3話
更新しました。サブタイが思いつかないまま進んでいく……
少しだけ書き直しました。
「言葉が足りなかったな。次の土日の2日間だけ囮と護衛をして欲しい」
鉄が馬皇たちに結論だけを述べる。
「えっと……鉄先生。すみません。話が見えないんですが?」
さすがにそれだけでは分からないので真央が代表して経緯をたずねる。鉄もうっかりしていた事に気が付いたのかすぐさま謝罪した。
「おっと。すまない。まずは経緯を話さんとな」
「それについては私が話します」
「いいのか? リン君?」
鉄が聞くとリンはうなずく。それを見た鉄は同じようにうなずき返すとリンは話をはじめた。
「まずは自己紹介ね。私は方種 凛。アイドルをしているわ。あなた2人はあの時の大会に出てた子よね? 確か……」
リンは闘技大会の登録ネームを言おうとするとそれを止めるように真央と馬皇は話に割ってきた。
「真田真央よ」
「負毛馬皇だ。出来れば名前で呼んでくれるとありがたい」
馬皇と真央が自己紹介をするとリンは早速と言わんばかりに名前を呼んだ。
「そうね。分かったわ。真央に馬皇ね。よろしく。ところであなた達2人は付き合っているのかしら? 結構、真央かあの子一緒に居たのを見かけてたから結構印象に残っているんだけど付き合ってるの? それともあの子と付き合っているの? まさかの2股?」
リンは馬皇を見た後に真央と由愛に視線を向ける。闘技大会について理解が出来ない洋介も馬皇と真央が付き合っているのかいないのか気になるのかリンと同じように見る。
「「付き合ってない(わ)‼」」
「えっと……その……」
あらぬ誤解を掛けられて馬皇と真央が即答して由愛は顔を赤らめて戸惑ったような反応を見せる。その様子に片方はよく分からないがもう片方に気があるのがよく分かってしまう。
「そう。この話はまた今度にするわ」
2人の反応に好意を抱いているかは定かではないが少なくとも馬皇については悪くは思っていない事が分かる。リンは馬皇たちを見て楽しそうな顔をすると笑いを押し殺した表情で話を続ける。
「話が逸れていたわね。私がそれなりに売れているアイドルで異能者なの。異能は相手の精神を高揚することが出来るの。普段、異能はそこまで問題じゃないんだけどコンサートや仕事の時に制御が甘くなってお客さんのテンションが上がりすぎちゃうんだけど、そのうちの一人がどうにも私をストーカーしているの。最初は警備員さんを雇ってたんだけどストーカーの子が異能者で。雇っていた警備員さんと私が離れた時をねらって警備員さんを襲っているの」
「それって傷害事件ですよね? 警察の仕事じゃないんですか?」
リンの説明の中で明らかに警察の仕事であるのに何故ここに話が来ているのかを由愛が口にする。
「けが人が出てるんだけどどうにも異能のせいか警戒心が強いのか証拠も残さない。そのせいで警察を動かそうにも動けないの。だからあなたに私と一緒に囮をやって欲しいの」
リンがそう言うと馬皇を見る。確かに鉄だと付き合っていると言うには無理がある。馬皇もそれを察して今度は真央がリンにたずねた。
「それで鉄先生にいい人がいないか相談したって訳ね。でも、こいつでいいの? 体格だけ見れば鉄先生とそこまで変わんないんだけど?」
真央が馬皇と鉄を交互に見る。片方は大人でもう片方、馬皇は中学生であるが体格にはそこまで変わりがない。それだったら馬皇でなくてもいいはずである。
「すまないが俺は別件で手が離せないんだ」
申し訳なさそうに鉄が言った。馬皇と真央、由愛はケイスケを探す時に関わったあの時の事件に思い当たる。
「あの時の件ですか?」
「ああ。お前たちが持ち帰った情報と引き払った施設について授業がない時に早急に調べなければならなくてだな。手が回せないんだ。それにリン君の件も他に良さげな人材がいないんだ。出来れば引き受けてくれないか?」
馬皇たちに頭を下げる鉄。馬皇たちが関わった事件を一手に引き受けている鉄のお願いに馬皇と真央はどうしたものかと悩む。前回逃げられた相手であるWCAの足取りが掴むために鉄たち互助会が、実験のあったビルの資料を片っ端から調べている。しかし、互助会は荒事の依頼が多いためこう言った調査や資料の作成の依頼をそもそも受ける者が少ない。その為に人手が足らないのである。
「そうですか。俺は引き受けようと思うんだがお前はどうする?」
馬皇は引き受ける方向で真央を訪ねる。
「そうね。それだったら私も賛成ね。今回に関しては私も逃げられた連中の事が気になるから鉄先生には早めに情報が欲しいわ。いいですよね?」
馬皇の意見に真央は同意すると交換条件としてWCAの足取りの情報を求める。
「本当か!? 今回の件に関してはこちらも人員を派遣してもらっている手前どうしたものかと悩んでいたが、そうしてくれると本当に助かる。情報については確実ではないがいいんだな?」
鉄が穏やかな笑顔を見せる。それを見た後、馬皇は真央たちの方へと振り返る。
「俺たちで良ければ。真央。洋介。由愛。いいよな?」
各々が首を縦に振った。とりあえず、この場にいる全員の同意を得られてリンは胸をなでおろすように溜息をつく。
「それで引き受けるにしても何をすればいいの?」
真央がこれからの事をリンにたずねる。囮をするからには安全を確保してなければならない。そのためには綿密な計画と言うのは大切である。
「とりあえず、そこの馬皇君とデートね。よろしく」
リンは急に立ち上がると馬皇の腕に体を絡ませる。
「えっ?」
「はぁ?」
由愛は不意を突かれたことによって間の抜けた声を上げる。一方で真央は不機嫌そうな声を出す。
「なんて羨ましいやつなんだ‼」
洋介は羨ましそうにまたは妬ましそうに馬皇を睨む。
「ちょっ‼ いきなり何してんだ‼ 恥ずかしいだろ‼」
「何って腕を組んでいるのよ? 可愛い私と密着できるなんてレアなんだからね」
「それは分かっている‼ だから‼ 何でそこで俺に腕を絡ませる‼」
「そんなの決まってるじゃない。この方が面白いと思ったからよ」
そう言ってリンは小悪魔な笑みを浮かべる。その様子に馬皇は照れているのか顔を赤くしてリンをしかる。
「ストーカーを捕まえるんだろ‼ 真面目に考えるぞ‼」
「えー……しょうがないなぁ」
リンが馬皇に文句を言うと渋々腕を離した。
「それでどうするんだよ」
馬皇がたずねると今度は由愛が手を上げる。
「はい」
「由愛。何かあるのか?」
馬皇は由愛にたずねる。
「私にいい考えがあります」
普段と違うくらい堂々とした由愛の発言に馬皇は嫌な予感がした。
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