 指さされた方向に目を向けて一斉にそう答えるとユメリアは言った。


「そうだ。正確にはあれは月と太陽を兼任している魔術で光源らしいのだがな」

「らしい?」


 ユメリアのらしいという言葉に真央が頭をかしげる。それに対してクリスがユメリアの話を補足する。


「遥か過去の出来事で一度の国は滅んでいます。その時より前の資料が残っていないのです。それにこの世界が出来てから過去一度も光が消えたという話はありません」

「なるほど。それなら知る人間がいないのは当たり前ね」


 クリスの補足に納得がいったのか真央はそう言うとまた口を閉じる。それを見てユメリアは話を再開した。


「それに偶然なのかわからないがいろいろと魔術が絡み合っていてあそこ周辺は魔術が使えない」

「使えない?」

「ああ。言ってなかったな。過去にもあの光源を調査しに隊を組んで船で近づいたことがあった。が、ある場所まで行って帰ってきたんだ」

「どうなったんだ?」


 今度は馬皇がたずねる。


「話によると気が付いたら戻っていたそうだ。我らも不可解だと思って何度か挑戦したが全部同じように戻ってきたらしい」


 ユメリアが語り終えると話を聞いた馬皇たちは各々に口を出す。


「あやしいわね」

「あやしいですわ」

「あやしいですね」

「だな」


 答えが一致した所で真央が最初に口を出した。


「恐らくあそこに何かあるのは間違いないわね。そうなるとあの場所まで行く手段とあんたたちが言っていた神? の足止めね。まだ少し時間があるけどさっきから地下から少しずつ近づいて来てる」

「もうか?」


 真央の言葉に馬皇が少し驚いた様子でたずねる。


「ええ。さっきまで完全に止まっていたけど今はゆっくりだけど上に向かってきてるわ。それよりもあんたはあれを一度見たんでしょ。私たちがそのまま戦って勝てそう?」

「無理だな」


 馬皇は真央の質問に即答する。その答えに真央は驚く。


「どうして? そこまでの相手なの?」

「ああ。戦闘力だけ見たらあの神はそこまで大したことはない。ユメリアやクリスとかは厳しいが俺や真央だったら戦えるし抑えることはできる」

「それなら最初からずっと思ってたんだけど普通に迎え撃っていれば良かったんじゃない?」


 馬皇の答えに疑問に思いながらも真央は答える。馬皇は「ただし……」と言葉を続ける。


「それは相手が削りきれる場合ならな」

「まさか」


 馬皇の言葉に真央も馬皇の言いたいことに行き着いたのか驚愕する。そして、眉をひそめる。


「そのまさかだ」

「そうなると本当に見つけださないと手がないわね」

「だろ?」

「くやしいけどあんたの見立て通りならどう頑張っても無理ね」

「ええい‼ 2人で盛り上がってどうする‼ そろそろ説明してくれ‼」


 馬皇と真央が対抗策を練ろうと話が進むがしびれを切らしたのかユメリアが割り込む。そのことに馬皇たちは少し気まずそうに同時に咳払いするとお互いに睨みあう。しかし、ユメリアたちの視線に気が付きユメリアたちの方を見て真央が馬皇を答えた。


「馬皇たちが見た地下から向かってきている神? ってのには正面から挑んでも無駄ってことが分かっただけよ。そうなると神殺しっていうのも気になるわね」

「それは今考えても仕方ないだろ」

「それもそうね」


 馬皇の言葉にあっさりうなずくと真央は話を戻す。

「その神とやらが今の私たちじゃ止めを刺せないってことよ。傷を負わせれないという事かもしれないし傷ついても即座に回復するかもしれない方向でね」

「ようは滅茶苦茶しぶといってことだな」


 真央の説明を一言で済ませるユメリア。そんなユメリアに真央は頭を抱える。


「そうね。もうその認識でいいわ。簡単に行ったら私たちでは殺し切れない。そうなってくると次の手段は?」

「封印?」


 真央の質問に頭にハテナを付けながらもユメリアが答える。その答えに真央がうなずく。


「そう。昔の人たちはどうにかして封印したんでしょうね。その手段は分からないけど」

「それならもし封印が解けた時にどうにかする手段があってもおかしくはない?」

「鋭いわね。クリス」

「そうか‼ その手段が光源の方にあるのか」

「正解」


 ユメリアが答えに行き着くと真央が答える。答えたユメリアにふと疑問浮かんだ。


「だけどどうやって行く?」

「そこよ。正直なんも策がないままあそこに突っ込んで行っても調査しに行った人たちと同じように帰って来るだけ」

「遠目で見ても認識阻害か何かが貼っているのは分かるんだが魔力の強弱とか関係ない感じだからなぁ。多分、無理矢理に突破することも難しくはないんだがそれをするとどうなるか分からんしな」

「せめて、何か道が分かるようなヒントでもあれば……。どうしたユメリア?」

「姫様? どうかされたので?」


 服の上着の方から何かを出すように着たまま振る。一瞬だけ首元の裾がはだける。


「いや、その、な、ずっと我慢してたんだが、さっきから背中が、っと……とれた」


 上着は下の袴に入れられているために足の方から石の欠片が出てくる。


「ふぅ。すっきりした」

「これだ‼」


 それを見ていた馬皇が声を上げた。その様子にユメリアが驚く。


「どうしたのだ? いきなり?」


 ユメリアの足元に座り込む馬皇。馬皇と同じようにユメリアも座り込む。その様子に真央たちはいぶかしげな目で馬皇を見る。


「さっきからずっとユメリアの事を見てたわよね」

「そうですね。真央さん」

「よもや姫様に何か‼ 姫様お離れください‼」


 由愛と真央が冷たい視線を浴びせる。その様子にクリスは馬皇の近くに置かないように引き剥がそうとする。


「あった‼ これだ‼」


 そんな視線に気が付かず馬皇は見つけた物を掲げた。

それといつも読んで下さってありがとうございます。

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