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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第五章 2学期の戦い
123/327

10話

更新しました。色々と絡み合って読み辛い部分だらけかと思いますが楽しんでもらえるとありがたいです。

「ふむ。そういうことがあったのか……」


 生徒指導室。馬皇たちは予定通り事のあらましを話しすと聞くと鉄は深く考え込む仕草を取る。しばらく鉄が考え込んでいると隣に座っていたリンが言った。


「そう。私と別れた後にそんなことがあったのね」


リンが去った後の土曜日の出来事を聞いて驚いた表情を見せる。そして、鉄が話の途中で何かを言いたそうな顔をするがすぐに口をつぐむ。そんな様子の鉄に真央がたずねた。


「鉄先生? 何かあったんですか?」


「うーむ。聞かせるべきか聞かせない方が良いか迷っている事があってだな……」


 言いよどむ鉄。その様子を見かねたのか真央が口に出した。


「ああ。捕まえたストーカーの人が亡くなったんですね」


「‼ どうしてそれを‼ ……いや、すまないダダ漏れだったか?」


 鉄は驚きの表情を顔に出すが、真央に心が読めることを思い出し平静を取り戻す。


「鉄先生が言いよどむってことはそれなりの事が起こっていることは容易に想像つくわ。それだったら私たちが捕まえたストーカーが逃げ出したか? 死んだか? のどちらかになるでしょ?」


 真央が自信満々に答えると聞いていた洋介たちはポカンとする。


「その発想は突飛すぎるだろ。さすがに」


 洋介は真央に対して思っていることに口にする。洋介の疑問に対して馬皇は答えた。


「お前、鉄先生の記憶を読んだろ?」


「おいおい。そんなことできんのかよ?」


 馬皇は過去に有ったことに思い出して言った。異能というものを少しだけ垣間見た洋介はまだ異能については未だに半信半疑である。洋介はそんな馬皇の様子に疑い深く見た。一方で馬皇は真央を見ると真央は目を逸らし口笛を吹く。口笛は全くふけていない。そんな様子の真央に馬皇はため息をつく。


「……ったく。そういうことは程々にしとけよ。それで一回気絶したんだろうが」


 馬皇は真央を戒める。


「分かってるわよ。でも、気になるじゃない」


 それでも必要であればやめる気がないような発言をする真央。そんな様子に馬皇は言った。


「それで過去に気絶した奴は誰だったかな?」


「知らないわね。どこの間抜けなのかしら?」


 馬皇が過去にあったことを言ってみると他人事のようにそ知らぬ顔をして真央は言う。その様子に馬皇は言っても聞かないだろうなと感じ取る。そして、ため息をついた。そのため息と馬皇の表情が気に入らなかったのか馬皇と真央の一色触発の雰囲気が空気を張りつめる。その状況を見かねてか鉄が話に割って入った。


「そろそろいいか? 真田くんが心を読んだとか読んでないとかはいい。そこに至ってしまったのなら死因も分かっているな」


 鉄がそうたずねると真央は全てを悟っているように一言だけ告げた。


「異能薬ですよね」


 真央の一言によって鉄は話すことを決めた。異能薬。馬皇たちが参加した闘技大会を境にじわりと毒のように広がって行っているのだ。異能を知っている者や信じている者にとっては異能が飲むだけで手に入るのだ。製法どころか素材も不明。出自も不明。分からないことだらけの怪しい薬であるのだが実際に異能者が生まれてしまった事によって広まったものである。そこまで理解しているのかはここでは関係ないと鉄は言い聞かせて口に出した。


「そこまで分かっているなら話しておいた方が良いな。これはお前たちの夏休みの出来事にもかかわる事だ。お前たちが見たトロルとか言われていた個体が出現したことを覚えているな?」


 馬皇と真央はうなずく。由愛はあの時の光景を思い出して体を震わせる。その様子に洋介はたずねた。


「なぁ? 何があったんだ?」


 馬皇にたずねると馬皇は答えようとする。


「それについては私が説明しよう。異能薬と呼ばれる薬を摂取したと思われる人物が襲い掛かって来たのだ。その時に迎撃したのはいいが、その後、塵となって消えてしまった……」


「それって……」


 鉄の言葉に洋介はある答えに行きつき顔を青ざめる。


「それ以上は言わなくてもいい。あれはそんなことをしなくても消えていた存在だ。だから気にしなくてもいい」


 鉄は洋介が言おうとしたのを途中で止める。ある程度落ち着いたのか体はまだ少しだけ震えているが少しだけ良くなったのか由愛が言った。


「あの。良いですか? その話と今回のストーカーさんとはどんな関係が?」


「すまないな。今回のストーカーもその後、塵となって消えてしまった」


「マジかよ……」


 せっかく捕まえたと思ったら跡形もなく消えてしまったのである。関わった相手が消えてしまったという後味の悪さを感じてしまう。そんな感情も合わさってか馬皇が呟く。


「後味は悪いが話はこれからだ。その後、いろいろと彼の足跡を調べていくとあることが判明したんだ」


「あの薬の出処でも見つけたのか?」


 馬皇が適当にたずねてみると当たりなのか鉄はうなずいた。


「ああ。これからが本題なのだが……馬皇。真田くん。今回の作戦、いや戦いに参加してはくれないか?」


「それについては構わないが場所は?」


「私も大丈夫です。今回も私たちの縁があった場所でしょ」


「ああ。正解だ。大葉大学だ」


 馬皇と真央には聞き覚えのある名前だった。

いつも読んで下さりありがとうございます。

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