おまけ4・真央の再契約
更新しました。面白くかけているか分かりませんが楽しんでくれたらあrがたいです。
蛇足です。詠唱を少しだけ改変しましたが大筋は変わりません。従僕と盟友の基準は対等かどうか程度なので。
「常しえより契約せし我が盟友よ。ここに現れたまえユリウス」
真央の自宅から離れた人気の全くないどこかの山中。真央はユリウスを召喚した。魔法陣から出てきたユリウスは荒々しく飛び出すと上空の何もない空間から魔法を使って雷を落とす。雷に対して真央は冷静に魔力障壁を作り出して完全に無効化する。
「出てきてそうそう危ないじゃない‼」
「知ったことか‼ 小娘‼ 何故俺を途中で戻した‼」
あの時の戦闘でいきなり戻されたことに腹を立てているのかユリウスは言葉を発するごとに雷を撃ち続ける。
「あんたを巻き込まないためよ。少なからず消耗してたでしょうが」
「それでも俺は竜だ‼ 運ぶことぐらいは出来た‼ そして、何よりも馬皇様の頭に乗るだけでなくアンナ瘴気をまき散らして‼ 不敬であろう‼」
送還された後の情報も知っているのかユリウスは馬皇と一緒に行動していた事を怒っていた。
「傷ついてなくても私の瘴気に耐えられないあんた役に立つとは思えないわ」
「がぁぁぁ‼」
言葉よりも感情の方が上回ってしまっていてもはや言葉になっていないユリウスに真央は追撃する。
「言葉を忘れるなんて都合のいいことなんてさせないわ。落ち着きなさい。それに前の戦闘では移動の時と腕一本を止めたくらいしか役に立たなかったじゃない」
真央は冷静に雷を対処していく。時には躱し、時には障壁を使って防ぎ、時偶に迎撃する。その最中に真央ユリウスを沈静化せるために沈静魔法を放ち言葉を紡がせる。
「なにおぅ‼ 小癪な‼」
言葉が出る程度には落ち着いたのか淡々と真央によって防がれることに焦れているユリウスは上空に厚い雲が出来上がっていく。広域を巻き込む嵐を作り出そうとしてた。
「なら、なんで今、嵐とか雷の魔法とか使ってるのにあの時は使わなかったの?」
真央の言い分にユリウスは言葉が詰まる。
「ぐぅ‼ あの場所では馬皇様を巻き込むかもしれなかった。それでも傷一つ負われることはないだろうがそれでは戦闘の邪魔ではないか‼」
「そうね。確かに邪魔になるわね」
「であろう‼」
「なら、最初の馬皇が取り押さえる前に動けばよかったじゃない? 突撃が悪いわけではないけどすぐに突撃思考になるのは良くないわよ」
「っ‼」
真央の言い分にユリウスは何も言えなくなる。その隙に乗じて真央は空間を隔離して雷雲を霧散させる。これ以上の言い訳が思いつかないのか黙ったままのユリウスに真央は止めを刺した。
「あんたは送還されてもあの場で死んでもまた私が呼び戻せば復活できるのを知っているでしょ。今のあんたは本体じゃないんだから。それにしてもあの雷とか私が死なないレベルまで落として放つなんてやっぱりお優しいのね。ユリウス」
「やめろぉぉぉ‼」
真央が微笑みかけるとユリウスはあまりの恥ずかしさに悶えて暴れまわる。乱暴な言葉遣いをしているし、今も雷を放ち続けたり暴れまわったりしているが実は真央が無防備に受けても大けがをするだけで命にかかわることはないと言えるレベルである。しかも、器用に真央には当たらない様に暴れまわっている。
それならば雷は防がなくてもいいかといわれるとそう言うわけではなく真央が全て防げるのを分かったうえで放っているのである。つまり、一定の信頼関係は得ていると言ってもいいだろう。そう言う意味ではユリウスは真央の事を認めているのである。仮に何もせずに防がなかったのならユリウスは元の世界へと返っていたであろう。やがて、暴れるのにも疲れたのか息を乱したまま浮いているユリウスが言った。
「それで? 何が目的だ?」
「そんなの契約の更新に決まってるじゃない。それとあの時は急いでたのに変にごねたあんたに対する制裁」
当たり前のように真央は言うと頭をかしげる。真央は契約の更新の魔法陣を作り出す。無邪気なその仕草にユリウスはため息をする。完全にやる気を失ったユリウスは真央の作り出した魔法陣の上に浮いた。
「はぁ。内容は前回と同じでいいな?」
契約の内容をユリウスがたずねると真央はうなずく。
「ええ。私があなたに魔力を」
「俺はお前に戦力を」
お互いにそれだけ言うと魔法陣はあっけなく消え去る。拍子抜けするほどあっさりと契約を終えるとユリウスは渋い声で言った。
「これで契約は成立した。馬皇様には余計なことを言うなよ」
「ええ。ただし、契約通りに従ってもらうわよ」
「ああ」
それだけ言ってユリウスは元の世界へと帰って行くのであった。
―――
「……ってな感じで、昨日ユリウスとは契約を更新したわ」
休み明けのある日の放課後。屋上で由愛を待っている間に真央はユリウスとの再契約についての事のあ
らましを馬皇に自慢した。
「あんまり弄り過ぎんなよ。あれでも結構繊細で根はやさしい奴なんだからな。あいつ」
馬皇が忠告すると面白くないと真央は頬を膨らませた。
「何よ。あいつ全然隠せてないじゃない」
「簡単に喋るお前の方が問題だろ……」
言うなよと言われていても馬皇に結局喋っている真央に馬皇は呆れる。
「いいじゃない。本当に内緒にしないといけないことは私も絶対に喋らないし」
「だから、あいつの事は別に喋っていいと?」
馬皇がそう言うと真央もさすがに罪悪感が出てきたのかばつが悪そうに言った。
「はいはい。悪かったわよ。あんたも知ってそうだったし、ユリウスにも聞かれていないからここだけ秘密にしておいてよね」
「それならユリウスに直接謝れよな」
馬皇がもっともなことを言った。真央は馬皇の言葉に心底嫌そうな顔をする。
「それは死んでも嫌。あいつネチっこいし私とあんたの態度の差が許せないわ」
「はぁ。これからもお前を相手にするユリウスは大変そうだ」
ユリウスのこれからを考えて馬皇は「頑張れよ」と心の中だけで激励するのであった。
次回から新章です
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