2人の方針
あまり変わってない部分と大きく変わった部分がありますが大筋は変わらない予定です。
「で? 探すって言ってたけどどうやって探すの?」
結成から数十秒後。真央は馬皇の友人を探す方法を聞いた。馬皇も一応は考えていたのか小さくうなずいてから言った。
「ああ。とりあえず適当に怪しい所を探せば見つかるだろう」
ノープランであった。それを自信満々に言う馬皇の頭を真央は身体強化でジャンプして引っ叩いた。
「何すんだ‼」
なんで引っ叩かれたのか分からないといった様子で頭をさすり馬皇は文句を言う。真央は凍るような冷たい視線で馬皇を見る。
「バカじゃないの? これだから馬皇は」
どうやって探すのか考えていない馬皇に呆れたように言うと馬皇は真央の言葉の言い方から何かを察したのか言い返す。
「今、それの名前をバカの代表みたいにしただろ。とりあえず普段行くところをしらみつぶしだな」
「……チッ。無駄に鋭いわね」
「何か言ったか?」
脳筋に碌な案が出てくるとは思わなかったために期待していなかった真央であるが、案の定、期待を下回る馬皇の発想と無駄な勘の鋭さに小さく呟くと真央は頭を横に振った。
「いいえ。何にも。真面目に頼み込んだくせに何も考えてないバカには当然引っ叩くわよ。まあ、まずはそうするのが現実的よね。馬皇は今までのことからこう言った情報集めとか得意じゃないでしょうし。私の魔法で周りの思考を読んだり、失踪したと思われる場所であなたの友人の物が見つかれば何が起こったのかは分かるかもしれないわね」
真央の言葉に馬皇は考える。確かに、そんなことが出来るなら確かに友人を探すのには打ってつけだろう。本当にできるのなら馬皇は願ってもない提案であった。
「それなら任せてもいいか?」
真央は嫌味を自然に無視して答える馬皇に嫌味が効かなかった事に少し悔しそうに顔をしかめるが、馬皇に「任せる」と頼られると優越感ですぐに機嫌が良くなる。
「ええ。この魔法はちょっとした応用でね。条件はいろいろあるけどあなたとの勝負の時にはひどいもん見せられたからもう使わないでしょうけどね。今回は特別よ」
勝負の時に使ったという真央にそんな魔法を使われた覚えがない馬皇は、さっきの真央の言葉から我慢対決の時にあの追われた時のことを言われたことを思い出すと同時に言葉に出す。
「それは、我慢対決の時か?」
「違うわ。とりあえず、あなたと友人たちがよく通るところから探しましょ」
馬皇はあの時の生々しい記憶を思い出しそうになるが、頭を左右に振って追い払った。
いつあの情報を得たのか分からない馬皇はじゃんけんの時に気分悪そうにしていたことを思い出して「あの時か‼」と呟いた。真央は馬皇が気が付いたことに頷き馬皇はジト目で真央を見た。
「どおりであの時気分悪そうにしたわけだ。てか、ずりぃな。そんなことしてたのかよ」
馬皇の発言に涼しい顔をして言い返す。
「あら? 勝負に卑怯も狡いもないでしょ。というよりも魔法つかっちゃいけないとは言われてないわ」
まだ、馬皇は言い足りなさそうな表情をしたが、真央の言うにも一理あることと今は優先することが違うため引き下がった。
「まあ、そうなんだけどよ」
「あら、聞き分けが良いのね」
馬皇はまだ何かを言いたそうな顔をしていたが言葉には出さなかった。あの時の負けは負けだからだ。それに、今回は洋介たちを探すのが先だ。真央は、あまりにも聞き分けがいいのか拍子抜けしてしまった。
「今回のこと頼み込んでる手前もあるが、決着のついた戦いをそこまで引っ張りゃしねぇよ」
「そう」
とりあえず、いつもより気持ち悪いくらいに聞き分けの良い馬皇に真央は張り合いがないとため息をついた。早く事件を解決して気持ちのいい勝負をしたいと真央は考えていた。
「なら行くわよ」
そう言って真央は先に動き出す。
「そうだな。てかっ‼ お前場所知らないくせに先に行くんじゃねぇ」
そう言って、真央を追う馬皇。それでも、先に行こうとする真央と共に捜索を開始した。2人は中学校の屋上を気づかれないように後にするのだった。




