表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第六章 修学旅行は地下世界都市‼
157/327

10話

遅くなりましたが更新です。楽しんでもらえればと思います

由愛を連れ戻すために外用の動くのに困らない恰好に着替えを終えると真央たちは早々に行動を起こした。破られた窓からサライラが飛び出す。飛び出したサライラはもし起きていても気づかれないように外から客室を覗き込んでは別の部屋に、を繰り返していた。旅館の粗方を確認し終えるとサライラは戻ってくる。


「ただいま戻りましたわ」

「で? どうだった?」

「駄目ですわ。外から見た感じだと従業員はなし。客室の人間は全員が眠ってましたわ」


 サライラは頭を横に振って全員が眠っていることを知らせた。サライラの話に真央は状況を整理する。


「そう。中から従業員の部屋とか覗き込んでみたけど客と同じ状態だったわ。後、もう一度確認するけど外から見たのは全員眠ってたのね?」

「ええ」

「そうなると前から計画されていたのね」

「ええ。そうなりますわね。後、飛んでいて気が付いたのですが外の方も一定の範囲から結界が貼られていましたわ」


 そう言ってサライラは結界に向けて自身の槍であるリンネを虚空から取り出して投げた。リンネは一定の距離まで進むと結界にぶつかり動きが止まる。リンネは結界にヒビを入れると勢いは完全になくなりサライラの手元に戻ってきた。ヒビはリンネがサライラの手元に戻ってきたと同時に何事もなかったかのように完全に修復される。


「厄介ね。サライラのおかげで気がついたけどかなり出来のいい結界よ」

「それなら破壊すればいいのでは? もう少し力を入れれば壊せますわ」

「それは無理ね。調べてみた感覚だけどあれはもう少しだけ力を入れれば壊せるように見えるだけで実際には傷一つついてないわ。外から壊すのは楽なんだけど中から壊そうと思ったら私がしばらく使い物にならなくなるぐらい頑丈よ」

「そう言われるとより壊したくなりますわ」


 真央の言葉が信用できないのかサライラは先程よりも魔力と力を込めて投げる。しかし、先程と同じようにヒビが入ったように見せてリンネの動きを止めて手元に戻ってきた。


「ここら辺で止めときなさい。その後でも由愛を取り返すための戦いがあるんだからいらない消耗は後に響くわ」

「それじゃあどうするんですの? このままだと目的地にすらたどり着けませんわ」


 サライラが苛立ちを隠そうともせず真央に当たる。真央もそうなるのは分かっていたのかサライラを宥める。


「落ち着きなさい。私の推測が正しければ簡単に切り抜ける方法があるわ」

「どうしますの?」

「着いてきなさい」


 真央がそう言うとサライラを連れて旅館の出入口まで向かう。旅館を出ると目の前にある結界の境界で立ち止まる。


「それで? どうするの?」

「ちょっと待ってね。えっと……良かったわ。これならいけそうね」


 真央がしばらく足元を目を凝らすように見ると心配の種が無くなったのか安堵する。真央は足で地面を蹴ると真央の目の前のコンクリートを含む地面がまるで流砂のよう地面の土が下に消えていく。しばらくすると人が通れるくらい穴が結界の外側から少し離れた所にも出来た。


「これでトンネル開通ね。一応、音も立ててないし結界の境界には触れないように作ったから気付かないでしょうね」


 作り出した穴を見て真央は満足げな顔をする。そんな真央と目の前に出来た大穴を交互に見てサライラは納得のいかない表情を見せる。


「これでは目立つのでは?」

「通ったら直ぐに塞ぐから問題ないわ。それに恐らくここいらには誰も居ないわよ」


 旅館の前に出来たトンネルを通り過ぎたいのかさっさと渡ろうとする。その様子を呆れた顔で足を止めているサライラに真央は振り返った。


「それよりもそんな所でボケッとしてたら置いて行くわよ」

「ねぇ、真央。なんでそんなにワクワクした顔をしているの?」

「そんなの決まってるじゃない。全体を覆うタイプの結界が地面の中にまで作用していないことが確認するためよ。それに相手の頑張って仕掛けた物を相手の想定していない方法かつ最小限の消費で攻略するのは気分が良いわ」


 真央が実は自己満足と確認したかっただけだという事にサライラの空いた口が塞がらなくなった。呆然としていると真央が声をかけている事に気がつく。


「サライラ。早く行くわよ」


 真央が頭を傾げるとサライラは正気に戻る。サライラは真央に着いて行くと何事もなく結界の下を通り過ぎて反対側に出る。


「これで後は敵の本拠地に襲撃を掛けるだけですわ」


 気を取り直したのかサライラは闘争本能をむき出しにして鼻息を荒くする。今に求んでいきそうなサライラに真央は待ったをかける。


「そうね。でも、慌ててたら碌なことにはならないわよ。現に出たはいいけど城の道のりは分かるの?」

「それは……」


 言い返せないのか言葉が詰まる。近くには地図もなく実際に言った事のない場所に向かおうとしていることに今更ながら気が付いた。そんな様子にを予想していたのか真央は言った。


「でしょ。それに、ただ無駄に時間を潰していただけじゃないわ」


 そう言って真央が連なる建物の3つ奥にある路地裏がありそうな場所に視線を向ける。真央の視線にサライラも気が付いたのかサライラも真剣な顔つきで見ると建物の角から覗いている覆面をした相手と目が合う。相手も気が付いたのかすぐさま逃げ出した。


「気づかれましたわ。追わないと」

「問題ないわ。捕まえた」


 2人は先程覗き込んでいた存在がいた場所へ向かって駆け出した。そして、覗いていた相手のいた建物の角を覗き込むと言葉を失くす。


「……やはり、街となると1人はこんな人種がいるのね」


 サライラはある種の感心からなのか天然なのか、そんな言葉を出すと真央がその認識にツッコミを入れた。


「いや。感心するところじゃないからね。覆面にほぼ全裸とか多分、世界を見渡しても滅多に出てこないからね」


 そこには忍者の覆面を付けた下着姿の女が倒れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ