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転生した元魔王様の非日常的な学生生活  作者: haimret
第五章 2学期の戦い
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2話

「とりあえず、だ。馬皇。運ぶの手伝ってくれよな」


「分かってるって。これを生徒指導室へだよな」


「おう。それじゃ頼むぜ」


 馬皇と洋介、馬皇と真央の戦い(?)を終えると洋介は馬皇と共に使った机を返却しに行くことにする。馬皇は快諾するとお互いに対面になるように移動して机を持ち上げた。


「せーの。よっ……と。見た目よりは軽いな」


「そうだな。ただ、これを1人で持って行くにはいささか持ち辛いけどな。これで……よっし。馬皇は大丈夫か?」


 洋介は落ちそうな机を落とさない様に持ちやすい様に下の角に指を引っ掛けるようにしてしっかりと持つ。


「問題ないな」


 洋介がたずねると馬皇は答えて大きくうなずく。洋介も馬皇が準備を終えていることを確認すると一気に持って行くことを提案する。


「それなら一気に運んじまおうぜ」


「オーケイ。さっさと終わらせて帰ろうぜ」


「だな」


 2人はそう言って行きの幸太郎たちとは対照的に特に苦も無く運び始める。ちなみに、幸太郎たちはここに持ってくるまでの間に5度程休憩を繰り返している。そのことを考えれば中学生にとってあの机は相当な重量を持っているはずである。


「あの? あれって軽いんですか?」


 馬皇たちが軽々と持ち運んでいる姿に鉄の机がとても軽そうに見えるくらいである。本当は軽くないことを知っている由愛は馬皇たちの重さを感じさせないその動きに軽くないことは分かっているはずなのに呟いてしまう。


「何を言ってるんだ? 山田さん。そんな訳ないだろ? あいつらがおかしいだけだ。あいつらが」


 幸太郎は馬皇と洋介を顎で指して強調する。


「ですよねぇ……」


 馬皇たちがさっさと運んでいるのを見て小太郎が先に回り込んで扉を開けていく。それに続くように馬皇たちも机を運ぶ。その後ろで会話をしていた由愛も幸太郎の回答に同意するしかなかった。


「もう到着か。さすがに俺と洋介だと早いな」


「だな」


 馬皇たちは結局休憩を入れることもなく机を1階の生徒指導室前へ持ってくる。前にいた小太郎と後ろにいた幸太郎が生徒指導室の前に立つと生徒指導室をノックして扉を開ける。


「「失礼します」」


 生徒指導室を開けると鉄と女の子が座っていた。女の子は驚いた様子もなく馬皇たちを見る。


「もしかして、お邪魔でした?」


 幸太郎がそう言うと鉄は言った。


「そんなことはないぞ。むしろ丁度良かった。机をあそこに置いた後に馬皇と真田、山田は残ってくれ」


 鉄はそう言って馬皇たちに指示する。馬皇と洋介は生徒指導室の奥に入口の方へと戻ってくる。その一方で、呼ばれなかった洋介たちがたずねる。


「「「あの……俺たちは?」」」


「すまないが危険な話もあるからそのまま帰りなさい。今言った子たちも別の件で要件があるから残ってもらうだけだ」


 鉄の説明に不満があったのか洋介は答えた。


「いいや。俺たちも残るぜ。困りごとなら俺も手伝うからな」


 洋介がそう言うと幸太郎たちは言った。


「そうか。なら後で話を纏めて聞かせろよな」


「そうか。洋介。頑張れよ。また明日な」


「なっ‼」


 まさかの幸太郎たちの裏切り洋介は言葉が続けられなくなる。そのまま幸太郎たちは操られているかのように去って行った。


「リン君。一般人に対しては仕事以外では程々にと言ったはずだが?」


「だってこうした法が話するのに楽だからしただけよ。それよりもなんであの子たちは私の魅了が効いてない

の?」


 リンと呼ばれた少女は鉄以外の全員にかけたはずの魅了が効いていないことを鉄にたずねる。


「たかが魅了の類でしょ。私とこいつ、馬皇には聞かないわよ。由愛に関しては私がレジストしただけよ」


 真央の言葉に興味深げに馬皇と真央を見つめる。


「へぇ。じゃあ、あんたは……。なんだ。変異種の子か。それじゃあ効かないのも納得ね」


 洋介を見たリンは頭に犬耳を乗っけていることに気が付き変異種である事を理解する。


「そう言えば変異種と呼ばれる存在には効果がないんだったな」


「ええ」


 リンは鉄の言葉にうなずく。鉄とリンは頭を縦に振りながら納得していると馬皇はたずねた。


「鉄先生。ところでこの子は誰なんですか?」


「そういえば言ってなかったな。この子はリンくんだ。闘技大会の時に司会をしていたからお前たちも見ていたはずだが?」


「「「え?」」」


 馬皇たちはリンを見て明らかにテンションの違う様子に戸惑う。印象が全く違うのだ。その様子を見たリンはいきなり目を輝かせてテンション高く言った。


「どうも~♪ みんなのアイドル・リンだよ♪ みんなよろしくね~♪ いぇ~い♪」


 アイドルモードのリンのテンションを見て実況を見た事のある馬皇たちは確かにあの時のアイドル・リンであることが間違いないことに呆然とする。


「まじかよ……」


「うそ……」


「早変わりです……」


「えっと……。どういうことだよ?」


 馬皇たちは目の前にあの時のアイドルが何故かこの学校に来ていることに洋介は話が呑み込めないことに目が点になる。そんな様子の馬皇たちに鉄は言った。


「まぁ、落ち着きなさい。いろいろと思うことは有るだろうが互助会からの依頼だ。負毛馬皇、真田真央、山田由愛、そして田中洋介。簡単に言えば彼女を守って欲しい」


「「「「は?」」」」


 鉄の言葉に思わず全員の言葉が重なった。

迷走中ではありますがよろしくお願いします。


いつも読んで下さりありがとうございます。

感想、批評、指摘、ブックマークなどしてくれるとうれしいです。

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