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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第六章 修学旅行は地下世界都市‼
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11話

「……うっ」

「あら? 気が付いた? 意外とタフね」

「‼」


 気絶していた女が目を覚ますと慌てて距離を取ろうとする。しかし、地面に縫いつけられたように動くことが出来ずもがいた。


「その程度の力じゃ、まず抜け出せないわよ。文字通り地面に縫い付けてるから」


 覆面の女は手元や足元を見ると確かにコンクリートが女の動きを封じていた。やがてこれを壊せないと観念したのか抵抗を止めると真央が話しかけた。


「そこまで暴れなくても私たちの要望をいくつか聞いてくれたら解放を考えて上げるわ」

「……何が目的だ?」

「簡単よ。まずは目て―」

「それよりもなんで覆面しているのに全裸なんですか?」

「ちょっと‼ そこじゃないでしょ‼」


 真央が質問しようとすると何故か興味津々にサライラがたずねる。サライラの割り込みに真央と共に覆面越しであるが困惑しているのが見て取れる。


「……えっと敵と交戦している最中で引き裂かれました」

「誰よ? そんなことする変態?」


 女の体を見てみると大したけがはなく覆面をしている。服はなく、辛うじて下着だけが残っている。真央は服だけを引き裂いた相手が変態なのかと思案してから女が話しかけるのを待つ。


「なので覆面だけは守って代えの服を取りに戻ってきたところをあなた達に捕まったのでそろそろ話してくれませんか?」

「そう。悪かったわね。それとこの国の城まで案内してくれないかしら。私の大事な友達が連れ去られたのよ」

「分かりました。案内しましょう。ただ、そろそろ着替えを取りに行きたいのでこの拘束を解いてくれませんか?」


 真央の提案に女はあっさりと乗ると着替えを取りに行きたいと要求すると真央は少しだけ間が空く。


「……あの早く外してほしいのですが」

「その前に名前を聞いていなかったわね。私は真央。で、この子はサライラ。あなたは?」

「ユメリアと申します」

「嘘ね。それはこの国のお姫様の名前でしょ? ……ふむ。クリスっていうのね」

「なっ‼」


 あっさりとクリスの名前を言い当てた真央に今度こそ驚愕した。その様子に真央はにっこりと笑みを浮かべると気分良さ気に話しはじめた。


「どうせ服を取りに行くって言って逃げ出す腹積もりだったんでしょうけど駄目よ。嘘を言ったら。ちゃんと答えたら別に逃がした挙げようかと思ったんだけど、今は私たちに協力しなさい」


 こちらからは名乗ってもいないのに真央に名前を当てられ、嘘だけでなくやろうとしていた事を見破られる。そんな相手にしらを切れないと踏んだのか敵意を持って真央を睨みつける。


「誰がするか。どうせ最初から逃がす気なんてなかったんでしょう」

「あら? 言葉遣いが荒いのね。せっかくあなたにもメリットのある話なのに」

「何?」


 真央の言葉が気になるのか動きを止めて真央を見る。真央はその様子に満足そうな笑みを浮かべる。


「食いついたわね。あなたの姫様は恐らく城の方へ戻って来るわよ」

「そんなはずはない。あの近くの出入り口は破壊した。それであの周辺とここをつなぐ道は全て壊したはずだ」

「でしょうね」

「なら、しばらくはここへ戻って来ることはない。姫に何が起こっても大丈夫なようにあの男に食料と水を持たせて誘導したからな。見た感じで戦い慣れているのは歩き方を見たら分かったし確認もした。恐らく安全なはずだ」


 覆面の女、クリスがそう答えると真央はため息交じりに答えた。


「そうね。問題ないわね。あなたが私に化けて私の知り合い連れて行ったからあいつの強さは知ってるわ。よっぽどの化け物が出ない限り問題ないでしょうね」

「気づいていたか」


 真央に化けていた事を言い当てられられるが、それは予想していたのか動揺はなかった。その様子に真央は少しだけ残念そうな顔をする。


「そりゃ、怪しかったし抵抗できない状態にしたんだからあなたの記憶は調べるわよ。姫を逃がしてこのクーデターを起こした奴の元で解決するために動いていたんでしょ」

「ご領主様と姫様には私が一生払っても返し切れない恩があります。その為なら……」

「はいはい。命を懸けるのは立派だけど私たちの大事な友達があなたの敵に連れ去られたのだから協力しなさい」

「……」


 真央がクリスに協力を仰ぐが今度は完全に黙ってしまった。クリスが手元から何かを取り出そうとしているのを見て真央はさらに言葉を続けた。


「それと私の友達、由愛っていうんだけどあなたのお姫様とそっくりなのよね。もし、人質としてあなたの領主様の前にしたら言いなりになると思わない」

「何が言いたい?」


 逃げ出すための行動をとっていたクリスの行動は止まり真央を睨みつける。


「だから、協力しなさいっているの。あなたは領主様と姫を助けたい。だけど、あまり時間は残されていないかもしれないのにここで動けなくなっている。私たちは友達を助けるためにまっすぐ城に向かいたい。だけどその道が分からない。ね? 利害は一致してると思わない?」


 真央の提案にため息をつくと抵抗を止めた。


「いいでしょう。その話に乗ります。それと改めてクリスです。よろしく頼みます」

「真央よ。話が分かってくれて助かるわ」


 クリスが名乗ると真央はクリスの拘束を解放する。そして。クリスの手を掴むと真央は名前を名乗って引き上げた。


「私はサライラ。案内お願いしますわ。後、なんで覆面は取らないのですか?」


 そう言って全員で自己紹介を終えるとサライラがたずねる。サライラの質問にクリスは恥ずかしそうに小声で答えた。


「だって、顔を見られるのは恥ずかしい」

「そうでしょうか? 目元とかを見るにかなり可愛らしいと思いましたのに」

「か、かわいい?」


 サライラが臆面もなくそう言うとクリスは戸惑う。その様子に真央が呆れた様子で言った。


「……それ以前に下着姿のままのほうが恥ずかしくないの?」

「それについては別に見られて恥ずかしい体をしていませんし、見られて恥ずかしい下着でもなかったので」

「なんかむかつくわ。後、女の子をひん剥いたあいつには一撃入れないと」


 真央はクリスの体を見る。そこにはかなり鍛えられて細い体。しかし、出る所は出ていて真央は謎の敗北感に蝕まれる。そして、女の子を裸にした馬皇に出会ったら一撃殴る事を決意する。完全なやつあたりである。


「どうした? 早く行くぞ。こっちだ」


 真央はクリスとサライラが先に行っているのを見て慌てて後を追う。


「待ちなさい。今行くわ」


 真央たちはクリスを追って城の方へ走り出した。

いつも読んで下さりありがとうございます。描写をもっとうまく書きたい今日この頃。地の文とかで変な所があれば教えてもらえるとありがたいです。

次回は合流予定? です。城での戦いが始まります。恐らく。きっと。多分。メイビー。


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