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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第五章 2学期の戦い
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9話

面白い話が書かれているかは分かりませんが意識がもうろうとする中でも話は書けます(錯乱)

 月曜日の放課後の屋上。土曜日のストーカーの話を纏めて鉄にどういう風に説明するのかを話し合うために馬皇たちは集まっていた。


「ああ、何であの時に俺は戻ろうと思ったんだ」


 馬皇は未だに引きずっているのか目に見えてがっくりと落ち込む。


「そもそも考えなしに戻ろうとするなよ。普通に考えてもう少し待っとけばよかっただろ?」


「いや、そろそろ戻らないといろいろと俺の精神が不味かったんだ」


 馬皇は自身のストレスが思っている以上にきつかったのことを告げるが洋介はどうでもいいといった表情で言いかえす。


「知るか。それでも少し考えたら分かるだろうが」


「ぐぅ」


 馬皇は気絶したストーカーの苦悶の表情を思い出して何度目かの後悔を口にする。それに対して洋介は馬皇が何度も同じことを繰り返しているのをうんざりした様子で同じ言葉で同じように言葉を返して沈黙させる。


「それに由愛の服を台無ししちゃうしね」


「それは悪かったって思ってる。本当にすまんかった。由愛」


「わ、私は気にしてませんよ。代わりに次の日は楽しませてもらいましたから」


「……そうだな」


 由愛は相当楽しかったのかにっこりと笑顔になり対照的に馬皇の目は死んだ死体のように濁る。あの日の次の日には馬皇はまた女の子モードで由愛に付き合った。由愛1人に対して馬皇は1日である。いろいろな組み合わせを試して満足が行くものを選んだ由愛は別の意味でほくほく顔であったとだけ追記しておく。


「っく‼ 何であの日は予定があったの‼ 何もなければ由愛と一緒に楽しめたはずなのに」


 一方で由愛の顔を見て心底悔しそうな顔をする真央。その日、真央は両親と共に親戚関連の集まりのために行けなかったのである。由愛の選んだ渾身のコーディネートだけは由愛自身から写真で送られて来たためにその姿に悶えることが出来たがそれ以外の組み合わせや着こなしが見れなかったのである。


「今度は私と一緒に行かない?」


「いやだ。もう絶対にしねぇ」


「「えぇ~」」


「うっ‼ えぇい‼ 駄目といったら駄目だ‼ 昨日のは特別だ‼ と・く・べ・つ‼」


「少し位いいじゃない。ケチ」


「そう言ってこの前は半日過ぎたんだが?」


 馬皇が拒否すると真央に加えて由愛まで批判の声を上げる。その残念そうな声に馬皇は一瞬たじろぐがすぐさま拒否する。


「まあ、いいわ。それで私たちと別れた後、迂回して合流するように急いだけどあの間にそんなことがあったのね」


 実の所、もう少し後で合流が完了してストーカーを捕まえる予定だったのである。しかし、思いのほか人ごみの中でも関係なく襲い掛かりそうだっためにあのタイミングで馬皇と洋介は行動するしかなかったのである。その後、ストーカーは戦いになることなく呼び出した鉄によって連れて行かれた。由愛のおさがりの服と馬皇の精神が代償となったが解決である。


「俺には地獄のような時間だったがな」


「あの後、路地裏を歩く奴らの何人かに見られて倒れて行ったからな。腹筋抑えて悶えながら」


 運悪く馬皇の姿を何人かに見られたのである。あの変態的な姿に軒並みノックアウトされ見た人全員の記憶が飛んだとなればその破壊力は折り紙つきである。有る意味トラウマものの無差別被害に警察が来るほどの大騒ぎになっていたはずだったが、今回に関しては鉄が裏から手を回してくれたのと馬皇の顔をまじまじと見られていたとか写真を撮られたという事はなく大きな騒ぎにならずに済んだのである。


「その話はもういいだろ? これで昨日の話は大体終わりだ」


「他にはない?」


 馬皇が急かすようにこの話を切り上げると真央は他に何か言い忘れたことが無いか再度聞く。


「ああ」


「それで問題ないぜ」


 馬皇と洋介が真央の言葉にうなずくと真央もうなずいた。


「それなら今から鉄先生の所へ向かうわよ。あのストーカーがどうなったのかも聞きたいしね」


「だな」


 あっさりと真央の言葉に馬皇は肯定すると息ぴったりに立ち上がり同時に屋上の階段を降りはじめる。


「あれで仲が悪いとか付き合ってないとか絶対にウソだろ……」


 洋介は馬皇と真央の息の合いっぷりに愕然とした様子で思っていたことを口にする。


「そうですよねぇ。自覚があるのかないのか時々驚くぐらい息があってますからねぇ」


 それを聞いていた由愛が洋介の意見に同意なのかうんうんと頭を縦に振る。


「山田さんも苦労してるんだな……」


「田中君こそ……」


「洋介‼ 由愛‼ 置いていくぞ~」


「早くしないと洋介の耳をいろいろ飾って取れない様にするわよ‼」


 馬皇たちの呼び声(?)に洋介たちは顔を見合わせる。


「ふふ。私も田中君の耳を飾ってみたいな」


「それだけは絶対にやめてくれ……」


 洋介は嫌そうな顔を由愛に向けた。そして、まだかまだかと言い続ける馬皇たちに大声で返事をする。


「今行く‼ だから真田さん‼ すんじゃねぇぞ‼ ……すんません‼ しないでください‼ よろしくお願いします‼」


 猛烈な寒気に襲われて言い方を改める洋介。その様子に由愛は軽く吹きだす。そんな笑顔を見て洋介はつられて笑う。


「それじゃあ、行きましょうか」


「ああ」


 馬皇たちの後を追った。

いつも読んで下さりありがとうございます。

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