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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第五章 2学期の戦い
133/327

20話

更新しました。短いですが楽しんでもらえるとうれしいです

 異空間には平地が続いていた。半径にして10km。空は黒で塗りつぶされドーム状である。生き物はむろん巨人しかいない。


 そんな中で巨人は動きを止めて機を待っていた。次の世界へと行くためにそこに存在する生物を移動と同時に喰らうために。向こうの世界の知識は置田と言う男からほぼすべてを得て同じレベルの知性を持った生物が多く存在する世界を地球を喰らう事だけを考える。そのためにも異空間から次元を移動するためのエネルギーと駒を今作り出している。


 今のところ準備は着々と進行している。だが、巨人は警戒していた。否、長い経験と共に学習していた。時を超え世界を超えてどこまでも小さくそれでいて知性を持った生き物たち人間。強大な力を持ち時に巨人である自身達と何度も渡り合ってきた神や魔族。どの種族からも恐れられ竜。何度も邪魔をした存在であると同時に自身の餌たちがまた同じように抵抗してくるであろうことは知識としてだけでなく本能が確信していた。


 そして、時はおとずれた。


「おぉぉぉぅ……」


 それこそ何気なく見上げたのかもしれない。たまたま上を向いただけなのかもしれない。その先は何も存在しないはずの黒が広がっている世界。自身しかいない空間。異空間を構成する大地には自身の眷属が蠢き飽和しかけているために動きは取れないがユミルは何もないはずの虚空を見上げる。


「……」


 沈黙をしたままあと少しで空間を移動するためエネルギーが溜まるのを待つ最中そいつは現れた。明らかに動きのなかった空間に渦が出来上がる。そこからユミルと同じくらいの巨躯の竜が姿を現す。竜はそのまま空を駆け上がり異空間の限界まで高度を上げると世界は光に焼き尽くされた。


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛‼」


 光は衝撃を持ってユミルを襲った。ユミルは咆哮と共に光に抗う。駒である小さい巨人たちは光に抗い切れず消し飛んでいく。そして、光が収まると同時に目の前にはあの渦を通ってきた竜が飛び込んできた。




「バカじゃないの‼」


 真央は馬皇が放った一撃を見た後すぐに行動を開始した。そして、先ほどの異空間へ送る魔法陣を異空間へと繋げる。残りの全員が一緒にユリウスに運ばれて入ったと同時に馬皇の作り出した光景を見て真央は叫んだ。異空間に入る前に真央もユミルがいる空間を覗き込んでいいたがそこには数百を優に超える数のユミルの10分の1程度の巨人が真央たちの足場のないほど蠢いていた。それが馬皇の放った一撃で8割程度が消し飛んだのだ。ユミルの増殖の速度も桁違いなのだが馬皇の一撃も真央が知る中では桁違いの威力を誇っていた。


「さすが馬皇様。弱くなったと言っていたが格が違う」


「ふふふん。お父様ですもの‼ 当然でしょ‼」


 真央に呼ばれたユリウスが羨望の眼差しでユミルと取っ組み合いをしている馬皇を見る。それに対してサライラは自分の事のように自信満々で答える。


「ってか‼ なんであいつあんな大きくなってんの‼ 私が見た時はあそこまで大きくなかったわよ‼」


「何を言っていますの? お父様はまだ成長期に入ったばかりですわよ」


「はぁ?」


 真央はサライラの言葉に頭を傾ける。馬皇の一撃の威力を考慮して距離を取っていたために移動しながらサライラが真央に向けて解説する。


「竜は成体になるまでの期間がとても短いですわ。それこそ成人するまでは人間と大差ないですわ」


「成長期にしては大きく育ちすぎだろう」


 サライラの解説に鉄が突っ込む。明らかにユミルよりも化け物をしている馬皇に他の面々は呆然とする。


「馬皇。デカすぎだろ……。そんでもってなんて厨二心をくすぐられる姿なんだ」


「そうでしょう。そうでしょう。洋介‼ もっとお父様を敬いなさい」


「ははぁー」


 そんななかで馬皇の姿をみて目を輝かせて拝む洋介とそれに気をよくしたサライラが緊張が抜けるようなことをしていて真央がまた大きな声を出す。


「ああっ‼ もうっ‼ さっさと作戦開始するわよ‼ 動ける奴はさっさと行きなさい‼」


「分かってる。親部行くぞ‼」


「おうよ‼ 任せとけっ‼」


 そう言って鉄と親部は馬皇から少し離れた所にいる巨人の駒であるミニ・ユミルの元へ飛び込む。鉄が上空から飛び降りる勢いを使ってミニ・ユミルの頭を蹴り飛ばす。


「ふははははは‼ 久々の祭りじゃあぁぁぁ‼」


 親部は鉄よりも馬皇の近くに着地すると腰にさげていたハンマーを手にもつ。ハンマーは親部の身長よりやや小さいサイズまで大きくなりそれを思い切り地面に叩きつけた。その衝撃によって地面は大きく砕け大きな穴と斜面を作り出す。大部分のミニ・ユミルを穴に叩き落とし馬皇とユミルの間に塀を作り動きを大きく阻害する。そして、情報を共有しているのか経路が存在する1か所の出口に迂回していく。しかし、その先には鉄と親部がまちかまえてた。


「久々の共闘だ。血がたぎるな‼ 親部‼」


「そうだな‼ 派手に暴れてやろうや‼」


「おうよ‼」


 馬皇の開幕の一撃と鉄と親部の残党であるミニ・ユミルの殲滅によって巨人・ユミルとの戦いにの火ぶたは切って落とされた。

とりあえず、開幕ブッパ&おっさんキャラの戦闘。次回はサライラと真央の予定。

読み辛いとか直した方が良いとかの指摘がありますとありがたいです


いつも読んで下さりありがとうございます。

感想、批評、指摘、ブックマークしてくれるとうれしいです。

これからもよろしくお願いします。

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