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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第五章 2学期の戦い
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11話

遅くなりましたが更新しました。なかなか筆が進まなくなってますががんばります

「またあそこなのか……」


 馬皇がそう言うと耳ざとく聞き取った真央が喋りはじめた。


「さすがに何度も同じ場所が原因になってくると互助会の調査能力が低いと思うんだけど」


 真央にとってはたわいのない呟きの一つなのであろう。真央の言葉が鋭く鉄に切りかかる。その言葉に対して鉄は否定する。


「真田君の言いたいことは分からないでもないが、彼らは優秀だぞ」


「鉄先生。異能に関する事件の隠蔽とか情報操作とかいろいろと行っているのは知ってますし、私たちもそんな怪しい場所を見た覚えなんてないんですからそんなのを見つけている時点で優秀なことくらい分かってます」


「そうか。それならいいんだ。ちなみに場所は真田君が繋がれていた場所。お前たちが暴れた研究施設だ」


 真央の言葉に鉄はうなずくと今回の見つかった研究施設のある場所を切り出す。馬皇と真央はその場所を思い出すがそこには何もなかった記憶しかない。その後大暴れして崩落させたのだから研究施設も糞もない。


「そこには何もなかっただろ?」


「そうね。あの時みたいに弱っていてもそんな場所があったら真っ先に気が付くはずよ。それにあそこは馬皇が崩落させたでしょ?」


「そうだな。だが、もしその場所に異空間があったとしたら?」


 鉄がたずねるように言うと馬皇は驚いた様子で答える。


「まさか‼」


 馬皇が驚きを見せると真央が今度は驚く。


「うそ‼ 何か気が付いたの‼ 馬皇‼」


 真央は何かに気が付いている風に驚く馬皇に聞き返すと一度うなずいてから馬皇は言った。


「分からん‼」


 きっぱりとした言葉に鉄を含む聞いていた全員が体勢を崩す。そして、真央はすぐさま体勢を立て直すと馬皇にツッコミを入れる。


「それなら言わないで‼ ややこしいから‼ それで? どこまで分かるの?」


「すまん。すまん。ええっと。これだけは分かる。要はこことは違う空間があそこに有ったって事だろ?」


「なによ? 分かってんじゃない。でもだからこそ私は有りえないと思ってるの」


 馬皇があの場所に何かがあると言うと馬皇のあそこに別の空間があるという言葉に対してのみ真央が肯定する。それと同時にその場所にそんな空間があることなどありえないと否定した。


「それは何でだ?」


「そういう空間ってのは大なり小なりこっちから何かしらの力を引いてこないといけないの。夏休みに見つけたダンジョン覚えてる? あそこはね、地脈の上に丁度あるの。要はパワースポットね。そこから力を吸い取ってうまく利用しているの。ものすごくカオスな空間だったけど、結構いろいろ出来てたでしょ?」


 真央が説明する中であの時のダンジョンの話が出てきて馬皇だけが遠い目をする。


「……ああ。まさかあんなことになるなんてな」


「私は言って正解だったと思いますよ?」


 由愛はダンジョンがいい思い出だったのか小首をかしげる。それを見た馬皇はなんて答えたらいいのか分からず生返事で返す。


「そうか……」


「その話は後でね。今は話を戻すわよ。それで私があり得ないって言ってるのはあの大学には地脈やら力が集まるような場所はどこにも存在しないわ」


「ちょっと待ってくれ。それならなんでそんな場所に空間があるってわかるんだ?」


 馬皇は気が付いたことを口にする。すると、その答えは直ぐに返ってくる。


「それは私が説明しよう。互助会の中には探知や追跡といったサポートに特化した部署が存在する。その中でも空間把握系の能力の持ち主の違和感を通じて今回の異空間を発見したらしい」


「そうなの。優秀なのね」


「ああ。私も真田さんの話に興味がある。話を続けてくれないか?」


 真央が興味深そうに思っていることを言った。そして、真央の説明に今度は鉄が反応する。


「分かりました。それなら話を続けるわよ。そう言う空間が偶然発生することは稀なの。そして隠れるという意味では最高の場所になるの」


「要はそこに殴りこみに行けばいいんだな」


「これからやることとしては間違ってないけどなんでそうなるのよ‼」


 馬皇が考えるのを放棄すると真央が突っ込みを入れる。そして、ため息をつくと話を続けた。


「はぁ。話を戻すわよ。その空間が作られるにせよ偶然発生されるにせよ何かしらのエネルギーが必要になるの。だったらそのエネルギーってどこから来たの? って話になるの」


「電力とかでは作る事が出来ないのか? ダンジョンの制作の時には」


 鉄がたずねると真央は首を横に振った。


「無理ね。入口ぐらいなら作れるかもしれないけど何かしらの処置なり異能なりで維持できるようにしないとそれも一瞬で消えるわね。それこそ1年2年の話じゃなくて100年200年単位の話になるの」


「それなら相手にもそう言った空間を作り出す異能者がいるとみるべきか」


「そうね。……あ」


 鉄がそう纏めると真央が何かを考えてふと思い出したように声を上げた。


「何かあるのか?」


「いえ……でも……。うん。これならあり得るわね」


 真央がぶつぶつと頭の中で話を整理して最終的に1人納得したのかうなづき続ける。


「悪いがこちらにも分かる様に説明してくれ」


 鉄がそう言うと真央は1人で理解して納得していたことに気が付き話しはじめた。


「すいません。鉄先生。闘技大会で皆月っていう男がいましたよね?」


「そうだな。確か転移系の異能だったか……。そうか‼ 彼か‼」


 鉄も真央の考えてる人物の異能を思い出す。空間に作用する異能の持ち主ならば確かにその可能性が高いことを考える。


「そうです。彼だったらそこに行き来するための扉なり穴なりを作ることはそんなに難しくないでしょうね。それでその空間に関してですがもしかしたらその異空間の発生原因は私たちかもしれません」


『は?』


 真央の行き着いた答えにその場にいた全員が首をかしげた。

次の次ぐらいからやっと異空間探索の話になる予定です。


いつも読んで下さりありがとうございます。

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